はじめに
おとといの土曜日に同人誌仲間であるアニバタのたつざわさん(
@tatsuzawa)と一緒に
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」の舞台になった秩父へ聖地巡礼に行ってきた。
今回はこの秩父で体験したことをまとめたい。
秩父の盛り上がり、人の賑わい
まずたつざわさんと合流した西武秩父駅、秩父駅、そして駅周辺の商店・商店街を含めて
「あの花」で盛り上がっていこうという意気込みを強く感じられた。
商店街の街灯と各お店にはあの花のポスターが貼られ、
駅の物産館ではあの花のご当地商品がレジ近くの良い場所で陳列されていた。
また地元の酒造メーカーの武甲酒造では、あの花のキャラをラベリングしたお酒を販売。
お饅頭屋さんの店頭では「あの日食べた蒸しパンの味を僕たちはまだ知らない」
と書かれていたのも印象深かった。
この駅や商店街の積極的な取り組みに関して、たつざささんと話した結果、
秩父という街に観光のノウハウがあったのが大きいのではという結論になった。
元々あった観光地としてノウハウを上手く活かして西武秩父鉄道とも連携をとりつつ、
盛り上げている。そして実際に効果を上げているように思えた。
次に印象的だったのは、私達のような聖地巡礼者が多かったこと。
秩父中心を歩いていると私達と同じような目的の人が多い印象を受け、
特に秩父橋、定林寺には多くのファンが集まっていた。
秩父橋は橋の独特の工法や景観も相まって名所であり、
たつざわさんは熱心に様々な角度から橋や景観を撮影していた。
定林寺では、訪れた当日がめんまの誕生日という事で
めんまのコスプレをした女性がケーキを切っているイベントをやっていた。
また寺の長イスには、めんまの等身大の人形もあり、人形の隣に座った。
小さい普通のお寺だったが、30~40人ぐらいの人がいたので、かなりの賑わいを見せていた。

上の舞台になったトンネルも、私達以外にも何人か来ていた。
実際のトンネル内の壁面には落書きがスプレーで容赦なくされていて
「4649」や携帯電話の番号が書かれていた。
TVドラマ的に受容されるアニメ、そしてノイタミナ
好きなアニメ作品の舞台になった場所へ行くことは
もしかすると私が思っている以上に定着しているのかもしれないと感じられた。
アニメの聖地巡礼の動きは、おねがいシリーズそしてらき☆すた以降に活発化したのだろうが、
よくよく考えると、TVドラマ、特に大河ドラマと比較すれば、
作品の舞台を訪れる事は珍しいことではないと思った。
私も2009年の大河ドラマ「天地人」が放送された当時、
主人公:直江兼続ゆかりの山形県米沢市の上杉神社へ行ったことがあるが、
休日という事もあり、ものすごい人だかりだった。
作品によりけりだが、ファンが作品の舞台に訪れたい点を考えると、
アニメがよりTVドラマ的な形で受容されている。
もしくはTVドラマ的にアニメがより作られている作品がある印象を改めて受けた。
さらに「あの花」がノイタミナという、
TVアニメの月9的なポジションを狙ったであろう枠で作られた事を考えると
極めて物語的にもTVドラマ的だった「あの花」が
聖地巡礼と結びついてTVドラマ的に受容されるのは、一つの帰結としてありだと思った。
場所が先か、物語が先か
アニメ制作の観点からすると
アニメ本編で秩父橋やトンネルといった実際の場所が使われる際に
作品作りのどの段階で決まるのかが気になった。
まず大まかな話、もしくは脚本を決めてから、その物語の舞台を探したのか。
もしくは場所を決めてから、大まかな話、脚本を決めたのか。
場所によってケースバイケースだとは思うが、
面白い場所を見ると、物語のイメージも膨らむのではないだろうか。
この場所で、キャラクターにあんなことやこんなことをさせたい。
そういったイメージが膨らむのではないか。だから実際の場所をロケするのかもしれない。
その意味では、どんなジャンルであれ創作をする時に、
実際の場所をどうロケしていくかの勉強にもなった。
また実際の場所とアニメのシーンを比べると
雑然としている場所、トンネル内の落書きのように汚れている場所も多かった。
こうしたアニメにはいらないノイズを上手く取り払って美術背景をおこし
郷愁と現在の間を生きる超平和バスターズの物語に相応しい舞台に仕立てていたのがわかった。
アニメ制作は情報の取捨選択であるという事を思い知らされた。
まとめ
朝10時から夕方6時までの間におよそ50箇所を巡ったので疲れた。
ここまで本格的な聖地巡礼は初めてだったが、
視聴者がどうアニメを受け止めているか、
また秩父という場所を知る良い機会にもなったことも含めて良い体験になった。
今回の聖地巡礼の戦利品。
個人のおもちゃ屋さんにあった∀ガンダムのジャンボカードダスで引いたロランとソシエ。
チェーン店ではないおもちゃ屋さんはこうした掘り出し物があるので面白い。