
アニメーション作画スタジオで有名な有限会社アニメアール。
このアニメーアールが80年代に得意としていたのが、通称「アールの消えちゃう破片」だ。
「アールの消えちゃう破片」とは、80年代のアニメアールが参加した作品で起こる
爆発したメカの装甲の破片、舗装された道路がわれた破片、割れた岩石の破片など
破片が画面内で大量に美しく舞い、その破片が巧みに分裂し消え去るエフェクトの事を指す。
例えば「機甲界ガリアン」「星銃士ビスマルク」など。
源流として、なかむらたかし氏による岩石の破片など、画面中に細かい破片を描き、
それぞれの破片の動きを書き分ける手法が挙げられる。
80年代では毛利和昭氏、吉田徹氏、沖浦啓之氏等が主な使い手。
この「アールの消えちゃう破片」の代表例として、
「蒼き流星レイズナー」のOPが挙げられる。
レイズナーのレーザードライフルで、敵メカ:ブルグレンの
左脚と顔の装甲が綺麗な破片として描かれ爆発する。
この破片が画面にもたらす充実感、
そして破片が徐々に消えていくタイミングが本当に気持ち良い。
この気持ちよさは今でも通用するものではないだろうか。
他にも「アールの消えちゃう破片」でおすすめなのは
「蒼き流星レイズナー」の17話「群がる殺人機(マシーン)」。

敵メカの腕が落ちるカットに
こんなに細かい破片を散りばめ、より重いカットとして仕上げる。
「蒼き流星レイズナー」では1話あたりの作画枚数が4000枚という基準があったらしいが、
アニメアール作画回では7000枚を使っていたという話もあり、
極めて80年代のアニメアールが、枚数を使って動かしたい熱気に包まれていたかがわかる。
参考:
Togetter -「アニメの最低枚数について、」