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京都アニメーションにおける木上益治さんと逢坂浩司さんの存在 

はじめに

「たまこラブストーリー」が公開中の京都アニメーション。

京都アニメーションの作画力の高さは、すでに過去の作品から
広く知れ渡っていると思うが、その作画力の源とは何なのだろうか。
その源に関わったであろう、二人のアニメーターである
木上益治さんと逢坂浩司さんについて紹介したい。

木上益治さんの存在

一つは、京都アニメーションの取締役であり、アニメーターの木上益治さんの存在。
P.A worksの公式HPにある、堀川社長のコメントを紹介しよう。

堀川:沖浦さんが、京都ではアニメーターの何たるかは、木上益治さんの背中を見ていれば全てわかるはずだって言っていたんですよ。「アキラ」の時に、スタジオに入ったタイミングはずれていたんですが、仕事ぶりがすごかったって。そう云う人がそこにいる、きちっと仕事をこなす姿勢を示す中心人物がいる。
「P.A works Anime Runner」No.16「定着率の謎」より
 
厳密には、堀川さんが言っていたわけではなく、日本トップクラスのアニメーターである
沖浦啓之さんが「木上さんの背中を見ていればわかるはずだ」と言っていたわけだが、
京都アニメーションの作画スタッフの中で一番のベテランであろう
木上さんの存在が、後進に大きく影響を与えているのだろう。

以下、京都アニメーションの武本康弘さんと石立太一さんのコメントを紹介する。

石立
安直だがアニメでやっていこうと思いました.京アニに入ったのは正直近かったからです.ですがスタジオで木上さんの隣に座ってから「すいません,アニメーションなめてました」と思いました.入社してからは必死で走り続けてきました.

武本
絵描きとして入った人間が木上さんにガツン!とやられるというのは通過儀礼ですね.本人から何か厳しいことを言われるわけではないんだけど,新入社員が勝手に衝撃を受けるという.

石立
木上さんが机に向かって描いている姿はすごくきれいです.

cauchy「人並み以上にアニメに興味がない私が京都アニメーション・スタッフ座談会に行ってきた」より
  
沖浦さんの言っていたことを、武本さんと石立さんが証言が証明しているかのようだ。
もちろん、仕事の姿勢だけではなく、木上さんは実際に指導されていたようである。
今でも定期的に木上さんは(変名だが)原画で参加しているので、
今でも京都アニメーション内で影響力を発揮しているのだと思う。

逢坂浩司さんの存在

さて、木上さん以外にも注目したいのが、故:逢坂浩司さんである。
逢坂さんはボンズの取締役であり「機動戦士Vガンダム」「機巧奇傳ヒヲウ戦記」等で
アニメーター・作画監督・キャラクターデザイナーとして
1980年代中盤から2007年に掛けて、アニメ界に多大な実績を残してきた。

そんな逢坂浩司さんと京都アニメーションには、どんな接点があるのだろうか。

これは確定した情報ではないのだが、
過去の2chのアニメアール(逢坂浩司さんが所属した作画スタジオ)のスレッドで
京都アニメーションが作画を強化する際に、
アニメアール所属時代の逢坂さんを技術指導役として招いたというコメントがあった。
逢坂さんがアニメアールを退社したのは1991年だから、
技術指導が行われたのなら、1991年以前の話だろう。

大阪のアニメアールと京都アニメーションは距離的に近い。
さらに逢坂さんがいた頃のアニメアールは、凄腕のアニメーターが勢ぞろいしていた。
京都アニメーションが作画を強化したいと考えるなら、アニメアールを頼る可能性はある。
そして、逢坂さんは面倒見の良い方だという証言もある。

この技術指導の情報が事実かどうかはわからないが、
1990年代の京都アニメーションが手がけた作品と
逢坂浩司さんには仕事上の接点が多々ある。

例えば、1993年のOVA「KO世紀ビースト三獣士Ⅱ」の3話は
京都アニメーションの石原立也さんが演出。
キャリア的に石原さんの演出経験はまだ少ない時であり、
原画は京都アニメーションが請け負ってるのだが
逢坂さんは「才谷梅太郎」という変名で作画監督を担当している。

1995年のTVアニメ「ふしぎ遊戯」の19話も上記と同様に石原立也さん演出。
京都アニメーションが原画を請負い、
逢坂さんは才谷梅太郎名義で作画監督を手がけている。

これら上記の二つは京都アニメーションのスタッフの原画を
社外の逢坂さんが作監修正を入れていたことになる。

また1996年の劇場アニメ「新きまぐれオレンジ★ロード そして、あの夏のはじまり」は
制作がぴえろ、アニメーション補助で京都アニメーションがクレジットされている。
ただ演出は石原立也さん、作画監督が木上さん、作画監督補佐に北之原さんと武本さん、
原画陣の4割と動画・仕上げは京都アニメーションが手がけているので、
京都アニメーションが主体となって制作された作品と見てもいいだろう。
この作品でも、逢坂さんは才谷梅太郎名義で原画参加している。

他にも1998年にコナミが製作したゲームなアニメ「Dancing Blade かってに桃天使!」は
京都アニメーションの元請制作作品であり、石原立也さんが監督・演出を手がけたが、
木上益治・上宇都辰夫・高橋博行・中野恵美・池田和美・島美子・米田光良
池田晶子・北之原孝将(敬称略)といった京都アニメーションの原画陣の中に
逢坂浩司さんが原画で参加している(他に外部の参加は石田啓一さん)

こうしてみると、元請制作や劇場アニメといった
会社的に重要性が高い作品・クオリティが問われる企画に逢坂浩司さんは参加している。
それ以上にポイントなのは、石原立也さんが演出を手がけた作品に参加している点

個人的な推測でしかないのだが、逢坂さんと石原さんには
何かしらの接点があったのではと思われる。
それはもしかしたら、確定情報ではないが、
逢坂さんが京都アニメーションで技術指導した話が本当であれば、
もしかしたらその中に石原さんがいたのかもしれない。

逢坂浩司さんは、1998年にボンズの取締役になったためか、
ボンズ以外の作品を手がけることはなくなり、
京都アニメーションの仕事とは直接リンクしなくなるのだが、
1990年代の京都アニメーションの作品を社外から逢坂さんが支えていたのがわかる。

逢坂望美さんの存在

もう一つ、逢坂浩司さんと京都アニメーションを結びつける
確定ではない情報として、逢坂望美さんの存在が挙げられる。

京アニのKAエスマ文庫『中二病でも恋がしたい!』で挿絵を担当した逢坂望美さんの意外な噂を目にした
「ぬるオタが斬る」さんより

詳しくは上記のリンク先を読んで頂きたいのだが、
「中二病でも恋がしたい」の原作小説の挿絵を描いていた逢坂望美さんが
逢坂浩司さんの娘さんではないか?という話題が出ている。

これも確定情報ではないのだが、
逢坂さんと京都アニメーションの仕事上での接点があることを考えると
無い話でも無いとは思うが、この辺りの情報も知りたいところではある。

まとめ

木上益治さんが京都アニメーション内部の大黒柱として、
後進のアニメーターに多大な影響を与えてきた。

そして逢坂浩司さんは社外ではあるが、
1990年の京都アニメーションのスタッフの原画の作監修正や原画を担当していた。
もし逢坂さんの技術指導の話が本当であれば、それからの接点なのだろう。
何にしても1990年代の京都アニメーションが関わった作品に
特に石原さんが関わった作品に、逢坂浩司さんが参加していたのは事実である。

ただ、逢坂浩司さんに関しては確定情報ではない憶測の内容も含めて、
この記事を書いているので、真相がわかる方がいれば、教えてほしいと思っている。
 
そしてアニメーションは、人の存在、人同士の接点で成り立っていることを改めて感じた。
 
※追記(2019年7月30日)

ogawamizue.jpg

アニメアール出身の小川瑞江(みずえ)さんのツイート。
逢坂さんが京都へ指導された証言をしている。
逢坂さんの他にも沖浦さんも京都へ指導された点もポイント。
 
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[ 2014/04/29 20:01 ] 京都アニメーション | TB(0) | CM(0)

「たまこラブストーリー」の変化と恋を描く物語の傑作性について 

「たまこラブストーリー」を鑑賞。

たまこともち蔵の初々しい恋の物語を丁寧な所作と芝居で描ききった快作。
こんな気持ちになれた青春映画を見たのは久しぶりだった。

併映された「南の島のデラちゃん」のファーストカットが往年の松竹映画のパロディだが、
これは本編の「たまこラブストーリー」は往年の邦画のように作りたいという決心だろう。

そんな邦画的である事を表明する本作は、省略と抽象性を上げること、
つまりキャラクターの心情や動機を、事細かに言葉等で説明せず、
極めて淡々と物語を紡いでいた事で、往年の邦画的であろうとした作品だと感じた。

特に本作で良かったのが、物語の展開のさせ方、組み立て方、構成だ。
そこでこの記事では本作の構成、本作に登場するアイテムについて、
重要な役割を担ったキャラクター「常磐みどり」の役割について語りながら、
「たまこラブストーリー」全体を包括できるように語ってみたい。

※ネタバレ有りです。

ファーストカットについて

まず、本作のファーストカットが、宇宙から見た地球だったのには驚いた。
商店街と学校という、宇宙から見た地球から見れば、
とてもミニマムな場所で展開する物語だからである。

ただたまこの変化は、パンフレットにも書かれた通りに
「宇宙の入口」に立ったような感覚なのだ。
その事を表現するために、わざわざ宇宙から見た地球のカットを入れたのだろう。

「たまこラブストーリー」は変化を描く物語だという事を
強烈に突きつけたファーストカットだったとわかるシーンだ。

光る構成の妙について

次に、物語の構成について語ってみたい。
構成で上手いと思ったのが、キャラクターを自然に二人きりにさせたり
展開が自然に二転三転していくところである。

例えば、たまこの祖父の福がもちを詰まらせて倒れ、病院に搬送された時に
もち蔵の両親が、もち蔵がたまこに告白した事で、お互い話せなくなったのを察してか
あんこと豆大と先に帰り、もち蔵とたまこを二人きりにしたところ。
たまこともち蔵を二人きりにする舞台の整え方として、上手い組み立て方をしたと感じた。

次に物語のクライマックスにあたる、たまこが連絡網で翌日の学級閉鎖の件を聞いて、
学級閉鎖の件をもち蔵には伝えず、翌日に学校で登校するであろうもち蔵を待とうとしたら、
みどりが登場して、たまこに「もち蔵は東京に向かった」と話す一連の流れ。

たまこは学級閉鎖の件を、もち蔵に話さずに翌日学校へ行けば
何も知らないもち蔵は登校し、二人きりでたまこはもち蔵と話せるとたまこは考えたはずだ。
鑑賞者側も、たまこがもち蔵へ学級閉鎖の件を連絡しないと決断し、
翌日たまこが学校にいるシーンを見た時に、たまこの考えに気づくと思う。

しかし学校に現れたのは、もち蔵ではなくみどり。みどりはもち蔵は東京に向かったと告げる。
ここで、同じ事を考えているだろうたまこと鑑賞者が裏切る展開が上手い。
通常の展開をひとつ裏切ったあとに、みどりを登場させて、さらにどんでん返しを図る。
物語が二転三転させていく展開の上手さに、舌を巻いた。

また本作は、たまこともち蔵とその友人関係の物語は基本的には学校を中心に進め、
一方でたまこともち蔵の家族と商店街の人々の物語は、商店街で描くことで、
学校と商店街の二つの舞台を軸に、「変化」というキーワードを、
学校=わかりやすい変化がある場所、商店街=わかりやすく見えないが変化もある場所、
という対比のさせ方で描いたのも上手かったと思う。

アイテムの使い方、関連のさせ方について

以上のような、物語の展開や繋げ方も上手かったが、
物語内の個々のアイテムが物語の進行によって関連づけされていくのが上手かった。

まずは、糸電話とバトンという個々の小道具が繋がっていく展開。
「たまこラブストーリ-」ではバトン部のたまこはバトンをリリースした後に拾えず、
もち蔵が投げる糸電話もほとんどキャッチできないことが描写される

これは、変化を気にしていなかった(バトン)たまこの心情の表れともいえるし、
もち蔵の想いを受け取れない(糸電話)という見方もできる。

ただみんなの進路を聞き、もち蔵の告白によって、変化があることに気づくたまこ。
そしてもち蔵の告白を受け止めてからは、バトンが取れるようになり、
新幹線乗り場で、もち蔵からの糸電話をキャッチできたたまこ。
たまこの変化、相手の気持ちを受け取れることを表現するアイテムとしての
バトンと糸電話が、それぞれの場面で効果を発揮する瞬間を見るのは楽しかった。

次に「もち」と「もち蔵」について。

たまこはもちの事が好きで、新しいもちの商品を考案しているが、
最初はもち嫌いであり、もち好きになったのは亡くなった母親の影響であった事が語られる。
たまこが考えるおっぱいもちやおしりもちというのは、母への思慕表現なのかもしれない。

ただ、たまこがもちを好きになったキッカケが、実はもち蔵であった事を思い出す。
つまり元々意識していなかったが「もち」=「もち好き」=「もち蔵好き」だったのだ。
それがわかってから、たまこはもち蔵の事が最初から好きだったと自覚し
もち蔵への想いに応えようと考えを改める。
もちというアイテムと、もち蔵という名前が、関連付けられていく展開もまた面白かった。

たまこともち蔵を俯瞰し、後押しする常盤みどりの存在

本作は、たまこともち蔵の両想いな二人が、お互い声に出していえない気持ちを
お互い声に出して告白することで、二人の関係の変化、自身の変化を描いた作品だ。

そんな二人の関係を俯瞰しながら見て、時には苛立ち、時には後押ししたのが常盤みどりだ。

TVシリーズ2話で、みどりはたまこに対し、友達以上に想う感情表現を見せ
もち蔵のたまこへの想いに気づき、煮え切らない態度に苛立つ。
そして「たまこラブストーリー」では、みどりがもち蔵にたまこへの想いを
打ち明けることを後押しして、たまこに「今日もち蔵が話がある」事を伝えることで、
もち蔵はたまこに告白できた。みどりは重要な役割を果たしている。

そんなみどりはもち蔵が告白した事に対して、告白できないと思っていたので評価している。

一方でたまこに対しては、これまたもち蔵に気持ちを伝えられないので、
たまこに「もち蔵が今日転校する」という嘘をついてまで後押しをする。

おそらくみどりは、二人の関係の変化/発展を願っていた。
それ以上に二人の気持ちも察し、二人の関係の決着を願っていた。
それは、みどり自身がたまこやもち蔵に対する感情に決着をつけたい面もあったはずだ。

つまり、みどりもたまこともち蔵を後押しして、自身を変化させたかった。
だからたまこに嘘をつき、たまこが走ってもち蔵の元へ向かったのを見て、
二人の関係は変化するとわかったみどりは、かんなとともに走る。
このシーンを見た時に、みどりの何かが吹っ切れたと私は感じた。

序盤で進路を聞かれた時に、漠然と進学と答えたみどりだったが、
たまこともち蔵の関係を、誰よりも深く理解してフォロー役に回り
自分の気持ちを吹っ切った・変化させた点で、影の主役ともいえる存在感を発揮したと思う。

こうした作品内で、作品・物語をわかっているキャラクターが存在し、
物語の問題解決を後押しするのは、私個人的にはとても好きだ。

まとめ

想像以上に、しっとりとした物語の語り口とストイックな仕上がり。
ほぼコメディ無しでこんなに真面目に作ってしまったのかと驚いた。

そして、たまこを筆頭にみどり、かんな、史織、あんこを含めて
どの女の子達の仕草・動き・芝居には個性/違いがあり、
それぞれがそれぞれに可愛いのが表現できていたのが上手かった。
この辺りの作画面は京都アニメーションの強みが十分に出たと思う。

山田尚子さん・堀口悠紀子さん、吉田玲子さんが3人が揃った美少女アニメは強いと再確認。
山田さんの主導によるものであろう、キャラクターの会話劇の切り返し方、
決して飽きさせない(間が持つ)カメラの置き方、ダイナミックな走らせ方。
行き届いた演出による画面の面白さもにじみ出ていて、見ていて楽しかった。

何より、二人の淡い恋による変化を丁寧に描く展開と物語に好感が持てた青春映画。
恋と変化の変という文字は、漢字の部首に共通点がある意味で、
恋とは変わることでもあることもわかったし、
たまこまーけっとという作品が好きなことも再確認できた作品だった。

最後の新幹線の辺りのシーンは、うるっとしながら見ていた。

機会があれば、もう一度劇場で見たい作品だ。
 
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[ 2014/04/27 15:31 ] たまこまーけっと | TB(7) | CM(1)

全力でふざける「健全ロボ ダイミダラー」が熱く面白い9つの理由 

「健全ロボ ダイミダラー」が面白い。
今回の記事では本作が熱く面白い理由を9つ紹介してみたい。

公式HPが面白い

http://penguin-empire.com/(TVアニメ「健全ロボ ダイミダラー」公式サイト)

インターネット黎明期にありそうな、懐かしさをも感じさせるページ構成。
作品のコンセプトの一つであろう、古きロボットアニメの再現を表現している。

主題歌がカッコイイ

遠藤正明さん率いる遠藤会(遠藤正明、bamboo、やまけん、鷲崎健)が歌う
「健全ロボ ダイミダラー」も本作に彩りを添える名曲。

健全ロボと言いながら、ミダラ、ミダラと繰り返す歌詞は心地よい。

健全的なエロ

ダイミダラーの、おっぱいを揉む、おっぱいを見せるといったエロは
カラッとしているのが、健全的で心地よい。

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健全的なエロ、男のリビドーに忠実的であり続ける態度も
本作のルーツで古きロボットアニメの始祖たる永井豪の作品群に連なるものであり
こうした永井豪を彷彿とさせる態度を示しているのは見ていて清々しい。

主人公の真玉橋孝一に好感が持てる

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エロのことしか考えていない、真玉橋孝一の態度が
この作品のカラッとした健全性を表現しているとお思う。

楚南恭子が可愛い

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恥じらいを持ちつつも、孝一に胸を揉まれることを嫌がっていない点が可愛い。
胸を揉まれるのが、自分が他人に必要とされていると思っているからだろう。

デザイン的にもごとうじゅんじさんの良さが出ている。

デザイン的にはかっこよくないダイミダラー、でもかっこいい

どう見ても、ガンダム的なルックスでもなく
カッコイイ・売れ線のロボットのデザインとは言い難いダイミダラーのデザイン。

決してカッコイイデザインには見えないのだが、
一方でインパクトがあるデザイン、各パーツのギミックには拘っている点
ロボットである事を示しているという意味でしっかりしているデザインだなと思った。

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一方で指ビームを放つ所のシーンはかっこよく描かれる。左手がカッコイイ。
見た目はカッコよくないが、実はカッコよく、人の目を引くデザインである。

戦闘シーンがカッコイイ

ダイミダラーの戦闘は、ダイミダラーやペンギン帝国のロボットの
重量感・質感を重視する描き方をしている。

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上のキャプ絵を見てもわかるが、手前に車、背景にビル群を配置させ
アオリのようなアングルで描くことで敵メカの巨大感をよく表現したものになっている。
こうした画面作りの意図として、本作の河合プロデューサーは以下のように語っている。

河井:最近のロボットは線が多くて、スピードバトルを全面に出したものが多いのですが、『ダイミダラー』では、トレンドに逆らって、その逆の方向性を攻めました。線が少なくて単純なデザインのロボットですが、重さと巨大感を重視したレイアウトで魅せる!
「健全ロボ ダイミダラー」柳沢テツヤ監督、河井プロデューサーインタビュー(その2)(トーキョーアニメニュース)

重さや巨大感の表現は、アニメでは手間のかかるものであり、
一方で高速戦闘が主流のロボットアニメとは逆を走る。

そして物語の内容自体はエロで、おふざけみたいな展開が続くが
戦闘シーン自体の描写には手を抜いたりしない。

戦闘シーンが成立していなければ、ロボットアニメとして成立しなくなってしまう。
その意味でも戦闘シーン、メカの描写は毎回面白い。

全力でふざける魅力

1話アバンの小山力也さんの「人類にひどい迷惑をかけていた」というナレーションで
このアニメは、全力でふざける作品だと直感した。
そして2話のペンギン帝国のしょうもない行為やエロまっしぐらの孝一を見て
このアニメはおふざけを真面目に徹底的に行う作品だとより強く思った。

こうした内容はふざけていても、描写や表現には妥協せず、面白く見せる。
私はこうした「おふざけを全力投球する」な作品が好きであり、
健全ロボダイミダラーは、こうした私の琴線に強く触れた内容になっている。

ロボットアニメに強いスタッフが勢ぞろい

そんな本作を強力に支えるのは、ロボットアニメに強いメインスタッフ達だ。

監督の柳沢テツヤさんは「勇者シリーズ」「エルドランシリーズ」の作画監督。
「魔神英雄伝ワタル」や「機甲戦記ドラグナー」で原画など
若い頃はサンライズのロボットアニメを中心に活躍。
「神無月の巫女」の監督も手がけるなど。ロボットアニメのエキスパート。

メカニックデザインのやまだたかひろさんは「マシンロボクロノスの大逆襲」
「勇者シリーズ」「エルドランシリーズ」「トランスフォーマー」の
メカニックデザインなどを手がけられた、業界のベテラン。

メカニック・アクション監修の田中良さんは、アクションアニメーターとして名を馳せ
近年では柳沢監督の作品に参加していたことからの参加だろう。

メカアクションキーアニメーターの大橋藍人さんは、
「ハイスクールD×D」や「ガンダムビルドファイターズ」で注目されたアニメーター。
勇者シリーズ的なメカ作画を得意とする方のようだ。

美術監督の池田繁美さんは、富野由悠季監督作品でお馴染みの方。
ロボットアニメの美術の第一人者の一人であり、
近年でも「黒のラインバレル」や「機動戦士ガンダムUC」の美術監督を手がける。

シリーズペンギン監修の糸島雅彦さんの参加もアニメアール好きとしては嬉しい。
糸島さんも、ロボットアニメの経験多数であり心強い。

各話スタッフでも、1話の演出の南康宏さん、
2話の絵コンテの大畑晃一さん、演出の玉田博さんなど
ロボットアニメの手練達が勢ぞろいして参加している。

こうした手練のスタッフがきちんと参加しているから
健全ロボダイミダラーは、ロボットアニメとしてよく出来ていて面白いのだろう。

まとめ

本作は原作にあるロボットものの面白さを
アニメのスタッフがきちんとアニメ化した所が面白いのだと思う。
そしてスタッフが熱を入れられる企画・内容な点
(古きロボットアニメ的物語、重量感重視のロボットアクションなど)
スタッフの良い意味での「全力でふざける」暴走を生んでいるのだと思う。

そしてアニメ製作にあたって、公式HPや主題歌など
コンテンツとして盛り上げていきたいという面も伝わってくる作品でもある。

「健全ロボ ダイミダラー」はまだまだ序盤だが、
今後まずます羽目の外したの展開を期待しつつ、次回を待ちたい。
 
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次世代メディアに残るアニメ、残らないアニメについて 

togetterで以下のようなまとめを見た。

2014年 レーザーディスクの旅(90年代アニメ編~未DVD化作品を中心に~)
2014年 レーザーディスクの旅(90年代アニメ編~未DVD化作品を中心に~) その2

90年代のマニア向けアニメに強い想いがある私としては
色々感慨深いラインナップが揃っていた。
私は90年代のアニメで育ってきたんだなぁと強く感じてしまった。

ただこのラインナップを見て思ったのは、VHS・LDで発売されたが
DVD化されていない作品は、ネット配信などのフォローがなされない限り、
時が経つにつれて視聴が難しくなっていくだろうという事。現に今でも難しい。

かつてはレンタルビデオ屋に行けば、借りることが可能だったVHS作品が
DVDへ移行したら途端に借りづらくなってしまった作品は多い。
(金田さんのBIRTHとか)

またメディアの主流がVHS・LD→DVD→BDへと移行する中で、
DVDで発売されたが、BD版では発売されないアニメ作品が出てくるだろう。
特に2000年代前半に多いであろうDVDでしか発売されていない作品は
BD化されなければ、今後の新しいアニメファンからするとアクセスしづらくなる。

次世代メディアに残るアニメと残らないアニメはどうしても出てきてしまう。

ただ最近では、バンダイチャンネル、ドコモdアニメストア、Gyaoといった
手軽に見られるネット配信サービスも揃ってきており
その意味では、過去の作品へのアクセスが容易になっている作品もある。
(ドコモdアニメストアの葦プロ系作品など)

こうしたサービスが永続的に続く保証はないが、
今後は充実してくる可能性の方が強いかなとも思う。

理想をいえば、アニメ作品が生き残るには、次世代のメディアで発売されつつも
ネット配信等やレンタルビデオで容易に見られる環境があるのが望ましい。

しかし全ての作品が生き残るわけではない。
商業的な採算が見込まれなければ、メディアで発売できないであろうから。
ただ往年の作品が一つでも見やすくなる環境が整えばそれは良いことだと思うし、
アニメファンとすれば一つでも多くのアニメ作品が
今後、見やすい環境になって欲しいと思う。
 
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[ 2014/04/13 18:37 ] ニュース | TB(0) | CM(0)

総総作画監督という役職-石田可奈さんと魔法科高校の劣等生の関係 

魔法科高校の劣等生2話を視聴。EDで驚いた。

rettousei2000.jpg

作画監督:熊膳貴志・高炅楠・石田可奈
アクション作画監督:岩滝智
メカ作画監督:ジミー・ストーン
総作画監督:宮前真一
総総作画監督:石田可奈

おそらく、総総作画監督なるクレジットは本作が初めて。

各原画の絵柄や動きを統一させる修正を行うのが作画監督の仕事であり、
さらに作画監督達の修正の上に細かいタッチやニュアンスの修正をするのが
総作画監督の仕事だが、宮前真一総作画監督の修正のさらに修正を入れたのが、
石田可奈総総作画監督の仕事なのだろうか。

石田可奈さんは、作画監督でもクレジットされており
もしかすると、他の2人の作画監督の修正から総作画監督に渡ったカットに
最終的なチェック・修正を施すために、石田可奈さんは手を入れたのかもしれない。

何にしても、石田可奈さんは原作小説の挿絵担当でもある点で
本作のビジュアルの根幹を握っている方でもある。
全てのカットに自身の手・チェックを入れることで
本作のクオリティアップをしたいのかが伝わってくる役職。

絵柄の統一感という点では本作はキッチリなされていると思う。

ドラゴンボール的にいえば
作画監督が界王で、総作画監督が大界王で、総総作画監督が界王神であるのかなぁと。
 


rettousei2001.jpg

2話の感想としては、生徒会副会長が一瞬にして負ける展開が清々しかった。
主人公の司波達也は今のところ、劣等生というレッテルとはかけ離れて強く描かれている。
頭も切れるし、完全無欠系のキャラではあるが、どうも感情に乏しい。
ただ妹の深雪に関しては別で、深雪の為であれば感情が動くようだ。
今回の生徒会副会長との決闘を提案したのも妹のため。

一方で妹の深雪は感情豊かで兄の達也への想いを隠していない。
感情乏しい兄と感情豊かな妹の物語という枠が見えた2話だった。
 
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[ 2014/04/13 08:54 ] 魔法科高校の劣等生 | TB(26) | CM(0)

ドコモdアニメストアが良い 

ドコモdアニメストアに加入した。

https://anime.dmkt-sp.jp/animestore/tp_pc

月額400円(税抜)で、900タイトル14000話(4/12現在)の
過去の作品から、最近の作品までのアニメが視聴できるのだがら嬉しい。

個人的には「宇宙戦士バルディオス」「戦国魔神ゴーショーグン」
「特装機兵ドルバック」「超獣機神ダンクーガ」「マシンロボクロノスの大逆襲」
「マシンロボ ぶっちぎりバトルハッカーズ」「NG騎士ラムネ&40」
といった葦プロ(現:プロダクションリード)のロボットアニメの充実度が高いのが良かった。

他にも「ダンクーガ」のOVAや「バルディオス」の劇場版も揃えているので、
80年代の葦プロロボットアニメはここで押さえられる。

また90年代の深夜アニメ「吸血姫美夕」「EAT-MAN」や「エルフを狩るモノたち」もある。
「おいら宇宙の探鉱夫」「アイドルプロジェクト」みたいな高クオリティのOVAもある。

最近の作品では「合体ロボット アトランジャー」といった
なかなか見づらかった、手の届きにくい作品が置いてあったのが良かった。
 
バンダイチャンネルの見放題と合わせることで、
特に過去の作品へのアクセスが容易になりつつあるのは嬉しい。

ラインナップもますます充実しそうで、昨日の配信開始作品も
「ジャンケンマン」「怪物くん」「花の魔法使い マリーベル」
等々といった作品が出揃いつつあるので今後にも期待。
 
スマホだとダウンロードして見ることも可能なようで、
通勤・通学の楽しみにも良いのかも。
 
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[ 2014/04/12 10:47 ] ニュース | TB(0) | CM(0)

「魔法科高校の劣等生」と「俺妹」のキャスト・スタッフからみた共通点 

「魔法科高校の劣等生」1話を視聴。
魔法が技術体系化された近未来世界の学園モノのようだ。
魔法とはいいつつ、禁書のような能力系バトルに近いイメージ。

さて、1話だからキャラクターが紹介されるわけだが、どうしてだろう。
キャラクターに既視感を抱いてしまった。特に声の面で。

主人公の達也が中村悠一さん。妹の深雪が早見沙織さん。
生徒会長が花澤香奈さん。クラスメイトの美月が佐藤聡美さん。

この4人は「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」のメインキャスト達でもある。

今回の記事は「魔法か高校の劣等生」と「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」について
両作品のキャスト/スタッフ面からの共通点について語ってみたい。

キャストからみた共通点

rettousei.jpg

特に佐藤聡美さんのキャラに至ってはどっちもメガネ。
喋り方も美月と地味子は近いかなと。

ただ俺妹のメインヒロインだった桐乃の竹達彩奈さんは今のところはいない。
今後「魔法科高校の劣等生」に出てくる可能性はあるかもしれないが。

こうしてみると、「魔法科高校」は早見沙織さんが妹キャラになっている意味で
あやせが妹に生まれ変わった「俺妹」の別の世界線と見ることができるかもしれない。

スタッフからみた共通点

他にも「魔法科高校」と「俺妹」にはスタッフ面で共通点がある。
原作の面から見ると、まず電撃文庫レーベルで両作品ともに編集者が三木一馬さんなこと。
(※ 元々の連載はオンライン小説)

アニメの製作においては、どちらもアニプレックスな点。

そしてイラストレーターが石田可奈さんであること。
「俺妹」のイラストレーターはかんざきひろさんこと織田広之さん。
石田さんと織田さんの本業はアニメーター。

さらにいえば、石田可奈さんはアニメの「俺妹」に総作画監督で参加し、
「魔法科高校」のアニメでもキャラクターデザインであり、1話の総作画監督を担当。
その意味では、「俺妹」と「魔法科高校」は石田可奈さん成分がとても強い。

上記の画像を見比べてみると、
顔のライン、鋭角気味のアゴ、目やまゆげの描き方などに共通点を見いだせると思う。
「俺妹」はぷにっとした線、「魔法科高校」はシャープに描かれている。
このぷにとシャープの差は、キャラクターデザインの方の差なのだろう。

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こうした「俺妹」のアニメーターが小説挿絵を担当し、
アニメ化された場合の原作絵とキャラクターデザインの落差をなくすことで
原作小説挿絵のイメージをそのままアニメに生かす手法が、
「魔法科高校」でも引き継がれているのがわかる。
こうした采配は、三木一馬さん主導によるものなのだろう。
 
他にも「俺妹」で「星くず☆ういっちメルル3rd☆いんぱくと☆」の
キャラデザを手がけたジミー・ストーンさんは、
「魔法科高校」の原作ではデバイスデザイン・アニメでは
メカニックデザインを担当している。
まとめ

魔法科高校の劣等生俺の妹がこんなに可愛いわけがない
原作レーベル電撃文庫
編集者三木一馬
アニメ製作アニプレックス
小説挿絵石田可奈かんざきひろ
キャラクターデザイン石田可奈織田広之(かんざきひろ)
ジミー・ストーンデバイスデザイン(小説)
メカニックデザイン(アニメ)
作画監督・メルル作画監督

キャスト/スタッフ、どちらにも共通点が多い点で
「俺妹」から「魔法科高校」に引き継がれているのがよくわかる。

ちなみに1話は、主人公の体術のアクションシーンがよく動いていてかっこよく、
全体的なクオリティの高さにも舌を巻いた。

今後は劣等生と優等生の間にある色々な問題で物語は動いていくのだろう。
監督も「咲-saki」「境界線上のホライゾン」の小野學さんでもあるので期待したい。
 
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[ 2014/04/06 07:52 ] 魔法科高校の劣等生 | TB(35) | CM(0)