美樹さやかが魔法少女になって
ますます目が離せませんね!
極上の映像アイディアと丁寧なシリーズ構成が光ります。
視聴者へのミスリードさせる感を与える演出も上手い!
今回も前回と同じぐらい気合入れて書きました。
これだけ凄いと、受け手のほうも頑張らないとなと思います!!
感想もう、正直この作品大好きです。
凍て付くようなピリピリする空気感。
この時間を味わえるのは私にとっては至福過ぎます。美樹さやかの叶えたい願い
物語冒頭、美樹さやかの幼馴染上條恭介が事故で手が動かない事がわかります。
この瞬間でさやかの魔法少女フラグが立ってしまいましたね。
彼女を魔法少女へ動かしたもの。それは上條恭介への恋でした。
事故で手が動かず、ヴァイオリニストの夢が立たれた彼の腕を直したい。
その決意から彼女は魔法少女になる事を決意します。
それにしても3話で巴マミの無残で不条理ともいえる死をまざまざと見せ付けられ
なおそれでも魔法少女になるという決意は凄いものがあります。
物語の構成から話せば、もし3話の巴マミのエピソードを挟まずに
さやかが上條恭介の件で魔法少女になろうとしていたら、
さやかの魔法少女になる動機が軽く感じてしまう所があったと思います。
ただ、今回のマミの死があってもなお魔法少女になる展開を見せることで
さやかの動機にとても説得力を感じさせる事が可能になりました。
何よりさやかの悲壮な決意を持ってくることで、
まどか自身が魔法少女にならざるを得ない状況を作り出していると思います。
話を戻すと、2話でさやかは
「死を賭してまで叶えたい願いは無い」という
ニュアンスの発言をします。2話と今回の発言に齟齬があるようなのかもしれませんが、
この事はあくまでさやか個人が叶えたい願いが無いという話なのでしょう。
2話の時点で上條恭介は既に事故っていたのでしょう。
ただ、さやかは医者が何とかしてくれると思っていたのでしょう。
でも今回、上條恭介の大怪我が医学では無理だという事がわかり、
魔法少女になって直したいという決意したのだと思います。

たださやかが果たして生き残れるのかとても不安です。
あの不吉な画面からは、とても生き残れなさそうな雰囲気をまるで感じません。
ただこの雰囲気、緊張感が圧倒的に作品の面白さに繋がっていますね。
ハラハラ・ドキドキ感、予定調和にならない空気、先の読めない展開。
巴マミの死で、作品は混沌の世界に突入し、面白くなる事必至です。
それにしても美樹さやかって名前、永井豪原作の
デビルマンの「牧村美樹」とマジンガーZの「弓さやか」を
足して2で割ったような名前をしていますね。狙っているのでしょうか。
梶浦音楽と背景と夕焼け(色彩感覚)
今回は前半のまどかとほむらの二人の語り合いの場面が凄すぎました。キャラクターを完全に食っている背景と夕焼け(色彩描写)、そして梶浦音楽。
この3つの組み合わせが完全に融合した映像美が見る側をグイグイ作品世界に引き込みます。

でもこの場面から見る側にイメージとして植えつけられるのは、
作品全体の不吉感や焦燥感、不安、恐れ、圧迫感といった部分なのですよね。
幸せな気分にはもちろんなれないし、キャラクターの不安感がひしひしと伝わる。
彼女達が自分達の内面を吐露し、言語化している意味の補強を
画面と色彩と梶浦の音楽が全面的にバックアップしているのです。

それにしてもまどか☆マギカの梶浦音楽は良いですね。
梶浦さんの音楽にはOKかOKでないかの両極端に個人的にはなりがちですが
まどか☆マギカの場合はOKなかんじですね。
新房監督と梶浦さんが以前組んだ
「コゼットの肖像」でもOKだったので
このお二人の相性は個人的に見た場合良いのかもしれません。
異空間演出と虚構性
今回、まどかが向こうの世界へ行き、敵に閉じ込められた時
まどかの絵柄や輪郭線が無くなり、まどかを攻撃する演出が見られました。
こうした向こうの世界の虚構性を上手く演出していたなぁと思いました。
まずは絵柄を変える事でこの世界は虚構であると強調されました。

次に現実世界では常に描かれる輪郭線が消失しました。

この輪郭線の意味はキャラと世界の境界を確定させるものです。
いうなればキャラクターの実存を担保するものであります。
でも向こう側の世界に行くと、輪郭線が消失していく。
つまりまどかがまどかで無くなってしまうわけなのです。
だからゴムのように伸び縮みし、バラバラにされてしまうのです。

輪郭線の有無を操る事で、現実世界と向こうの世界の表現を
巧みに行っていてとても感心しました。
仮面ライダー龍騎とまどか☆マギカの類似性
今回、見てて思ったのはこの作品は「仮面ライダー龍騎(以下龍騎)」に
近い世界なのではという印象でした。ちょっと考えてみます。
龍騎は2002年に放送された平成ライダーシリーズです。
この作品には鏡の中の世界
「ミラーワールド」があります。
この世界では、選ばれた12人の仮面ライダーがミラーワールドのルールに従って
お互い戦いあうバトルロワイヤルな展開を繰り広げます。
なぜ彼らが戦う必要があるのか。それは12人のライダーの中で生き残った
最後の一人(勝者)は
「どんな願いでも叶えられる」というルールがあるからです。
つまり12人のライダーはそれぞれの「叶えたい願い」の為に戦っています。
不死の病にかかり永遠の命を欲するもの、英雄になりたいと欲するもの、
富を得て楽な生活をする為、恋人の意識を取り戻す為に戦うもの。
仮面ライダー同士の戦いそのものを望むもの
その為、
時にはライダー同士が利益の為に共闘し、時には戦い殺しあう。
無残に死ぬものが続出する世界です(現実世界で交通事故で死ぬライダーもいます)。
ここで両作品共に「叶えたい願い」がある共通点から
「仮面ライダー」を「魔法少女」に置き換えるのは容易です。
また今回、向こうの世界で死んだ人間は跡も形も残らない事が知らされます。
龍騎でも動揺にミラーワールドで死んだら、現実の世界では跡形も無いという設定です。

また今回の
佐倉杏子の登場、そして「ぶっ潰す」発言によって
魔法少女同士が戦いあう事が避けられない展開です。
この展開から見ても、龍騎的なバトルロワイヤルは避けられない状況です。
それにしても、モノを食べながら物騒な発言をするシーンも
龍騎の浅倉威=仮面ライダー王蛇を彷彿とさせます。
おそらくほむらやマミは、
魔法少女同士が戦いあう事を知っていたのでしょうね。そして杏子の魔法少女を潰す発言を聞いても止めようともしない
キュウべぇには魔法少女同士が戦うのは当たり前だと思ってるのでしょう。
また、ほむらはたくさんの死を見てきたと言ってますが
その死には魔法少女同士で戦い死んでいった子達もいるのかもしれません。
でもまどかや魔法少女になったさやかもまだこの事を本質的に理解していないでしょう。
まとめて見ますと、私としては
1 ミラーワールド=向こうの世界(まどか)、という異空間世界で行われるバトル性
2 叶えたい願いの為に仮面ライダーも魔法少女も戦う点
3 仮面ライダー、魔法少女同士(ここはまだ可能性ですが)が戦いあいそうな点
以上の点から両作品の類似性を挙げてみました。
まぁ両作品にテーマの類似性があるかはわかりませんし、
また、まどか☆マギカが龍騎をモチーフにしたのかもわかりません。
でも龍騎と同じモチーフを選ぶとしたならば
まどかの叶えたい願いは
「向こう側の世界の争いを止める」になるかもしれませんね。
ここで言いたかったのは、両作品で使われる想像力に共通点がある。
サブカルチャーの面白い点は他ジャンルにも想像力が伝播する事。
いろんな視点を用いて作品を分析するのは有用なのではという事です。
まとめ
やばいですね。ハマリそうです。今後どんなシリーズ展開でも、4話までの映像や方法論で
個人的にとても評価できる作品になりそうです。
作品、は作品=シリーズ単位で評価する方法がオーソドックスですが、
私は各話単位、各シーン単位の評価も気にする私としては
ここまで見せてもらった映像でかなりお腹満腹になっています。
絵コンテは笹木信作。3話連続だった芦野さんからバトンタッチ。
シャフト作品で笹木信作氏の登板って他にあったっけかなぁ。
何はともあれ、先行きの見えない物語と映像に注目です。
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感想もう、正直この作品大好きです。
凍て付くようなピリピリする空気感。
この時間を味わえるのは私にとっては至福過ぎます。美樹さやかの叶えたい願い
物語冒頭、美樹さやかの幼馴染上條恭介が事故で手が動かない事がわかります。
この瞬間でさやかの魔法少女フラグが立ってしまいましたね。
彼女を魔法少女へ動かしたもの。それは上條恭介への恋でした。
事故で手が動かず、ヴァイオリニストの夢が立たれた彼の腕を直したい。
その決意から彼女は魔法少女になる事を決意します。
それにしても3話で巴マミの無残で不条理ともいえる死をまざまざと見せ付けられ
なおそれでも魔法少女になるという決意は凄いものがあります。
物語の構成から話せば、もし3話の巴マミのエピソードを挟まずに
さやかが上條恭介の件で魔法少女になろうとしていたら、
さやかの魔法少女になる動機が軽く感じてしまう所があったと思います。
ただ、今回のマミの死があってもなお魔法少女になる展開を見せることで
さやかの動機にとても説得力を感じさせる事が可能になりました。
何よりさやかの悲壮な決意を持ってくることで、
まどか自身が魔法少女にならざるを得ない状況を作り出していると思います。
話を戻すと、2話でさやかは
「死を賭してまで叶えたい願いは無い」という
ニュアンスの発言をします。2話と今回の発言に齟齬があるようなのかもしれませんが、
この事はあくまでさやか個人が叶えたい願いが無いという話なのでしょう。
2話の時点で上條恭介は既に事故っていたのでしょう。
ただ、さやかは医者が何とかしてくれると思っていたのでしょう。
でも今回、上條恭介の大怪我が医学では無理だという事がわかり、
魔法少女になって直したいという決意したのだと思います。

たださやかが果たして生き残れるのかとても不安です。
あの不吉な画面からは、とても生き残れなさそうな雰囲気をまるで感じません。
ただこの雰囲気、緊張感が圧倒的に作品の面白さに繋がっていますね。
ハラハラ・ドキドキ感、予定調和にならない空気、先の読めない展開。
巴マミの死で、作品は混沌の世界に突入し、面白くなる事必至です。
それにしても美樹さやかって名前、永井豪原作の
デビルマンの「牧村美樹」とマジンガーZの「弓さやか」を
足して2で割ったような名前をしていますね。狙っているのでしょうか。
梶浦音楽と背景と夕焼け(色彩感覚)
今回は前半のまどかとほむらの二人の語り合いの場面が凄すぎました。キャラクターを完全に食っている背景と夕焼け(色彩描写)、そして梶浦音楽。
この3つの組み合わせが完全に融合した映像美が見る側をグイグイ作品世界に引き込みます。

でもこの場面から見る側にイメージとして植えつけられるのは、
作品全体の不吉感や焦燥感、不安、恐れ、圧迫感といった部分なのですよね。
幸せな気分にはもちろんなれないし、キャラクターの不安感がひしひしと伝わる。
彼女達が自分達の内面を吐露し、言語化している意味の補強を
画面と色彩と梶浦の音楽が全面的にバックアップしているのです。

それにしてもまどか☆マギカの梶浦音楽は良いですね。
梶浦さんの音楽にはOKかOKでないかの両極端に個人的にはなりがちですが
まどか☆マギカの場合はOKなかんじですね。
新房監督と梶浦さんが以前組んだ
「コゼットの肖像」でもOKだったので
このお二人の相性は個人的に見た場合良いのかもしれません。
異空間演出と虚構性
今回、まどかが向こうの世界へ行き、敵に閉じ込められた時
まどかの絵柄や輪郭線が無くなり、まどかを攻撃する演出が見られました。
こうした向こうの世界の虚構性を上手く演出していたなぁと思いました。
まずは絵柄を変える事でこの世界は虚構であると強調されました。

次に現実世界では常に描かれる輪郭線が消失しました。

この輪郭線の意味はキャラと世界の境界を確定させるものです。
いうなればキャラクターの実存を担保するものであります。
でも向こう側の世界に行くと、輪郭線が消失していく。
つまりまどかがまどかで無くなってしまうわけなのです。
だからゴムのように伸び縮みし、バラバラにされてしまうのです。

輪郭線の有無を操る事で、現実世界と向こうの世界の表現を
巧みに行っていてとても感心しました。
仮面ライダー龍騎とまどか☆マギカの類似性
今回、見てて思ったのはこの作品は「仮面ライダー龍騎(以下龍騎)」に
近い世界なのではという印象でした。ちょっと考えてみます。
龍騎は2002年に放送された平成ライダーシリーズです。
この作品には鏡の中の世界
「ミラーワールド」があります。
この世界では、選ばれた12人の仮面ライダーがミラーワールドのルールに従って
お互い戦いあうバトルロワイヤルな展開を繰り広げます。
なぜ彼らが戦う必要があるのか。それは12人のライダーの中で生き残った
最後の一人(勝者)は
「どんな願いでも叶えられる」というルールがあるからです。
つまり12人のライダーはそれぞれの「叶えたい願い」の為に戦っています。
不死の病にかかり永遠の命を欲するもの、英雄になりたいと欲するもの、
富を得て楽な生活をする為、恋人の意識を取り戻す為に戦うもの。
仮面ライダー同士の戦いそのものを望むもの
その為、
時にはライダー同士が利益の為に共闘し、時には戦い殺しあう。
無残に死ぬものが続出する世界です(現実世界で交通事故で死ぬライダーもいます)。
ここで両作品共に「叶えたい願い」がある共通点から
「仮面ライダー」を「魔法少女」に置き換えるのは容易です。
また今回、向こうの世界で死んだ人間は跡も形も残らない事が知らされます。
龍騎でも動揺にミラーワールドで死んだら、現実の世界では跡形も無いという設定です。

また今回の
佐倉杏子の登場、そして「ぶっ潰す」発言によって
魔法少女同士が戦いあう事が避けられない展開です。
この展開から見ても、龍騎的なバトルロワイヤルは避けられない状況です。
それにしても、モノを食べながら物騒な発言をするシーンも
龍騎の浅倉威=仮面ライダー王蛇を彷彿とさせます。
おそらくほむらやマミは、
魔法少女同士が戦いあう事を知っていたのでしょうね。そして杏子の魔法少女を潰す発言を聞いても止めようともしない
キュウべぇには魔法少女同士が戦うのは当たり前だと思ってるのでしょう。
また、ほむらはたくさんの死を見てきたと言ってますが
その死には魔法少女同士で戦い死んでいった子達もいるのかもしれません。
でもまどかや魔法少女になったさやかもまだこの事を本質的に理解していないでしょう。
まとめて見ますと、私としては
1 ミラーワールド=向こうの世界(まどか)、という異空間世界で行われるバトル性
2 叶えたい願いの為に仮面ライダーも魔法少女も戦う点
3 仮面ライダー、魔法少女同士(ここはまだ可能性ですが)が戦いあいそうな点
以上の点から両作品の類似性を挙げてみました。
まぁ両作品にテーマの類似性があるかはわかりませんし、
また、まどか☆マギカが龍騎をモチーフにしたのかもわかりません。
でも龍騎と同じモチーフを選ぶとしたならば
まどかの叶えたい願いは
「向こう側の世界の争いを止める」になるかもしれませんね。
ここで言いたかったのは、両作品で使われる想像力に共通点がある。
サブカルチャーの面白い点は他ジャンルにも想像力が伝播する事。
いろんな視点を用いて作品を分析するのは有用なのではという事です。
まとめ
やばいですね。ハマリそうです。今後どんなシリーズ展開でも、4話までの映像や方法論で
個人的にとても評価できる作品になりそうです。
作品、は作品=シリーズ単位で評価する方法がオーソドックスですが、
私は各話単位、各シーン単位の評価も気にする私としては
ここまで見せてもらった映像でかなりお腹満腹になっています。
絵コンテは笹木信作。3話連続だった芦野さんからバトンタッチ。
シャフト作品で笹木信作氏の登板って他にあったっけかなぁ。
何はともあれ、先行きの見えない物語と映像に注目です。
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「王蛇かよ」とか思ってしまいました何か物喰ってたし
>キュウべぇ止めないし
潰し合った方が早くレベル上がりますし死んだら補充すればいいだけですから