-感想-特別編です!!
私はひだまりスケッチは結構好きです。
穏和な作風とキャラ達がが楽しくやりとりしている空間に癒されます。
また個人的にこの作品はシャフトのスタイル・方向性と
一番親和性が高いと思っているので、その点でも興味深い作品です。今回は駅前にオープンしたファミリーレストランに
ひだまり荘のメンバーが行くというお話です。
学校の目の前に住まいがある彼女たちは放課後にファミレスには寄りづらいです。
女子高生が放課後にファミレスに寄るというのは、
けいおん部が放課後に部室でティータイムをする事と同じなのでしょうか。
親しい友人達とこうした場所で談笑するのは、放課後という時間の特権なのでしょう。
ファミレスということで、彼女たちがドリンクバーに興味津々という姿は新鮮です。
全種類を飲みたい宮子さんの気持ちはわかりますね。
こういう宮子さんのような人はバイキングで全種類のメニュー食べたいタイプです。
また食べ物も美味しく見えるように描写されていました。
最後はゆのっちのお風呂シーン。和みます。
後半は夏目編でしたね。これは予想外でした!!
今回で夏目の沙英に対する気持ちの発端がわかりました。お母さんは入学式に来られず、夏目自身も遅刻しそうになるなど
最初から慌ただしくトラブル続きです。
そんな彼女に手をさしのべたのが沙英さんだったのですね。
完全に夏目さん、沙英さんに一目惚れだったようです。
それは沙英さんと出会うまでは画面に色味が無かったのですが
沙英と出会う事で画面に色味が出る演出で明白です。
つまり沙英と出会う事で生に彩りを獲得した瞬間だったのです。
夏目さんは親しい友人もできたみたいだけど、沙英の存在は別格だったのでしょう。
沙英さんと友達になってあわよくば、沙英さんを独占したい気持ちもあったのでしょう。
しかしそこに立ちはだかるのが沙英さんと親しく話しているヒロさんです。
夏目にとって沙英さんとヒロさんの仲睦まじい姿を見た事が
一方的に惚れ込んで振られたという苦い経験に等しかったのでしょう。
この経験によって夏目は沙英に対して屈折しまったのでしょう。
みなさんひだまり荘で楽しく暮らしている彼女たちの中で
一人寂しく己の本心を隠してしまう夏目という存在は
この作品の負の部分を背負わされた存在のようにも思えます。
さて、ひだまりスケッチといえば平面的な画面構成や
極度に背景を省略してキャラの心象を表現するような背景も特徴です。
今回もファミレス店内のデザイン的で平面的な画面作りが印象的でしたし、
後半は夏目の主観的な視線。彼女の感情を中心に物語が進んでいくため、
舞台背景を省略し、キャラクターの心象を表す画面描写が多用されていました。
こうした平面的に見せる演出や背景を省略する演出は
「アニメの画面作りは平面でも成立するのでは」などという
問題提起と実験・検証を行っているようにも思えます。
もちろん、全てのアニメーションが上記のような事が
出来るわけではないでしょうが、この「ひだまりスケッチ」という作品においては
原作の絵や物語が平面的画面構成を許容する内容だったから成立したのでしょう。
毎回、ひだまりスケッチはこの画面的な効果に注目しながら見ています。
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