「アルドノア・ゼロ」12話にみる分割アニメの物語構成について。 

「アルドノア・ゼロ」12話。1クール目の最後。
分割2クールロボットアニメの物語構成の作法を見せつけたような展開。

驚く程冷静かつ圧倒的知性で敵を打ち負かし続けた
イナホ君が死んだ、いや死んだように描かれたのは驚いた。

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今回、イナホは「戦争は外交手段の一つ。」と言い、
戦争と感情は交差しないという主張をしていた。
しかしイナホ君はザーツバルムの中にある地球人すべての憎しみや
スレインの中にある姫様への想いといった
キャラクターの怒りと憎しみとの感情の交差に巻き込まれ戦場に消えた。

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マクロな視点から見たら戦争は、イナホ君の言うとおりなのかもしれないが、
ミクロな視点、個々人が戦場で戦う動機などから見れば、
戦争ひいては戦場にあるのは結局は個々人の感情のやり取りなのだろう。

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上のキャプ画像はイナホが回想するシーンの1ショットであるが
そんな冷静で知性溢れるイナホ君にとっても、お姫様は特別だった存在だったようだ。
イナホ君にとってアセイラム姫は身分的にお姫様だったわけではなく、
自分にとってのお姫様であったことがわかる。


それにしてもクールとクールの跨ぎに当たる今回は、
次クールに繋げるための強烈な幕引きだった。
登場人物の殆どが死んでしまったように映り、最後にスレインだけが残る。
次のクールは、どんな物語展開になるのか。
そんな視聴者に興味を抱かせるような仕掛けを施した幕引きだったと思う。
クリフハンガー的であるともいえる。

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TVアニメは、その放映形態によって(もしくは放映時間でも)
物語構成を規定させられる事を、改めて感じさせてくれた作品だった。
1クールであれば、1クールの物語構成があり、
分割2クールなら分割2クールの物語構成があるということ。

印象としては「機動戦士ガンダム00」「革命機ヴァルヴレイヴ」に近い印象だった。
組織や登場人物が滅んでいく様が描かれたという意味で。
最後にイナホ君とスレインが銃を向け合うという展開から見れば
「コードギアス」的であるともいえる。
戦争を描くロボットアニメは、こうした幕引きを行うパターンがあるのだと思った。
 
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来週からでも次回以降の展開をすぐにでも見たいのだが、
強烈な幕引きを見たので、次クールでも面白い物語を期待したい。
 
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[ 2014/09/21 03:05 ] アルドノア・ゼロ | TB(23) | CM(0)

あおきえい監督と現代医療-アルドノア・ゼロとAngel Beats! 

「アルドノア・ゼロ」10話では、ライエの絞殺によって
呼吸が停止した姫を蘇生させるためにAED(自動体外式除細動器)が使われた。

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このAEDの後に伊奈帆が姫に人工呼吸を試み、姫は息を吹き返す。

前に「人工呼吸」の描写が気になって
私は「アルドノア・ゼロ」の人工呼吸の描写からわかるクールな作風について
という記事を書いた。それはいい。

しかし「AED」「人工呼吸」が使われた時に、思い出さなくてはいけないものがあった。

それは、

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「Angel Beats!」9話のドナーカードである。

「アルドノア・ゼロ」の監督、
そして「Angel Beats!」9話の絵コンテは
あおきえいさんである。

もしかすると、あおきえいさんは現代医療に関連するものを
作品内に積極的に取り入れる方なのかもしれない。

※あおきえい監督の「喰霊-零-」でも
三途河にやられた諫山黄泉が入院する描写があった。

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ただ「Angel Beats!」のドナーカードは
原作・脚本の麻枝准さんのアイディアによるものかもしれないし、
「アルドノア・ゼロ」のAEDを使うアイディアも、あおきさんではないのかもしれない。
まだなんとも言えないところだが、
今後のあおきえい監督作品で医療的な描写が出てきたら注目だ。 
 
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[ 2014/09/09 20:53 ] アルドノア・ゼロ | TB(0) | CM(0)

「アルドノア・ゼロ」の人工呼吸の描写からわかるクールな作風について 

「アルドノア・ゼロ」を10話を見ていて、前々から思っていたが
この作品はクールな作風、感情表現が抑制されてる作品だと改めて思った。

例えば、人工呼吸のシーン。

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伊奈帆は前回絞殺されたアセイラム姫に対し
感情を前に出さず淡々と人工呼吸を行う。
人工呼吸という盛り上がりそうなシーンを作っても、
伊奈帆が感情をわかりやすく前に出さないキャラであるため
落ち着いた画面・展開になっている。

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ただクールな作品といっても、上記のキャプを見ると伊奈帆は汗をかいている。
つまり伊奈帆も姫の命がかかっているだけに一生懸命なのである。
伊奈帆の感情パラメーターとしては相当高いはずなのに
作品全体がクールであり伊奈帆が表面上冷静であるが故に
作品としての盛り上がりは演出的に抑制されている。
(音楽も抑制された曲が用いられていた印象)

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シーンは少し飛んで、蘇生した姫とライエの会話のシーン。
ライエの動機を聞き、ライエに詰め寄る姫。
姫は目を見せないが、涙がつたってあごにかかっている。
涙の粒が小さいので、わかりにくいのだが、
感情描写が演出的に抑制されていることを示す一例だろう。

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ライエ自身の独白は、三澤さんの感情的に徹した演技で
「アルドノア・ゼロ」の中でも、感情的なシーンに仕上がっていた。
またライエの顔の表情のつけ方、顔の動かし方に極めて力を入れていた。
その一方で音楽は感情を盛り上げる方向の曲ではなく、抑制するものを使用。

どこかで感情が高ぶる感じになれば、一方で感情を抑制する演出を施す。
もしくはわかりやすく感情が高ぶることを示さない。
これが「アルドノア・ゼロ」という作品なのかなと思った。

こうした感情を抑制した演出は、
おそらくキャラクターの精細な機敏を描くという試みがあるのだろうが、
この試みの前提には、志村貴子さんのキャラクター原案抜きには語れないだろう。
つまり志村さんの絵・キャラクターだからこそ、
こうした感情を抑制した表現になっているのである。

ロボットアニメのキャラクター原案やデザインには、
私の中では派手な絵を描く方が手がけられるイメージが多いが、
その逆の端正な志村さんの絵をもって描くのが
「アルドノア・ゼロ」の試みであると思った。
 
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[ 2014/09/07 07:46 ] アルドノア・ゼロ | TB(18) | CM(0)

何故「アルドノア・ゼロ」9話を見て「SHUFFLE!」の空鍋を思い出したのか? 

「アルドノア・ゼロ」9話は、ライエがアセイラム姫を絞殺した展開が衝撃的だった。
※アセイラム姫が本当に死んだかどうかは今後の展開次第。

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私は、アセイラム姫のお風呂シーンはサービスシーンかなと思って見ていたので、
いきなりの展開、しかもこの回の時点では姫が死んだように描かれていて驚いた。

このアセイラム姫を殺そうとするまでに歪んだ想いを抱いたライエを見て
アニメ「SHUFFLE!」のヒロインの1人である芙蓉楓の通称「空鍋」を想い出した。

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空の鍋を回す楓に当時驚いたものであった。

楓もいわゆるヤンデレ化したゆえの行動であるが、
ライエも含めどちらもキャラクターの歪んだゆえの行動を描いている。

ではなぜ私は「アルドノア・ゼロ」を見て「SHUFFLE!」の空鍋を思い出したのか。
理由は、この空鍋の描写があった19話「忘れ得ぬ想い」の
絵コンテ・演出が「アルドノア・ゼロ」の監督であるあおきえいさんであること。
脚本が「SHUFFLE!」19話「アルドノア・ゼロ」9話ともに高山カツヒコさんであること。
今回の「アルドノア・ゼロ」9話の絵コンテが二瓶勇一さんであること。

端的に言えば、「SHUFFLE!」の空鍋の演出を仕掛けた
あおきえいさんと高山カツヒコさんが「アルドノア・ゼロ」に関わっているから
キャラクターの歪みが描かれる引き出しを使ってきたという印象。

また今回9話の絵コンテの二瓶勇一さんも
「SHUFFLE! 」の4話・9話・12話・13話・20話を絵コンテを担当し
「SHUFFLE!」には縁深いスタッフでもある。

まとめ

あおきえいさんと高山カツヒコさんといえば
「喰霊-零-」のイメージが強かったが、その前に印象に残る仕事は
「SHUFFLE!」の19話の空鍋だった事を思い返させてくれた。

あおきえいさんは楓やライエのような歪む女の子の瞬間を描くのが好きなのだろう。
(※これは「喰霊-零」の諫山黄泉の描き方にも通じる)
そして、あおきさんのオーダーを「SHUFFLE! 」スタッフの二瓶さんが応えたのだろう。
こうした瞬間をライエの歪み方から感じた。
 
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[ 2014/08/31 06:50 ] アルドノア・ゼロ | TB(21) | CM(2)

「アルドノア・ゼロ」と「喰霊-零-」の上司と部下の関係性について 

「アルドノア・ゼロ」5話を視聴。

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ダルザナ・マグバレッジさんと不見咲カオルさんの関係を見ていると

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「喰霊-零-」の神宮寺菖蒲室長と二階堂桐さんの関係に似ていると感じた。

知的でそれなりに器を持つ上司(ダルザナと神宮寺)。
忌憚なく意見を言う部下(カオルと桐)。

今回の「アルドノア・ゼロ」でダルザナがきっぱり意見するカオルに対し
「モテない」理由を言い出すあたりも何か似ている印象。
二人だけの世界ができている雰囲気を醸し出している。
この上司と部下の関係は両作品ともに面白い。
というか「喰霊-零-」で初めて知った面白さというか。

両作品のスタッフ的共通点として、あおきえいさんが監督、
「喰霊-零」のシリーズ構成の高山カツヒコさんが今回の5話の脚本。
高山さんがダルザナとカオルさんに、神宮寺室長と桐の関係を重ねたのかも。
 
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[ 2014/08/03 04:47 ] アルドノア・ゼロ | TB(12) | CM(0)