「山ねずみロッキー・チャック」
(※ズイヨー)後半以後、五本のコンテをきらせてもらい、監督、アニメーターとしての遠藤政治さんという怪物と出会った。そのころは氏の酒量はへっていたらしいのだが、スタジオに臆面なく一升ビンをおいて仕事をなさる方というのをはじめて目撃した。すすめられることではないが、悪いともいえない。そんな状況を呑みこんでアニメを創ってみせる、と口にした方は遠藤監督以外にはいない。剛気さと繊細さをみせてくれた方として僕には貴重だった。あたりまえなことを、感動をもって描けというビィビィッドな感性は、アーチストというにふさわしい。コンテの仕事だけだったので、傍観者として遠藤監督の自身の所在だけをみることができたのは幸いだった。
出典「だから僕は」角川スニーカー文庫より
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