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冬コミ新刊「トミノギスタ-富野を知ったんだ誰が死ぬもんか」のお知らせ 

今度の冬コミ(C87)で、
「トミノギスタ-富野を知ったんだ誰が死ぬもんか」を頒布します。

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Gのレコンギスタについて「全体主義」「富野コンテ」「戦争が起こるメカニズム」
といったキーワードから読み解く内容になります。

日にち、スペース位置は、3日目の東S26b、
サークル名はブログ名と同じ「失われた何か」
頒布価格は300円となります。

表紙の富野監督を描いたのは、うろこさん @chor_co
ゲスト執筆者はすぱんくさん @SpANK888

以上、よろしくお願いします。
 
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[ 2014/12/30 00:00 ] ニュース | TB(0) | CM(0)

「SHIROBAKO」12話の馬の作画について 

SHIROBAKO12話。よかったなぁ。

杉江さん(モデル杉野昭夫)を熱く語る菅野さん(モデル庵野秀明さん)。
その杉江さんの元に武蔵野アニメーションの精鋭が一致団結。
そしてえくそだすっ!の最終話が無事納品。
見事過ぎる、構成だった。

そして難題だったえくそだすっ!の馬の作画シーンも、
本編で見せてくれたわけだがちゃんと凄かった。

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馬の躍動感、馬らしいフォルム、見事な作画だった。

そしてEDのテロップを見たら、原画に井上俊之さんがクレジット。
おそらく馬の作画は井上さんだと推測。

堀川憲司さんも上手いジョーカーの使い方を使ってきたなぁと思った。
井上俊之さんはP.A.WORKS作品では「有頂天家族」3話で原画を手がけていたわけだが、
堀川さん人脈による縁が「SHIROBAKO」でも見られたわけだ。

菅野さんから、杉江さんを紹介され、
「SHIROBAKO」では杉江さんが描いたとされるシーンを
井上さんが手がけていると思うと、胸が熱い。

また物語内では杉江さんラフ原、他のスタッフが2原で作画したわけだが、
本編の作画も同じように井上さんが1原で、他の方が2原をしていたら
物語内と本編の制作がシンクロしていて、面白い試みをしているなぁと思った。
※あくまで推測です。


そして井上さんの馬といえばOVA版「ロードス島戦記」のOPだろう。

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OVA版「ロードス島戦記」のOP原画を手がけた井上さん。
作画で描くのが難しい馬をさも当然のように動かし描いてしまう点で、
業界の第一人者であることがうかがい知れる。
 
他にも井上さんの馬といえば「千年女優」の
戦国時代のシーンの馬に乗って敵陣を突き抜ける千代子のシーンも挙げられるだろう。
 
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[ 2014/12/26 21:11 ] SHIROBAKO | TB(3) | CM(0)

Gのレコンギスタの「全体主義」と「戦争」と「旅行」の関係性 

Gの「レコンギスタ」13話を視聴。

今まで私はGレコを「戦争が起こるメカニズム」を描く作品としてみていた。
しかしこの作品が描きたいのは「旅行」「宇宙旅行」だとわかった。

戦争より旅行ー真実を探求するアイーダ

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それは、最後のアイーダがトワサンガに行くと決意したシーンで
この作品は移動の魅力としての「旅行」が描かれることを再確認させられたからだ。

ではなぜ「旅行」が描かれるのか。

まず富野監督が「旅行」「宇宙旅行」を妄想し描くのが大好きだからだ。
富野監督は、宇宙に進出した人類はどんな技術・生活・宗教・価値観
を持っているかを考えて作劇をして世界観を作るからである。

そしてこの事以上に大事なのは、
「全体主義」と「戦争」を克服するために
移動の魅力としての「旅行」が挙げられるからである。

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アイーダは月側の使者の「トワサンガ」という言葉を聞いて、直感した。
いくら月からの艦隊の言い分や、他の人達の言い分を聞いても
「トワサンガ」に行かなければ、真実はわからないと。

アイーダにとっては戦争より真実が優先しているのだ。
(※天才クリムやマスク大尉は戦争をしたいように見える)
つまり戦争を起こさない方法を「トワサンガ」に行って突き止めたいのだ。

この事を踏まえると、戦争を起こさないためには、
「旅行」をして真実を見極める必要性がある描かれ方をしているのだ。

「Gレコ」と「全体主義」と「旅行」

「Gレコ」は、みんなが時代の空気によって引っ張られ、考えなしに動き、
結果「戦争」に繋がってしまう「全体主義」を描く作品である。

富野監督は、社会学者ハンナ・アーレントの「全体主義」を引き合いに出すものの
ハンナ・アーレントが「全体主義」のモデルにした
ナチス体制のドイツや、スターリン体制のソ連を描きたいのではなく、
今の時代に応じた「全体主義」を描こうとしている。

それはグローバリズムとネットによって生まれる統一された一つの価値観であり
共同体から切り離され、個の権利を主張するが責任を負わない
「原子化した大衆」によって生まれる、現代的な戦争をイメージしながら
リギルドセンチュリーの戦争を描いているのだろう。

こうした「全体主義」から生まれる空気に対抗する手段として
「旅行」することで真実を知り、空気と戦っていくことが描かれているのだと思う。

その意味ではアイーダは時代の空気に引っ張られずに
きちんと物事を考えられる人間として描かれている。
また、そのアイーダに惹かれるベルリやメガファウナの人々も
アイーダに近しい感じ方をする人々なのだろう。

まとめ

富野監督は「旅行」、移動の魅力を常に描いてきた。
「1stガンダム」「∀ガンダム」「キングゲイナー」etc。

特に「キングゲイナー」ではエクソダスとして
移動することが世界を変える物語を描いた点で、
富野監督がずっと描いたテーマをより突き詰めた作品だった。

「Gレコ」も旅行して、世界を見て、自分達の世界を変えていく作品なのだろう。

「Gのレコンギスタ」も1話から振り返るとベルリが、
キャピタル(1~3話)からキャピタル外に出て(4・5話)、宇宙に行き(6話)、
また地上に移り(7・8話)、キャピタルに戻り(9・10話)、また宇宙に出て(11話)
サンクドポルドに行く(12・13話)という「旅行」をしている。
そんなベルリの次の目的地は「トワサンガ」というのがわかった13話だった。

1クール目の終わりで、より本作の方向性が明確になった展開だった。

最後に富野監督が本作発表時に出したコメントを掲載する。

「元気のGだ!! ロボットアニメで目指すんだ!! Gのレコンギスタ!! ベルリとアイーダの冒険はすごいぞ」
 
この作品は最初から「冒険もの」だったことがわかるコメントである。
 
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[ 2014/12/21 08:57 ] Gのレコンギスタ | TB(6) | CM(2)

シーン単位でみる「ガンダム Gのレコンギスタ」11選 

はじめに

「ガンダム Gのレコンギスタ」の個人的名シーンを
各話から一つずつ選んで、11話まで計11シーンを振り返ってみよう。

1話「謎のモビルスーツ」

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ベルリがアイーダを横切る時のシーン。ベルリが惚れた瞬間を描く。
富野監督の出崎監督の引き出しを使ってきた演出。
慌ただしく時間が流れる中でのスローモーションが生きる。

2話「G-セルフ起動!」

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カーヒル大尉を殺されてベルリに逆上するアイーダ。
アイーダの叫びに心打たれる。嶋村侑さんの熱演が光る。
この瞬間、アイーダの人生は大きく変わる。

3話「モンテーロの圧力」

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最後のベルリの排泄シーン。
モビルスーツ内のトイレは画期的。
そしてヒロイン3人に囲まれてのトイレはセックスだ。

4話「カットシー乱舞」

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「スコード!」「好きで武器を持っているのではない」と叫ぶベルリ最高。
富野監督の戦争観が極めて端的に表現されているセリフ。

5話「敵はキャピタル・アーミィ」

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「ふざけているのか!」
異様なイメージBGな画面とマスク大尉がとにかくインパクト大。
テンションが高いキャラ立ち表現。

6話「強敵、デレンセン!」

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ベルリがデレンセン大尉を殺す瞬間。
今までのベルリとデレンセンの身体的なやり取りがリフレインされて、
殺したことを本能的に実感する名シーン。

7話「マスク部隊の強襲」

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突然笑うベルリママがインパクト大。
笑いの価値観が、現代とは違うと思わせる瞬間。
7話はベルリママが大活躍。

8話「父と母とマスクと」

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マスク大尉とマニィのやり取りに、
お互いの本音が見え隠れするところが良い。
このシーンこそ演劇的と思わせるシーン。

9話「メガファウナ南へ」

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モンテーロがぁ!
ジャベリンがぁ!

クリムが乗らないとあっさりやられるのが悲しかった。

10話「テリトリィ脱出」

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このキックは素直にかっこいい。
荒木哲郎さんによる「進撃のレコンギスタ」な瞬間。

11話「突入!宇宙戦争」

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地味なシーンだけど、
技術の使い方、道具の使い方を描いている名シーン。
∀ガンダムの洗濯シーンと意味合いは近いと思う。

まとめ

「Gのレコンギスタ」は情報量も設定もキャラクターも多くまた圧縮展開が続いているので、
見ごたえあるシーンも多いし名シーンも多いと感じる。

とりあえず、11話まで振り返ってみたが、
機会があれば最後まで振り返ってみたい。
 
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[ 2014/12/13 23:09 ] Gのレコンギスタ | TB(1) | CM(0)

「Gのレコンギスタ」11話は混沌化する世界が戦争突入するメカニズムを描く 

「Gのレコンギスタ」11話を視聴。

今回、キャピタル・アメリアといった各勢力がある中で
各勢力の内々では個々の思惑が働くことで、
どの勢力も一枚岩ではないことが描かれていた。

ではこの各勢力が一枚岩で描かれない意味とは何か。
この事を戦争がなぜ起こるのかという視点も含めながら考えてみたい。

首脳陣の考えが違うアメリア

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まず、アメリアの首脳陣の考えの相違についてみてみる。

今回は、クリムの父ズッキーニ大統領が主催する出陣式に
パラシュートで降りてやってくるアイーダの父スルガン総監が
大統領のやり方に因縁をつける。

息子のクリムに戦艦サラマンドラを出陣させ
キャピタル勢力と戦う事を宣言するズッキーニ大統領。
対して法皇を人質に取り、早期収束を図ろうとするスルガン総監。
スルガン総監はこの事を聞いていないために、統帥権の侵害だと感じている。
以下の会話を見てみよう。

ズッキーニ「キャピタルタワーを足場にして、ゴンドワンを叩くというのは貴公の立てた作戦である」
スルガン「そうではあるのでしょうが、なぜサラマンドラをなぜこの時期に出動させるのです。それも私の許可もなく」
ズッキーニ「キャピタル・アーミィがタワーを占拠したというから大統領権限で発信させたのがなぜ悪いのか」
スルガン「今は休止にさせて頂きたい」
ズッキーニ「宇宙艦隊では後方支援をしろと号令を出してしまったのだ。今更取り消せる問題ではない」
スルガン「今更取り消せない。軍令に従う義務が自分にはあります」
ズッキーニ「アメリア帝国の威信の元、キャピタルタワーの独占を阻止して、世界を解放してみせろ」
スルガン「はっ」

スルガン総監が立てた最初の作戦通りに動くズッキーニ大統領。
キャピタルに潜り込み、作戦を変える必要性を感じたスルガン総監。
目的は同じところもあるが、両者の考えには、大きな隔たりが有る。
つまりここでアメリアという国家組織が一枚岩ではなく。
それぞれの思惑で勝手に動いてしまっている様子が描かれる。

牽制し合うキャピタル・アーミィの二人の首脳

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一方で、キャピタルの中でも好戦的な勢力であるキャピタル・アーミィ。
この組織の中心人物は、創設者であるクンパ・ルシータ大佐と
現場の指揮を執るジュガン・マインストロン司令。

この二人も会話を聞いている限り、一枚岩ではなく
お互いが牽制し合っているようにもみえる。
以下、今回の戦いが終わった後の会話を見てみよう。

ジュガン「マスクの部隊はまだチームワークができていないようですな」
クンパ「いきなり両面作戦を押し付けたのは祟りましたな」
ジュガン「祟りましたか」
クンパ「ガランデンにはザンクトポルトへ上がれと命令を出しておきました」
ジュガン「宇宙からの驚異から法皇を守るためですな」
クンパ「無論そうです」

この会話で、マスク部隊の管轄はクンパ大佐にあることがわかるが、
クンパ大佐はジュガン司令の作戦内容に釘を刺し、
一方のジュガン司令はクンパ大佐にマスク部隊の練度の低さに釘を刺し、
お互いに牽制し合っているようにも見える。

この二人も、同じ勢力に属しているとはいえ一枚岩ではないように描かれる。
特にクンパ大佐は9話で地球人自体を批判する発言をしている面も含め、
その真意は未だに測りかねる部分が強い。

この創設者クンパ大佐と現場指揮官ジュガン司令の関係は、
「機動戦士Zガンダム」のジャミトフ准将とバスク大佐に近いのかもしれない。

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ティターンズの創設者であるジャミトフ、そして現場指揮官のバスク大佐。
特に「機動戦士Zガンダム 劇場版」では、ジャミトフがバスクの自分の意向を
無視した行動を次々に起こし、組織が一枚岩ではないことが描かれていた。
その為にジャミトフはバスクの対抗馬としてシロッコを抜擢し、
その結果、ティターンズがさらに分裂し崩壊する結果が描かれた。

まだクンパ大佐とジュガン司令が対立を起こしているわけではないが、
お互いに牽制し合っている点で、この二人がどう動いていくのかも見ものだ。

各国の首脳は二人という傾向

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そしてキャピタルの勢力には、法皇とウィルミット長官がいる。
こう見ると、各勢力には二人の首脳で成り立っていることがわかってくる。

キャピタル・アーミィ=クンパ・ルシータ大佐・ジュガン司令
キャピタル=法皇・ウィルミット長官
アメリア=ズッキーニ大統領・スルガン総監

そして直接的には描かれていないが、
ウィルミット長官と法皇の考え方もまた違うのだろう。

こう見ると、各勢力が交戦的な派閥と穏健的な派閥に
分かれていく様子が描かれているようにみえる。

交戦派の盛り上がる現場

そんな各国が二つの派閥に分かれていく中で、
その好戦的な派閥の現場では、士気旺盛な兵士の姿、
特にエースパイロットが各兵士を鼓舞する姿が描かれる。
 
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※連敗の汚名を注ぐと宣言し、マスク!マスク!と連呼されるマスク大尉

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※手柄を立てミック・ジャックの姫になれと兵士を鼓舞する天才クリム

キャピタルの交戦派アーミィの下で、兵士を鼓舞するマスク。
アメリアの交戦派ズッキーニ大統領の下で、兵士を鼓舞するクリム。

交戦派の兵士が戦いたがっている姿が描かれる。
上官が戦争をしたければ、下士官も戦争をしたい姿が描かれる。
こうした姿をみると戦争がより激化しているように感じてしまう。

そんな交戦派同士が戦い始める事で、
戦争を起こしたくない穏健派も戦いに向かわざるをえない
という構図を描いたのが今回の11話だったのではないだろうか。

戦争は各勢力が混沌化する中で激化する

一旦、各勢力をまとめてみよう。

アメリア交戦派:ズッキーニ大統領、クリム、ミック
アメリア穏健派:スルガン総監、ドニエル艦長、アイーダ、ベルリ(ノレド・ラライア)

キャピタル:法皇、ウィルミット長官
キャピタル・アーミィ:クンパ大佐、ジュガン司令、マスク、バララ、マニィ
キャピタル・ガード:ケルベス


今回11話は各勢力が一枚岩ではない状況から、
各勢力の交戦派同士が戦いあっていくことで、
より戦争が激化していく様子が描かれていたと思う。
それはサブタイトルの「突入!宇宙戦争」という
次に「突入」しているのだという意味からでもわかる。

今までの「Gのレコンギスタ」では、戦争が起こっている、激化する様子を
各勢力のモビルスーツの発展、軍事力の増大によって描いていた。
そして今回は各勢力の派閥が明確になり、特にアメリアの首脳の考えが食い違いもあり
混沌化する政情の中で、戦争の舞台は宇宙にまで激化する様子が描かれた。

こう考えると、戦争が起こるのは一枚岩な国家勢力が起こすものというより
各勢力が混沌化した情勢を迎えて起きてしまうのかもしれないのではないだろうか。

ただ富野監督がハンナ・アーレントの「全体主義」を新作で描くと明言している以上、
最終的には、いずれかの組織が一つの考えに収束して戦争を起こすという
描き方をするのかもしれないが、それは次回以降の展開次第。

まとめ

「Gのレコンギスタ」は戦争がどう起こるのかを丁寧に描いている作品だと思う。
そんな中で、ベルリがどう考えてどう立ち向かうのかを描く作品でもあるのだろう。

今回は斧谷稔こと富野監督と寺岡巌さんの連名コンテ。
寺岡さんは戦闘シーンを中心にやっていたと思う。

そして前回の荒木哲郎さんのコンテと比較すると、
10話の荒木哲郎さんコンテは画面の情報量を整理して見せているのに対し
富野コンテは画面に情報をできるだけ巡らせて
引っかかりと違和感をとにかく絨毯爆撃のように与えてくる。
富野監督は視聴者に引っかかってほしい思いが伝わる。

そういう意味で「Gのレコンギスタ」は伝えることを大事にしている作品だと思った。
 
おまけ

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高笑いする二人。
どちらも自信満々な態度を取るこの二人の親子は似たもの同士だとわかる笑い方だった。
 
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[ 2014/12/07 07:14 ] Gのレコンギスタ | TB(12) | CM(0)