原作の面白さを忠実に引出し巧みに見せる手腕に評価!!
サイコーとシュ-ジンの姿勢に好感が持てるのが
この作品の最大の魅力の一つですね!!
-感想-
親と子というサブタイトル。
叔父と甥という親子に似た関係も描かれたのが印象的でした。
今回はサイコーとシュージンがサイコーのおじさん
川口たろうの仕事部屋に入る事で漫画家としてのモチベーションを高める話でした。
後半は川口たろうの遺品から、小豆のお母さんと文通していたことが発覚。
そして小豆のお母さんに二人が会いに行く、そして叔父の話を聞きにいくという
おじさんのルーツを探しにいくという話でした。
おじさんのルーツを探す、バクマンでは小豆のお母さんに出会うのは
実はサイコーとシュージンにとっても自己のアイディンティティを探す話なのでしょう。
まだ漫画家を始めるには経験も技量も何より覚悟が足りない二人。
なぜ漫画を描くのかという自分の動機を見つけるのに精一杯な姿がまぶしくもあります。
サイコーは血統良いですよね。叔父がマンガ家というのは
マンガ家を目指すの環境であれば理想的なポジションだと思います。
子供の時におじさんと触れ合って身につけたことは
サイコーにとっての大事な財産でしょうから。
小豆のお母さんの声は井上喜久子さんでしたね。
気品溢れながらも茶目っ気ある仕草が42なのに可愛らしかったです。
川口たろうと小豆のおかあさん・サイコーと小豆。
時代は違えども叔父・甥の思考回路は一緒という設定は良いものですね。
それは時代が変わっても変わらないものがある。
そしてシュージンが言っていた「ロマンティスト」につながっていくのでしょう。
集英社の作品なのにライバルの講談社の
「巨人の星」「あしたのジョー」の
単語が出てきて、作品の引用がされてって言うのにはビックリです。
おそらく講談社(そしてNHK)に許可をもらっているのでしょうね。
こうしたディテールは作品のリアリティに一役買っています。
またその中でも
「巨人の星」の
「坂本龍馬の台詞を知っているか」という親父の台詞が
大河ドラマとの
「龍馬伝」を暗に見て欲しいという宣伝になっているような気がしました。
私は
「巨人の星」「あしたのジョー」とも読んでいますが、
二つとも日本のマンガの大金字塔作品です。今読んでも抜群に面白いです。
梶原一騎の哲学、今回で言えば巨人の星の「男は前のめりになって死ね」
あしたのショーでいえば「真っ白に燃え尽きる」
原作はまだ過程の最中ですが、彼らはどこまで登りつめるのでしょうか。