ついに超平和バスターズは
めんまを見つける事ができました。
本心を隠し、自分と向き合わなかった彼らが
ようやく前を向いた事でめんまが見える。
つまりめんまはみんなの時間を進めるためにやって来た。
そんなこの作品は、青春の蹉跌と悩みと克服を、
何より「涙」を描いた作品だったと思います。 「アニメにとって『涙』とは何か」を問題提起した作品でもありました。
感想めんまの本当の願いとは…
めんまの本当の願いは「涙」
この作品は、8話ぐらいからキャラクターの「涙」の描写が気になり
8話の感想記事、
9話の感想記事、
10話の感想記事で、「涙」に注目して見ていました。
そして、めんまの本当の願いが「じんたんを泣かす」事にあったのがわかり、
この作品は「涙」そのものがテーマ (あるいはテーマの一つ)だったのではと改めて感じました。
この涙は涙を流す展開にも意味があり、涙そのものの描写にも意味があると思います。

ラストでやっと泣いたつるこ。自分の本心を隠し続け、
そして今回でやっと本心をさらけ出した事で一歩進めたのではと思います。

ぽっぽは前向きで優しい男ですが、もちろん彼には彼なりの葛藤がありました、
そして今回のクライマックス!!
超平和バスターズのかくれんぼ。
もういいかい!!
もういいかい!!!!
もういいかい!!!!!!!感動的なシーンですが、私はあなるのホットパンツのエロさに釘づけでした。
この作品ほど、キャラクターが葛藤して泣く描写に力を入れた、
もしくは涙にこだわった作品も中々無かったのではないでしょうか。
キャラクターがどういう感情の経路を辿ると泣くのか、
泣かす芝居はどう見せたらいいのか、
涙そのものを絵として描くにはどうしたらよいのか、
物語の本筋とは別のテーマとして
「『涙』そのものをアニメとしてどう扱うのか」そんな問題提起をこの作品は指し示したのだと思います。
そして「涙」とは何かという答えに関しては、視聴者に委ねられていると思います。
まぁ作り手側は作り手側の答えがあるでしょうが、それはあくまでも作り手の答えであり
大事なのは私達自身の真実の答えを見つける事でしょう。
ただ、涙にこだわりぬいて作られたからこそ、
この作品はきちんとゴールできたのだと思います。
スタッフ・作り手のとてつもない頑張りが終始伝わってきた内容だったと思います。
そしてめんまの目的が「じんたんの涙を出させること」にあった事。
この意味は「じんたん=視聴者」と置き換えると、より容易にわかると思います。
そうこの作品は視聴者に涙してもらいたかったのです。「あの花」とはわすれな草
やっと「あの花」の正体がわかりましたね。わすれな草です

物語最後にしている「わすれな草」。
wikiの説明には
昔、騎士ルドルフは、ドナウ川の岸辺に咲くこの花を、恋人ベルタのために摘もうと岸を降りたが、誤って川の流れに飲まれてしまう。ルドルフは最後の力を尽くして花を岸に投げ、「Vergiss-mein-nicht!((僕を)忘れないで)」という言葉を残して死んだ。残されたベルタはルドルフの墓にその花を供え、彼の最期の言葉を花の名にした。
とあります。めんまの死因は、川での水死だという事が予測されていること
この花の花言葉が「真実の愛」「私を忘れないで下さい」「真実の友情」とあり、
この作品とのテーマとも合致しますから
おそらく上記のエピソードと「わすれな草」がこの作品の元ネタなのかもしれません。
場面場面を盛り上げる描写の上手さ
今回で面白かった描写を挙げてみました。

「とらどら!」でもよく見られた、女性キャラの同士の取っ組み合い。生々しいです。
長井さんはもしくは岡田さんは、女性の取っ組み合いが好きなのでしょうね。
キャラ同士が近距離で身体的接触をすることでドラマが生じるシーンです。

あなるがつけまつげをしていた事がわかったシーン。
彼女も色んな意味でせっぱつまってた事がわかります。今回、一番好きなシーンですね。
それは、キャラクター・視聴者併せてみんな泣きモードになっている中
偶然に生じてしまった、おかしみあるハプニング。
泣きの中の笑い、緊張と緩和の演出として抜群に機能していました。


もうほとんど体が動かない、めんまを連れていこうとするじんたん。
めんまの力が抜けきって、力が入らない芝居(作画)をさせています。
まためんまのプロポーションが今まで以上にか細く描く事で、
めんまが消えていなくなる予兆をハッキリ感じさせます。
このシーンの前では、じんたんの顔に手を触れるめんまの作画が1コマで描写するなど
作画枚数をかけためんまの濃密な芝居が描写されます。
今回の絵コンテは監督の長井龍雪さん。
まとめ 青春の蹉跌と克服
この作品は、青春時代に追った傷をどう克服していくかという話だったと思います。
人は生きていれば、傷の一つや二つあるものですが、
時間の経過とともに傷は消えはしないであれ、少しづつ風化していき、
折合をつけていきながら、人は生きていきます。
しかし、傷であっためんまはみんな、特にじんたんの前に現れました。
過去の傷がえぐり出された事で、幼少時代から成長した彼らは悩みます。
でもその悩みは結局、幼少時代と全く変わらないものでしたね。

でも逆にいえば、過去の傷を克服できる、前に進めるチャンスを与えてもらったともいえます。
めんまは身をもって、超平和バスターズに未来への道を指し示したのだと思います。
そんなめんまは、以前の記事でも描きましたが、みんなにとっての「母」でした。
彼らを良くも悪くも縛り続けた「母性」でありました。
そんなめんまは「生まれ変わる」事で、みんなを自分から解放させたかったのかもしれません。
縛り続けた「母性」からの解放、それは「乳離れ」ともいえるでしょう。
あるいは「めんま」という幻想から解放され、みんなが地に足つき生きる事でもあるでしょう。
つまり、この物語は青春の傷からどう立ち直り、再生していくかがテーマだったのでしょう。
ようやく彼らの時間は、
時を刻み続けたのです。 ありがとうございました
この作品は「とらドラ!」の成功が下地にありました。青春ものを、違う切り口で語りたい、
長井龍雪さん。岡田磨里さん、田中将賀さんの3人が再結集して作り上げました。
長井さんの繊細と大胆さが兼ね備わった演出、
岡田さんのトリッキーさと女性ならではの丁寧な心情を描いたシナリオ
田中さんの感情が入ったキャラクターの魅力。
これらが合わさってこその「あの花」だったと思います。オリジナルアニメとして商業的・内容的に成功だったのではないでしょうか。
アニプレックスはこのところ、様々なオリジナル作品を発表していますが、
きちんと成功作品を送り出している点が素晴らしいです。

彼らとおさらばするのは辛いですが、これも旅立ちなのだと思います。
本当に素晴らしい作品をありがとうございました。 関連記事:
「言葉」の物語としての「心が叫びたがってるんだ」論
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感想めんまの本当の願いとは…
めんまの本当の願いは「涙」
この作品は、8話ぐらいからキャラクターの「涙」の描写が気になり
8話の感想記事、
9話の感想記事、
10話の感想記事で、「涙」に注目して見ていました。
そして、めんまの本当の願いが「じんたんを泣かす」事にあったのがわかり、
この作品は「涙」そのものがテーマ (あるいはテーマの一つ)だったのではと改めて感じました。
この涙は涙を流す展開にも意味があり、涙そのものの描写にも意味があると思います。

ラストでやっと泣いたつるこ。自分の本心を隠し続け、
そして今回でやっと本心をさらけ出した事で一歩進めたのではと思います。

ぽっぽは前向きで優しい男ですが、もちろん彼には彼なりの葛藤がありました、
そして今回のクライマックス!!
超平和バスターズのかくれんぼ。
もういいかい!!
もういいかい!!!!
もういいかい!!!!!!!感動的なシーンですが、私はあなるのホットパンツのエロさに釘づけでした。
この作品ほど、キャラクターが葛藤して泣く描写に力を入れた、
もしくは涙にこだわった作品も中々無かったのではないでしょうか。
キャラクターがどういう感情の経路を辿ると泣くのか、
泣かす芝居はどう見せたらいいのか、
涙そのものを絵として描くにはどうしたらよいのか、
物語の本筋とは別のテーマとして
「『涙』そのものをアニメとしてどう扱うのか」そんな問題提起をこの作品は指し示したのだと思います。
そして「涙」とは何かという答えに関しては、視聴者に委ねられていると思います。
まぁ作り手側は作り手側の答えがあるでしょうが、それはあくまでも作り手の答えであり
大事なのは私達自身の真実の答えを見つける事でしょう。
ただ、涙にこだわりぬいて作られたからこそ、
この作品はきちんとゴールできたのだと思います。
スタッフ・作り手のとてつもない頑張りが終始伝わってきた内容だったと思います。
そしてめんまの目的が「じんたんの涙を出させること」にあった事。
この意味は「じんたん=視聴者」と置き換えると、より容易にわかると思います。
そうこの作品は視聴者に涙してもらいたかったのです。「あの花」とはわすれな草
やっと「あの花」の正体がわかりましたね。わすれな草です

物語最後にしている「わすれな草」。
wikiの説明には
昔、騎士ルドルフは、ドナウ川の岸辺に咲くこの花を、恋人ベルタのために摘もうと岸を降りたが、誤って川の流れに飲まれてしまう。ルドルフは最後の力を尽くして花を岸に投げ、「Vergiss-mein-nicht!((僕を)忘れないで)」という言葉を残して死んだ。残されたベルタはルドルフの墓にその花を供え、彼の最期の言葉を花の名にした。
とあります。めんまの死因は、川での水死だという事が予測されていること
この花の花言葉が「真実の愛」「私を忘れないで下さい」「真実の友情」とあり、
この作品とのテーマとも合致しますから
おそらく上記のエピソードと「わすれな草」がこの作品の元ネタなのかもしれません。
場面場面を盛り上げる描写の上手さ
今回で面白かった描写を挙げてみました。

「とらどら!」でもよく見られた、女性キャラの同士の取っ組み合い。生々しいです。
長井さんはもしくは岡田さんは、女性の取っ組み合いが好きなのでしょうね。
キャラ同士が近距離で身体的接触をすることでドラマが生じるシーンです。

あなるがつけまつげをしていた事がわかったシーン。
彼女も色んな意味でせっぱつまってた事がわかります。今回、一番好きなシーンですね。
それは、キャラクター・視聴者併せてみんな泣きモードになっている中
偶然に生じてしまった、おかしみあるハプニング。
泣きの中の笑い、緊張と緩和の演出として抜群に機能していました。


もうほとんど体が動かない、めんまを連れていこうとするじんたん。
めんまの力が抜けきって、力が入らない芝居(作画)をさせています。
まためんまのプロポーションが今まで以上にか細く描く事で、
めんまが消えていなくなる予兆をハッキリ感じさせます。
このシーンの前では、じんたんの顔に手を触れるめんまの作画が1コマで描写するなど
作画枚数をかけためんまの濃密な芝居が描写されます。
今回の絵コンテは監督の長井龍雪さん。
まとめ 青春の蹉跌と克服
この作品は、青春時代に追った傷をどう克服していくかという話だったと思います。
人は生きていれば、傷の一つや二つあるものですが、
時間の経過とともに傷は消えはしないであれ、少しづつ風化していき、
折合をつけていきながら、人は生きていきます。
しかし、傷であっためんまはみんな、特にじんたんの前に現れました。
過去の傷がえぐり出された事で、幼少時代から成長した彼らは悩みます。
でもその悩みは結局、幼少時代と全く変わらないものでしたね。

でも逆にいえば、過去の傷を克服できる、前に進めるチャンスを与えてもらったともいえます。
めんまは身をもって、超平和バスターズに未来への道を指し示したのだと思います。
そんなめんまは、以前の記事でも描きましたが、みんなにとっての「母」でした。
彼らを良くも悪くも縛り続けた「母性」でありました。
そんなめんまは「生まれ変わる」事で、みんなを自分から解放させたかったのかもしれません。
縛り続けた「母性」からの解放、それは「乳離れ」ともいえるでしょう。
あるいは「めんま」という幻想から解放され、みんなが地に足つき生きる事でもあるでしょう。
つまり、この物語は青春の傷からどう立ち直り、再生していくかがテーマだったのでしょう。
ようやく彼らの時間は、
時を刻み続けたのです。 ありがとうございました
この作品は「とらドラ!」の成功が下地にありました。青春ものを、違う切り口で語りたい、
長井龍雪さん。岡田磨里さん、田中将賀さんの3人が再結集して作り上げました。
長井さんの繊細と大胆さが兼ね備わった演出、
岡田さんのトリッキーさと女性ならではの丁寧な心情を描いたシナリオ
田中さんの感情が入ったキャラクターの魅力。
これらが合わさってこその「あの花」だったと思います。オリジナルアニメとして商業的・内容的に成功だったのではないでしょうか。
アニプレックスはこのところ、様々なオリジナル作品を発表していますが、
きちんと成功作品を送り出している点が素晴らしいです。

彼らとおさらばするのは辛いですが、これも旅立ちなのだと思います。
本当に素晴らしい作品をありがとうございました。 関連記事:
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