二人が辿り着いた禁断の愛。
愛とは?幸せとは?って考えてしまいますね。一概にハッピーエンドやバッドエンドといえないEDが良いです。
二人の関係は背徳的ながら、でも二人の愛は純粋である。
この難しいバランスを描いたのがヨスガノソラでした。
感想悠と蒼が繋がったラストです。

悠と蒼はお互いの「愛」を手に入れましたが、それ以外のものは全て捨てました。
こうしてみると「愛」というのは、対象以外の余分なもの(家族・友人・故郷)を
全て捨て去る行為であり、二人だけの関係に純化させる事なのかもしれません。その為サブタイトルの「ハルカナソラ」、つまり「遙かな空」に旅立っていきました。
おそらく二人が結果的に入水した事は、ほとんど心中行為だったのでしょう。
つまりこの時点で今までの2人は死んだのでしょう。
だから新しく生き返った2人は外へ旅立ち、新しい道へと舵を切ったのだと思います。
結局、近親相姦の肯定というのは当事者以外にはできないでしょう。
その意味で委員長が二人の関係を相対化するような立ち回りになりました。アニメは委員長を使って近親相姦を単純に肯定しないように仕掛けてきましたね。
そして奈緒のいうように「愛」や「幸せの在り処」自体には簡単に答えは出せない。
まぁ倫理的にはマズイし、だからといって二人の愛は本物でもある。
この倫理を犯した愛、背徳感っていうのが近親相姦モノの魅力なのでしょう。
だからずっと、どんな創作物でもこのジャンルが存在するわけなのです。
でもこうした作品って一歩間違えると破綻する可能性が高いと思います。つまりギャグに見えてしまうと作品としてマズイという意味で。
例えばセックスシーン自体が絵的に強烈であり
近親相姦というとてもデリケートな話題も扱っているので、
誤解を恐れずにいえば、スクールデイズ的解釈をされないよう
細心の注意を払っていたように思えます。
だからこそ、この作品は破綻しないように叙情的な音楽で情感を演出させ、
シリアスや緊張感を持続させる画面構成に細心の注意を払っていたように思えます。今回も蒼が行方不明になった時は、急がせるようなBGMがとても良かったです。
またレイアウトの懲りようは、とても良かったとしか言いようが無い!!。
この2つの音楽と画面構成(レイアウト)に関しては終始徹底していたと思います。
一方、本編はギャグとして見られないようにするために
Cパートはギャグの作りにしましたね。Cパートがギャグを引き受ける形なのかもしれません。
メイドさんが「いい最終回でした」というように
終始Cパートはうまくこの作品をメタ化し、
最終回も含めて本編を相対化した良い按配だったと思います。


個人的に好きなのは、この作品の最初も最後も電車のシーンだった事ですね。
1話の感想でも書いたけど、1話の電車シーンがレイアウト的に好きだったので
最後も電車のシーンだったのが、とても収まりが良くて好きですね。
二人にとって電車というのは、始まりと終わりを象徴するのでしょうかね。
ちなみに最後のシーン。なんだか幻想的な空気であり
二人が死んだ後の風景を描いているような感じになりました。
この死んだか死んでいないか、この辺りの解釈のぼかし方は面白いです。
私はどちらの解釈でもよいのですが、むしろ空気感の清清しさが良かったですね。
まとめ監督 小林丈夫これに尽きます。
今年一番ビビっと来た監督さんでしたね。私はこの作品を話の内容や分岐ルートを見ていたというより、
この内容を絵としてどう定着させるか、
どうすれば魅力的な画面が作れるのかを徹底して行っていたのが印象的でした。
作品の色使い、キャラクターのデザイン・芝居のさせ方、
上でも書いたような画面構成・レイアウト、音楽の奏で方、
またはCパートを挿入する事でバランス感覚を保ちつつ、物語を支えました。こうした空気感が大事で予想される「ヨスガノソラ」。
題材による危ういバランスを保ちつつ、
トータルにまとめた意味で素晴らしい仕事をされていました。
一部では既に小林監督は知られていたようなので、
もっとはやく監督の存在に気づきたかったですね。
小林監督が次に何に挑戦するのかはとても気になります。
また、エロの限界を極めようとした本作の心意気は凄かったともいえます。
一般アニメに属しながら、セックス描写を、堕ちていく兄弟愛を
ここまで本気で描こうとした作品はなかなか無かったのではないでしょうか。
その意味でも、やり過ぎという意見はむしろ制作側へのほめ言葉のようにも思えます。
それは描写の限界に挑戦しよう戦っていたのですから。ありがとうございました!!
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感想悠と蒼が繋がったラストです。

悠と蒼はお互いの「愛」を手に入れましたが、それ以外のものは全て捨てました。
こうしてみると「愛」というのは、対象以外の余分なもの(家族・友人・故郷)を
全て捨て去る行為であり、二人だけの関係に純化させる事なのかもしれません。その為サブタイトルの「ハルカナソラ」、つまり「遙かな空」に旅立っていきました。
おそらく二人が結果的に入水した事は、ほとんど心中行為だったのでしょう。
つまりこの時点で今までの2人は死んだのでしょう。
だから新しく生き返った2人は外へ旅立ち、新しい道へと舵を切ったのだと思います。
結局、近親相姦の肯定というのは当事者以外にはできないでしょう。
その意味で委員長が二人の関係を相対化するような立ち回りになりました。アニメは委員長を使って近親相姦を単純に肯定しないように仕掛けてきましたね。
そして奈緒のいうように「愛」や「幸せの在り処」自体には簡単に答えは出せない。
まぁ倫理的にはマズイし、だからといって二人の愛は本物でもある。
この倫理を犯した愛、背徳感っていうのが近親相姦モノの魅力なのでしょう。
だからずっと、どんな創作物でもこのジャンルが存在するわけなのです。
でもこうした作品って一歩間違えると破綻する可能性が高いと思います。つまりギャグに見えてしまうと作品としてマズイという意味で。
例えばセックスシーン自体が絵的に強烈であり
近親相姦というとてもデリケートな話題も扱っているので、
誤解を恐れずにいえば、スクールデイズ的解釈をされないよう
細心の注意を払っていたように思えます。
だからこそ、この作品は破綻しないように叙情的な音楽で情感を演出させ、
シリアスや緊張感を持続させる画面構成に細心の注意を払っていたように思えます。今回も蒼が行方不明になった時は、急がせるようなBGMがとても良かったです。
またレイアウトの懲りようは、とても良かったとしか言いようが無い!!。
この2つの音楽と画面構成(レイアウト)に関しては終始徹底していたと思います。
一方、本編はギャグとして見られないようにするために
Cパートはギャグの作りにしましたね。Cパートがギャグを引き受ける形なのかもしれません。
メイドさんが「いい最終回でした」というように
終始Cパートはうまくこの作品をメタ化し、
最終回も含めて本編を相対化した良い按配だったと思います。


個人的に好きなのは、この作品の最初も最後も電車のシーンだった事ですね。
1話の感想でも書いたけど、1話の電車シーンがレイアウト的に好きだったので
最後も電車のシーンだったのが、とても収まりが良くて好きですね。
二人にとって電車というのは、始まりと終わりを象徴するのでしょうかね。
ちなみに最後のシーン。なんだか幻想的な空気であり
二人が死んだ後の風景を描いているような感じになりました。
この死んだか死んでいないか、この辺りの解釈のぼかし方は面白いです。
私はどちらの解釈でもよいのですが、むしろ空気感の清清しさが良かったですね。
まとめ監督 小林丈夫これに尽きます。
今年一番ビビっと来た監督さんでしたね。私はこの作品を話の内容や分岐ルートを見ていたというより、
この内容を絵としてどう定着させるか、
どうすれば魅力的な画面が作れるのかを徹底して行っていたのが印象的でした。
作品の色使い、キャラクターのデザイン・芝居のさせ方、
上でも書いたような画面構成・レイアウト、音楽の奏で方、
またはCパートを挿入する事でバランス感覚を保ちつつ、物語を支えました。こうした空気感が大事で予想される「ヨスガノソラ」。
題材による危ういバランスを保ちつつ、
トータルにまとめた意味で素晴らしい仕事をされていました。
一部では既に小林監督は知られていたようなので、
もっとはやく監督の存在に気づきたかったですね。
小林監督が次に何に挑戦するのかはとても気になります。
また、エロの限界を極めようとした本作の心意気は凄かったともいえます。
一般アニメに属しながら、セックス描写を、堕ちていく兄弟愛を
ここまで本気で描こうとした作品はなかなか無かったのではないでしょうか。
その意味でも、やり過ぎという意見はむしろ制作側へのほめ言葉のようにも思えます。
それは描写の限界に挑戦しよう戦っていたのですから。ありがとうございました!!
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