FC2ブログ

リズと青い鳥・けいおん・たまこラブストーリー-それぞれのリズと青い鳥の役割 

アニメ映画「リズと青い鳥」を鑑賞。

静かにゆっくりと淡々と積み重ねる学園生活を、
繊細な輪郭線で描かれたキャラクターによって描き、
小さな機敏を丹念にすくい上げる柔らかいアニメーション。
アニメーションを壊さないように優しく奏でられる劇伴。
壊れやすいでも極度に洗練された映像がリズと青い鳥にあった。

また絵本「リズと青い鳥」部分のアニメーションは、
できるだけ絵本調の背景に合わせるようにキャラクターが描かれ、
色鉛筆で描かれたような青い鳥のアニメーションは、
「かぐや姫の物語」以降のものという感じ方をした。


さて本作の主題は鎧塚みぞれと傘木希美の関係。
希美に精神的に依存しがちのみぞれ。
みぞれに複雑な感情を抱く希美。
二人はこれまで同じ道を歩みながら、
もう一度これからも同じ道で歩めますか?と問うような話だったように思う。

そんな二人の関係性及びリズと青い鳥の役割を見ながら、
「けいおん!」の平沢唯と真鍋和、
「たまこラブストーリー」のたまことみどりを思い浮かべていた。

rizutoto03.jpg

「けいおん!」の唯と和の関係。
和の「そうなんだ。じゃあ私生徒会行くね」という言葉に象徴されるように、
和は唯に対する依存度は無いように思える。
(子供の時は和が唯に対して依存があったようではある)
唯も和に引っ張られることもなく、二人は互いの好きな時に集まって
話をして楽しくしている関係である。
リズと青い鳥でいえば、いつでも自由に飛びだって良いと
リズが青い鳥に最初から言っているような自由な関係のように思える。

むしろ、唯への依存心があるように思える梓の関係の方が
リズと青い鳥の比較でいえば有効かもしれない。


次に「たまこラブストーリー」のたまことみどりの関係。
みどりがたまこに片思い的なとても複雑な感情を抱いている。
幼馴染・友人以上、でも恋人ではないみたいな。
一方のたまこはみどりをきっぱり友人・幼馴染として見ている。
みどりがリズで、たまこが青い鳥のように思える。
リズなみどりは青い鳥のたまこに飛びだってほしくないようである。
(この辺りは最初みぞれがリズと青い鳥に抱いていた感情に近い)
結局、たまこが外に飛びだとうとしている(もち蔵との関係が展開する)のを
最初は辛く思いながらも、最後は飛び立つのを後押しする。


「リズと青い鳥」の鎧塚みぞれと傘木希美の関係は、みぞれ自身が言うように
自分がリズと青い鳥の役回りが入れ替わる事を示唆している。
みぞれが希美に依存しているように見えながら、希美もみぞれに引っ張られてる。
それでも二人は変化する状況(進路・吹奏楽部)によって
自分の道はありながらも、二人で寄り添う道がある事を気づいたように思える。


リズと青い鳥の関係ではなかった、唯と和。
みぞれが最初抱いていた感情に近かった、みどりとたまこ。
どちらもリズであり青い鳥だった、みぞれと希美。

「けいおん!」「たまこラブストーリー」「リズと青い鳥」と順に見ていくと
同性への恋愛にも近い感情、
好きなものは閉じ込めていきたい感情とどうやって向き合うのかという問題に
ホップ・ステップ・ジャンプで駆け上がってきたようにも感じてしまった。
 
このエントリーをはてなブックマークに追加 follow us in feedly
[ 2018/04/22 21:16 ] ニュース | TB(1) | CM(0)

キテレツ大百科 24話「昼行灯で百点満点/コロ助 恋におちて」 

・昼行灯で百点満点

記憶力を上げる「昼行灯」。キテレツは昼行灯を使って国語のテストの結果を上げるが…

発明道具メイン話。
キテレツや先生がこの道具を使っていたが、道具自体は有用。
記憶力が上がるのは、素直にほしいと思わせる道具。

有用な道具はブタゴリラに取り上げられる(そうになる)展開は多い気がする。
その道具が先生の手に渡るのが、仕掛けとして一歩進んだか…


・コロ助 恋におちて

キテレツ達は自動車工場の見学にいくが、工場のロボットにコロ助が惚れられてしまう。

kite24-1.png

ロボット同士の恋を描く話。
工場の物言わぬロボットにコロ助が惚れられる展開は中々にディープ。
何も言わないロボットが、いろいろな想像力を掻き立ててくれる感じになっている。
真面目な内容ながらもプロットに狂気を感じさせる話。


作画監督 佐藤好春 大島秀範 原画 田中誠 諸橋伸司
 
このエントリーをはてなブックマークに追加 follow us in feedly
[ 2018/04/18 20:41 ] キテレツ大百科 | TB(0) | CM(0)

ダーリン・イン・ザ・フランキス 14話の演出を語る-キャラの向きと視線・思いのすれ違い 

ヒロとゼロツーのすれ違いにより二人に距離ができる
ヒロはゼロツーに未練を残すが、
イチゴは自分にヒロを振り向かせるため、ヒロにキスをして告白する。

せっかく記憶が戻ってヒロとゼロツーの関係が進むかと思いきや
イチゴがコンフリクトとなって進展を妨げる展開。
今回はキャラクターの向きと視線に注目して語りたいと思う。

・大事な所は顔を隠し背中を向いて語る

今回は背中を向けるシーンが印象的。

darihura14-1.jpg

ヒロがミツルに昔の約束の話について語ろうとするが、
ミツルは「昔のこと」と会話をかわそうとする。
その時のミツルの表情は見えない。
表情を見せないことで、視聴者に想像の余地を与える。
おそらくミツルは表情にこそ変えていないだろうが、内心はホッとしているだろう。

darihura14-gif-4.gif

作戦会議のシーン。
ゼロツーだけ会議の場で背中を向けている。
(ここでも表情は映らない)
前まではオトナ側に顔を向けていたのだが…
ヒロとのこと、周りとのギクシャクで背けようとしている。

・モチーフ

darihura14-gif-2.gif

ウサギなリンゴの形からのゼロツーのツノのカットへ。
ヒロがリンゴを見て、ゼロツーを思い浮かべていたようにみせるカット繋ぎ。
 
darihura14-3.jpg

割れて形もなくなった手鏡。二人の関係は一旦リセットを迎える。

・視線のすれ違い、思いのすれ違い

今回の最大のポイントは、思いがすれ違うこと。
ゼロツーはヒロを思い、
ヒロはゼロツーを思う。
イチゴはヒロを思う。
しかしすれ違いによって、関係は上手くいかない。

そんなすれ違いを視線の方向で表現していたのがラスト。

darihura14-4.jpg

左向きのゼロツー(新たな赴任地へ向かう)

darihura14-5.jpg
左に行こうとするヒロ(ゼロツーに未練があるような感じ)。
そんなヒロの心を察知して、ヒロを行かせないイチゴ。

darihura14-6.jpg
ヒロを振り向かせるためにイチゴはキスをする。(ゼロツーとは逆の右向きに)
ポイントは背丈が足りないイチゴがジャンプしてキスするところ。

darihura14-7.jpg
ヒロの体に頭をぶつけるイチゴの独特の告白。
二人の間に身長差があるのは、このキスと告白の仕方を狙って設定したか・・・?
イチゴはヒロの方を向き、ヒロもイチゴの方を向いているが視線と思いは交差しない。

darihura14-8.jpg

飛行機の音で、飛行機の中にゼロツーがいる事に思いを馳せるヒロ。
ヒロの視線は空を見上げる。イチゴの視線とすれ違い、思いを交差させない。
そしてヒロの視線など気づかずに、ゼロツーは遠くに行く。

3人の視線はそれぞれの思い人に向けようとするが、
その視線と思いが届かないことが伝わってくる。
だからイチゴの告白も虚しく聞こえてしまう。

おわりに

今回の絵コンテは長井龍雪。
キャラデが田中将賀という事を考えれば待ってましたという人選だし、
ジャンル(ロボット)や作風(青春)を考えても長井さんの参加を期待していた。

見返すと、キャラの表情を隠して背中で語るのは
鉄血のオルフェンズでもオルガ等がよく見せていた。
ヒロがゼロツーに「君は化物だ。人間じゃない。」というシーンで
BGMを遮断させて、画面を一旦暗転させるのも
長井さんの監督作品ではよく見たような気がする演出であった。
見返したら、長井さんだという事がわかるコンテだったというか。

darihurazenogura.jpg
(千早に尽くしても見向きもされない萩原雪歩) 

キャラクターの思いが届かない感じは
長井さん監督作的にいえばゼノグラシアぽかったななぁと思った。

darihura14-kannkei.jpg
(14話までの人間関係図)

とくがわいえやす
爪を噛むゼロツーを見ていたら、爪を噛む癖があった徳川家康を思い出した。
 
このエントリーをはてなブックマークに追加 follow us in feedly

火垂るの墓-過去から現代を描く物語 

「1945年9月21日僕は死んだ」には理由がある。

裕福な家庭環境が故にプライドが高く他者を拒絶し、
自分に都合が良い刹那的な選択を行い、肉親だけの閉じた世界に篭もり
その為に死んだ清太の姿は、現代(1980年代)の子供に通じるものがあるのではないか。

以上のような視座に立つことで、
火垂るの墓を描く意味を高畑監督は見出したのだろう。
言い換えれば火垂るの墓の時代を描くことは今を描くことに繋がる。
そして清太の姿を通して今はこういう時代でもあるという事にも言及していたのであろう。

その清太の姿を描くには確かな観察に基づいたアニメーションでなければ成立しない。
生活する人間の細やかな所作・動作を丁寧に拾い積み重ねるアニメーションによって
人間(キャラクター)を描けるという信念に基づいて行われているように思える。
そのアニメーションが描けるのは近藤喜文しかいないという確信の元、
高畑監督は近藤喜文の参加を絶対的な課題とした。

他者を拒絶し、閉じた世界に逃げれば死ぬ。
火垂るの墓に辛い・悲しい・怖いと感じてしまうのは死という結果より
清太の行動にみえる人間が生来持っている他者への拒絶心や刹那的思考を
視聴者にも感情移入をさせるより前に当時の神戸・西宮に降り立たせて
冷徹にまじまじと見せつけるように描いているところにあるのではないだろうか。
(一方で幽霊の清太も舞台に立たせている)

火垂るの墓は過去の問題を扱ったというより、
過去の物語を通して現代の問題を扱う作品だと思った。
それはラストカットの幽霊の清太と節子が
小山から人工の光に照らされた神戸のビル群を見ている姿で感じられた。
 
このエントリーをはてなブックマークに追加 follow us in feedly
[ 2018/04/14 17:24 ] ニュース | TB(1) | CM(0)

キテレツ大百科 23話「ふりかけはコロッケの味/きき耳ずきん」 

今回は前後半の2部構成

・ふりかけはコロッケの味

ブタゴリラが開く野菜パーティーに参加することになったキテレツと乙梨。
野菜嫌いな乙梨のためにキテレツは、
どんな食べ物もコロッケの味にする「食物変換ふりかけ」を作る。

kite23-1.jpg

今回は発明メインの話。

乙梨が野菜嫌いなのはわかるが、野菜をコロッケ味で食べ続けるのには無理がある。
ただ私も子供の頃は食わず嫌いの野菜が多かったので、乙梨の気持ちもわかる。

それにしてもブタゴリラの野菜パーティを開くとは…野菜好きすぎる。


・きき耳ずきん

動物の言葉がわかる「きき耳ずきん」を作ったキテレツ達。
研究費のために、懸賞金がかかった行方不明になったプードルのリリーを捜す。

kite23-2.jpg

様々な動物の話が聞けるのが中々に面白い。
純情な動物、愛を感じる犬、ホラをふく犬。犬たちの様々な世界が垣間見られる。
プードルのリリーはテツヤ君が保護していたのだが、
テツヤはジローと名づけていたのがちょっと面白かった。

動物は自分を大切にしてくれる人間の元にいたいというオチ。

作画監督 渡辺はじめ 原画 時永宜幸 小西洋子 横山彰利 大谷敦子
 
このエントリーをはてなブックマークに追加 follow us in feedly
[ 2018/04/13 19:19 ] キテレツ大百科 | TB(0) | CM(0)

キテレツ大百科 22話「町内運動会 MVPは誰の手に!?」 

キテレツの家のテレビが壊れてしまった。
TVを見たいコロ助はママに新しいテレビをねだる。困るママ。
そんな時町内運動会の景品でテレビだと知り燃えるママ。


おそらくキテレツママ初メイン回。
今まではキテレツの発明道具をわからないまま使い、
騒動を大きくする役割だった。
今回は壊れたテレビの為に、応援などで一生懸命に振舞う。

キテレツママはデザイン的にもかわいいし、
島本須美さんの声なので、良い扱いをされれば魅力的なキャラだと思う。
だから今回はママの魅力が存分に発揮されたのではないかと思う。

町内運動会ということで、メインキャラ総動員なので盛り上がる。
今回の脚本の山田隆司は前も親子野球勝負回(16話)を手がけていて、
親子での競技を行う話を手がけているなぁと思った。
(きちんと最後は良い話で締めくくるのが山田さんらしいというか)

kite22.jpg

大画面で見るグランロボ。エフェクトがかっこいい。
今回はブラウン管TVの中身など機械のディティールが細かく
グランロボのアクションがかっこよかったりする。横山彰利さんかなぁ。

作画監督 渡辺はじめ 末吉裕一郎 小西洋子 横山彰利
 
このエントリーをはてなブックマークに追加 follow us in feedly
[ 2018/04/11 19:52 ] キテレツ大百科 | TB(0) | CM(0)

キテレツ大百科 21話「走れ 42.195キロ! マラソンはこりごりナリ!?」 

マラソンを35キロすれば日本の選手が勝てるというブタゴリラの提案で
紀元前490年のギリシャに向かうことになったキテレツ達。
アテネからマラトンまでの距離を測ろうとするが。


マラソンの距離を変えれば、TVで見ている日本のマラソン選手が勝てる。
だからマラソンの起源である過去のギリシャに行こうという話の筋が面白い。
(ブタゴリラの役割が少しづつはっきりしてきた感じ)

次にギリシャにブタゴリラそっくりな人(指揮官)がいるのが面白い。

kite21-1.jpg

確かに似ている。
キテレツはこの人をブタゴリラだと思ってしまうのも無理はない。

発明道具そのものにスポットを当てるより、
その後のギリシャで起こる騒動を注目した話。
航時機は活躍度高いなぁと思いつつ、
中々にバランスよくまとまっていた話だった。

作画監督 山内昇寿郎 原画 尾鷲英俊 清山滋崇 山本哲也
 
このエントリーをはてなブックマークに追加 follow us in feedly
[ 2018/04/09 20:22 ] キテレツ大百科 | TB(0) | CM(0)

ダーリン・イン・ザ・フランキス 13話の演出を語る-照明と作り物の世界と雪と 

ヒロとゼロツーの出会いが語られた13話。

13話のポイントとして冒頭とゼロツーを助ける時に使われる"照明"が挙げられる。

darihura13-11.gif

落下する照明。映画「トゥルーマン・ショー」を彷彿とさせる演出だ。
トゥルーマン・ショーの大筋を要約すれば
主人公の人生が実は作られたTV番組。周りの人物は俳優。住む街は全部作り物。
主人公は作り物の世界から抜け出し外の世界へ踏み出す話。

今回の13話も作り物度が高い閉鎖された施設(ガーデン)から
ヒロとゼロツーが抜け出して、外の世界へ行こうとする話。

今回のダリフラがトゥルーマン・ショーを見立てているのかもわからない。
また脚本段階か、またはコンテ段階でこの照明が出てきているのもわからないが、
少なくとも照明(作り物の世界を象徴する道具)というモチーフで
今回を描き出そうとしているのは伝わる。

darihura13-4.jpg

要所要所で出てくるノイズもまた今回の作り物感を補強させる効果に繋がっている。
(キャラの記憶のノイズという意味もある)

まず最初の照明は、繰り返しになるがここが作り物の世界だと露呈させる演出になっている。

darihura13-3.jpg

次の照明(最初の証明と同じシーンだが)は
ヒロがゼロツーを助ける時に、二人を隔てるガラスを破るために用いられる。
物理的にはガラスを破り、一方で作り物の世界を壊すという意味も込められているだろう。
ガラスを破って二人は外の世界へ向かっていったのだから。

しかし二人の脱出は失敗に終わり、二人の記憶は書き換えられてしまう。
トゥルーマン・ショーも主人公の1回目の脱出は失敗し、2回目に外の世界に出る。
だから今回の失敗は次の脱出の成功を暗示させるものとあるともいえるだろう。
 
darihura13-12.gif
(このゼロツーの振り向きが最高)

そして今回の最後でヒロは思い出し、絵本の女の子と呼びかけたことで
ゼロツーも思い出したのであろう。「ソシテ再開ノ物語」。

おさらい。

darihura13-6.jpg
(1話)

1話ではゼロツーがヒロの手を握りストレリチアが起動した事で
ゼロツーが外の世界に誘う主導役かと思っていたが、

darihura13-1.jpg

今回、最初にヒロがゼロツーを外の世界に誘おうとしていた事がわかった。
ただヒロを駆り立てたのは、ゼロツーがオトナに歯向かう姿を見てから。

手を取り合う描写は、繋がりの演出として鉄板でもあるが、
互いが互いに外の世界へ誘おうとしている姿は良いものがある。

・おまけ

今回の絵コンテは高雄統子。5話でも素晴らしい仕事をしていたが、
13話も同等、ドラマ的にはそれ以上のものを繰り出してきた。
演出(岡本学)もコンテの要求に存分に応えていたかのような出来栄えに見えた。

高雄統子といえば雨の演出が特徴的と指摘されるが、
個人的には雪の高雄であるとも思っている。
今回もダリフラでも雪が醸し出す寒い・冷たいイメージが
二人の悲しい過去に呼応するかのようだった。

高雄さんの雪で印象深いのは「CLANNAD番外編 もうひとつの世界 智代編」。

darihura13-5.jpg

シーン自体は少ないものの、クライマックスで雪が使用されている。
雨や雪を効果的に使う高雄演出であった。
 

ダーリン・イン・ザ・フランキスの恋愛関係図【13話現在】

DaPBWYbU8AEqgHE.jpg
 
このエントリーをはてなブックマークに追加 follow us in feedly

高畑勲監督の印象深いエピソード10選 

高畑勲監督が亡くなられた。そこで高畑監督の印象深いエピソードを10挙げてみたい。


①アニメージュの編集だった鈴木敏夫氏が「太陽の王子ホルスの大冒険」に感動して、始めて高畑勲にインタビューを電話で申し込んだところ「会いたくない」と拒絶。その会いたくない理由を鈴木氏に1時間とうとうと語り、その後宮崎駿氏に話を振る。(これがアニメージュのホルス特集になり、ジブリ始まりのポイントになる)


②富野監督と対談した時に「1stガンダム」に対して地球連邦という統一組織ができた世界なのに黒人が出てこないと突っ込む。富野監督「放送コードの問題で・・・」とかわそうとするが、高畑監督には納得せず。(富野監督もタジタジ)


③押井守監督との対談の中で、押井監督が赤毛のアンについて語る時に日常という言葉を使った途端「あなたの使っているその日常というのはどういう意味なんですか」とツッコミ、押井監督を黙らせる。この話を聞いた庵野監督は「押井さんを黙らせるのはすごい」と語る。(言葉に厳密さを求める高畑監督)


④宮崎駿監督から「風の谷のナウシカ」のプロデューサーになって欲しいと鈴木敏夫氏を通して依頼されるも首を縦にふらず、大学ノート一冊分に自分がプロデューサーに向いていない理由をまとめて書く。その話を聞き、宮崎監督は鈴木氏を飲み屋に誘う(滅多にないこと)。日本酒をがぶ飲みして「おれは…高畑勲に自分の全青春を捧げた。何も返してもらっていない」と大泣きする。結局「友人を困っているのに助けないのか」という鈴木氏の説得により高畑監督は引き受ける。


⑤そんな「風の谷のナウシカ」のプロデューサーの高畑氏の仕事・仕事方法は鈴木敏夫氏に多大な影響を与え、鈴木氏曰く「スタジオジブリの基礎を築いた」とまで評される。(監督だけでなくプロデューサーとしても才能発揮)


⑥ドキュメンタリー映画「柳川堀割物語」の制作時、ナウシカで得た製作資金が制作スケジュールの超過で底を尽きたため宮崎駿監督の自宅を抵当に入れることに。(プロデューサーの時は予算やスケジュールを守らせようとするが、監督になると湯水のように資金と時間を使ってしまうとのこと)


⑦「ホーホケキョとなりの山田くん」の完成打ち上げパーティで「この映画が当たろうが当たるまいが、例え観客が一人も来なくたって、アニメーションの表現上は成功したと思います」と語る。(この言葉通りなのか興行的には苦戦)


初音ミクの「ピロリ菌の唄」を西村義明氏に聞かせて「良い歌」と語る。後年「かぐや姫の物語」で劇中歌「わらべ唄」「天女の歌」の作曲し、デモ曲を初音ミクで自ら制作する。(音楽家としての高畑勲と新技術に貪欲な高畑勲)


⑨かぐや姫の制作時に原作の「もと光る竹なむ一筋ありける」という部分に対し「竹の光源ってどこにあるんですか」「いや(竹の光)貫通しません。この竹はまず孟宗竹じゃありません。真竹です。真竹であっても、皮がこんなに分厚いんですよ。だから、姫が光源だったら光は貫通しません。つまり竹は光りません。」と指摘。そして2ヶ月間コンテが止まる。(疑問を解決せずに作品を作り終えることはできない)


⑩アイカツの監督の木村隆一氏がアイカツのDVDを送ったところ、ちゃんと観ていた。(関係ないけどエヴァも見ていたらしい)


高畑勲監督の死が惜しまれるのは、高畑さんにしか作ることができないアニメーションの世界があり、その世界の可能性が閉ざされたことに尽きる。高畑さんが作品を作る姿をもう少しだけでも見たかった。ありがとうございました。
 
このエントリーをはてなブックマークに追加 follow us in feedly
[ 2018/04/06 21:13 ] ニュース | TB(0) | CM(0)

キテレツ大百科 20話「コロ助! パワーアップ大作戦」 

グランロボのように強くなりたいコロ助は、キテレツに改造してほしいと願う。
しかしキテレツはお金がないので改造できないと断る。
コロ助はお金を得るためにアルバイトを始める。

kite20-1.jpg

中々に面白い。
話がどんどん変な方向になっている感じが良かった。

強くなりたい→バイト→お世辞が言えないと使えない→発明道具でお世辞が上手くなる

この展開の転がし方が面白かった。
コロ助メインの回であり、コロッケネタや熊八も出てくる展開は安定感がある。
16話を引き続いたような感じでもある。脚本は山田隆司。
山田さんは山田さんで暴走しようとしている兆しがある印象を受けた。

原画 清山滋崇 浜田勝 時永宜幸 山本哲也
 
このエントリーをはてなブックマークに追加 follow us in feedly
[ 2018/04/05 20:22 ] キテレツ大百科 | TB(0) | CM(0)

キテレツ大百科 19話「ひんやりヒエヒエ水ねんど/台風と夏まつり」 

・ひんやりヒエヒエ水ねんど

暑い夏を涼しく過ごすためにキテレツは「粘土水」を発明する。
キテレツはみんなを集めて、水で作った家を作ったのだが。

kite19.jpg

水の表現が面白い話。

kite19-1.jpg

プルルンとした水の感じが、
涼しさとアニメーションの魅力を感じさせる。

水の作画を担当したのは湯浅政明であり、次のように答えている。

-水の作画にはずいぶんと思い入れがあるようですが。

湯浅 昔、TVアニメ『キテレツ大百科』の「ひんやりヒエヒエ水ねんど」(1988年放映、第19回)という回に原画マンとして参加した際、固形状の水を描いたんですが、ものすごく楽しくて(笑)。以降、「もっと描きたい!」という気持ちと、「もっとうまく描きたかったのに……」という気持ちがずっと残っていたんです。その後、イベントで上映された『スライム冒険記』という短編アニメでも水を描いたんですが、それでもまだ描き足りない。 いつか水をメインに据えた作品をしっかりやりたいなと思っていたところ、今回念願が叶ったわけです。

(出典:夜明け告げるルーの唄 湯浅政明インタビュー)



夜明け告げるルーの唄制作の動機にも関わっている今回。
物語的には、発明道具が有効活用されるかと思ったら
コロ助のドジでめちゃくちゃになった(水の家が崩壊)というオチ。
洪水のシーンも湯浅さんだろうなぁ。


・台風と夏まつり

年に一度の「こども夜店」。しかしその日は雨の予報。
ブタゴリラはキテレツに雨を降らせないようにしてほしいと頼み、
キテレツは「雨よけコントローラー」を発明する。

kite19-2.jpg

出店の描写が素晴らしくて
子供の頃に出店(屋台)に魅力を感じていた事を思い出した。

話的には、雨よけコントローラーがうまくいかなくなってしまい
外での出店が店じまいになるという展開に。
キテレツの発明道具はツメが甘いというオチ。
最後はツメの甘さをキテレツ・コロ助が自覚して終わり。

作画監督 渡辺はじめ 原画 生野裕子 湯浅政明
 
このエントリーをはてなブックマークに追加 follow us in feedly
[ 2018/04/04 22:16 ] キテレツ大百科 | TB(0) | CM(0)

キテレツ大百科 18話「エジソンに会った 誰にもいえない夏休み」 

エジソンに会うため、改良型航時機を作ったキテレツ。
しかしキテレツ達が出かけたスキに、
ブタゴリラとトンガリが勝手に航時機を操作して過去のアメリカに行ってしまう。

kite18-1.jpg

16話ぐらいから30分1エピソードが多くなっている感じ。
話が二転三転する感じなので、30分1エピソードの方が面白いかなと。
今回もオーソドックスに発明道具が活躍する話。

ブタゴリラが知ってる英語ベジタブルを叫んでいたら
ギャングのベジタブル一家の元にたどり着く。
そのベジタブル一家の子分の一人が黒船来航経験があり
日本語が流暢だったりと、話がスムーズになる展開なのが面白かった。

見ているとキテレツの航時機の管理が甘い。
誰でも操作できる状態にしてある。(ブタゴリラが勝手に操作)
アメリカに行っても放置している。(燃やされそうになる)
キテレツ以外はいじれないようにすればいいのにと思ってしまう。

キテレツの管理の甘さと対照的にゲストキャラのアル(子供時代のエジソン)の
機転の良さ、利発さが心地よく、さすが未来の発明王と唸らせる。
もしアルがいなければ、日本へ帰ることはできなかっただろうし。
 
作画監督 山内昇寿郎 原画 尾鷲英俊 山本哲也 斉藤起己
 
このエントリーをはてなブックマークに追加 follow us in feedly
[ 2018/04/02 20:32 ] キテレツ大百科 | TB(0) | CM(0)

ダーリン・イン・ザ・フランキス 12話の演出を語る-ゼロツーの人間への憧れと非人間的描写 

ゼロツーがヒロのことをエサとしか見ていなかったことが衝撃的だった12話。

今回は設定的な部分が多く提示されていた。

・ゼロツーは叫竜を倒し続ければ人間になれると信じている
・ゼロツーは竜化が深刻。パートナーのヒロも竜化している
・ゼロツーはパートナーの命を吸って戦っている(過去100人がその生贄になっている)
・過去にガーデンでヒロとゼロツーは会っていた(ヤドリギ)
・過去のゼロツーはもっと異形の姿(鬼)をしていた
(1話アバンの姿と今回の姿が一緒だと確認できる)
・ヒロはミツルとガーデンにいたことを知らない(記憶操作の疑い)

物語的にはゼロツーに焦点を当て、
人間になりたくてとにかく焦るゼロツーから見え隠れする本心がさらけ出される。
その展開を絵的には、非人間的になっていく
ゼロツーの絵をたくさん見せることで成立させようとしている。

darihura12-11000.jpg
(表情付けが半歩人間から脱している形相。)

darihura12-11005.jpg
(牙を持つ口内。口の中ってエロい)

darihura12-11001.jpg
ヒロにプレゼントされた鏡を割る(わざとではない感じ)。
①ヒロとの関係の暗示(関係を悪る)
②人間の姿が割れる→竜化の暗示

darihura12-11002.jpg
ストレリチアの形相。
ダリフラのポイントであるフランクスに
ピスティル側の表情が投影される設定が生かされているなぁと思った。

darihura12-11003.jpg
イチゴへ向ける視線。イチゴを戦慄させる程の力。


ゼロツーは早く人間になりたいと叫びながら、
その叫竜を殺戮する行動や形相が非人間的になっていくのが皮肉だったし、
画面的にはゼロツーの非人間的な描写と叫びを対照的に描いていた。

そんなゼロツーにヒロは今の君が「好きだよ」と言っても相手にされない。
「好き」以上の何かをゼロツーに差し出さないといけない(命)。
ヒロはゼロツーにどう接していくか(本当のダーリンになれるか)が今後のポイント。

12話現在の関係。

darihura12.jpg
 
このエントリーをはてなブックマークに追加 follow us in feedly