感想余所者と島暮らしの田舎者の
カッコイイ二人が織り成す友情物語!!
男同士の理解に言葉は要らない。
拳のみが二人を結び付けたお話でした!!!
「言葉といつも想いに足りない」という言葉があります。
結局、言葉で言い合っても、相互の深い理解を得られない事もあります。
今回でいえばタクトとスガタが二人で殴りあわなければいけなかったのでしょう。
お互い6話ぐらいまでは表面上は仲良くやっているように見せかけても
おそらく二人にはお互いに疑念や複雑な思いを抱いていたのでしょうね。
そして、この二人の間に立つの存在はワコです。
ワコもスガタも南十字島に囚われた存在です。
おそらくスガタは4話で
「全てのサイバディは僕が壊す」と発言したタクトに対して
「自分達の過酷な運命も知らないで、何を簡単に言っているのだ」と思ったのかもしれません。よそ者という言葉が象徴的です。
それは今回、スガタが自分のおかれた状況に対して
絶望そぶりを見せていることから、
自分のおかれた状況を克服できないと半ば諦めているのでしょうね。
そんなスガタからしたらタクトの前向き発言は癪に障ったのでしょう。
しかしタクトはスガタにもっと自分、そしてワコを見てほしいと説きます。
特にスガタに効いたのは世界に絶望しているスガタに、
「ワコは絶望していない」というタクトの言葉だったのでしょう。
タクトの発言にはスガタの認識している絶望に見える世界を革命させたいという
タクトの切なる気持ちが働いていたのでしょう。
今回の戦闘シーンで、そんなタクトの拳の一つ一つから
スガタはタクトの想いを受け止める事で、タクトに心を開いたのかもしれませんね。
またシナダ・ベニオが搭乗したサイバディ
「ページェント」。
意味は英語で「歴史的な場面を舞台で見せる野外劇のこと。
祝祭日などに行われる仮装行列や、華麗・大規模なショー」との事です。
まさにタクトとスガタが一世一代の喧嘩を繰り広げるのにふさわしい名前ですね。
だからといって、今回の殴り合いがキッカケになって
それからすぐ二人がすぐ仲良くなるという展開も無いのかもしれません。
いまだにワコもスガタも運命から解放されているわけではありませんし。
またタクトとスガタは、ワコを簡単には譲らないでしょうし、
王の力、ザメクとも本気でタウバーンは対峙しなければいけない雰囲気は伝わります。
これからもお互いの存在をかけて戦っていきそうです。
最後に二人が息を切らせているシーンが長く続きました。
他のアニメで、キャラがずっと息を切らせているシーンは中々ありません。
それだけ二人が息を切らせて、真剣に向き合った戦った事が伝わってきます。
宮野さん、福山さんの二人の息の切らせ方も見事でしたし
何より、こうした言葉や台詞に頼らない、息を切らせるという芝居で話を作る事ができる
榎戸洋司さんの物語の語る力には毎度毎度舌を巻きます!!
二人が戦う事がこの作品の宿命なのかもしれないと気づかせてくれるお話でした。
また、今回において注目したい展開は
おそらく巫女であろう4人が同じバスの中に揃った事でしょう。
果たして今後、この4人が出会うことがあるのかはわかりません。
おそらく4人は自分達が巫女である事は気づいているのでしょう。
だからワコも「お元気で」と声をかけたのでしょう。
巫女の力を失ってるからこそ、外の世界に出られたサカナちゃん。
そして、サカナちゃんは外の世界に飛び出していきました。
これには驚きです。少女革命ウテナの影絵少女みたく
ずっと作品世界の隠喩語りを担うキャラだとばかり思っていましたから。
なかなかにタクトは予想を裏切ってくれます。
またサカナちゃんの行動は外に出られないワコやスガタとは対照的です。
スガタ、そしてワコとを対比させるために彼女の行動は効果的だと思いました。
外の世界に飛び立ったサカナちゃんを考えていたら、
少女革命ウテナの千唾時子を思い出しましたね。
そんなサカナちゃんとヘッドの最後かもしれない会話です。
サカナ「サムは少女を殺した。まばゆい銀河の世界に
飛び立つために少女の赤い血を船のエンジンに注いだ。
結局サムが恋したのは少女ではなく銀河の世界への憧れだった。
恋する少女は最初からあこがれの旅路をかざる花でしかなかったのだ。
船はサムを乗せ銀河の世界へと旅立つ。
けれどもすぐにサムは気づいた。あれほど憧れた銀河の世界。
だがそれらの星々は生まれ育った魚の惑星と
どれほどの違いがあるのだろう。あの魚の惑星も同じ銀河の星のひとつ。
銀河は遠い世界ではなくサムは最初からそのまばゆい世界に住んでいたんだ。
ではなんのためにサムは少女を殺したのか。」
ヘッド「それで終わりか?物語はほんとうにそこで終わるのか?
お前の話はもういい。でてってくれ。」
今回のサブタイトル
「いつだって流星のように」。
この意味は流星のような速さで人間関係は出会い・移り変わっていくもの。
そしてお互いサイバディに搭乗し、流星のようにぶつかり輝いた
タクトとスガタの二人の事を指すのかなと思いました。
また今回のバスでの4人の出会いは、それこそ流星と例えられるものだったのかもしれません。
一見、抽象的なサブタイトルですが、だからこそ解釈の余地が広がり
作品を語らせる魅力に繋がっていくのだろうと今回のサブタイから感じました。
戦闘シーンは相変わらず凄いです。
サイバディの軽快な動きもしつつ殴りあう際の重量感、
自由自在なカメラワーク。さすがボンズです。
画面右側で輝きのタクトのキャラ人気投票を開催してますので
ぜひ奮ってご投票お願いします!
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考察を毎週楽しく読ましてもらっています。
個人的な感想を....
さかなちゃんの話してた物語はヘッドとさかなちゃんの話だったのかも....と思いました。
だから今回のさかなちゃんの語ってた後半部分はヘッドへの警告?的なにかだと。
だからヘッドは怒ったんだと思います。