ローゼンメイデン3度目のTVアニメ化。
今回は、旧原作にあたるコミックバーズ版の総編集。
1話で8巻分相当を纏めてしまう超圧縮展開。
次回からヤンジャン連載の内容になりそうだ。
さてこうした圧縮展開を1話で仕掛けてくるのは驚いたが、
本作のシリーズ構成・脚本の望月智充さんの存在を踏まえるなら、
超展開の可能性も踏まえていいと思った。
例えば望月さんが手がけた「きまぐれオレンジロード」の1つ目と3つ目のOP。
1つ目のOPは、細かく映像を刻み、245カットに及ぶ構成。
逆に3つ目のOPはたった1カットのみで1分30分の映像を作る。
また1999年に監督をした「セラフィムコール」。
特に望月さんが絵コンテを切った2話では、
部屋内のぬいぐるみ視点から
この回のヒロインである寺本たんぽぽを徹底して描く。
決してぬいぐるみ視点からはブレない20数分が続くので、
異様な時間・空間感覚に襲われる回だった。
また、同じく絵コンテを切った5話の村雨紫苑・6話の村雨桜では
同じ物語を姉妹それぞれの視点で描く。
殆ど同じカットの使い回しを行いつつも
微妙に違う姉妹の感情の機敏を描く。
ほぼ同じ絵、だが感情的には違う内容を2週連続で見る奇妙な感覚を味わえた。
他にもぴえろ魔法少女シリーズでの演出も含めて、
望月さんは驚かせる演出をする引き出しを持つ
トリックスターなのである。
こうした望月さんのキャリアを踏まえれば、
1話で旧原作の8巻分をまとめてしまう脚本を書くのも
ありえるのかなぁと思った。
それにしても、8巻を1話分にまとめてしまえるのは、
作品への確信がなければできないだろう。
※これをコンテで描く、監督の畠山さんの仕事ぶりも気になった。
中々見られない展開を体験できたので良かった。
※追記
ちなみに望月智充さんは、1話が最終回でそこから物語の最初に遡る
「桃華月憚」のシリーズ構成だったことも留意しておきたい。