今回は陽毬の回想がメインのお話でした。
陽毬の回想と、陽毬の記憶をえぐる
渡瀬眞悧とのやり取りの反復によって、
見ごたえある映像に仕上がっていました。
今回は武内宣之さん、絵コンテ・演出・作画監督・一人原画!
一つ一つの画作りがとにかく素晴らしかった!
感想今回は格別に素晴らしいです。
私がピンドラで勝手に期待していたフィルムのイメージでした。渡瀬眞悧=御影草時
今回登場した渡瀬眞悧さん。
男なのにピンク色の髪なので、とてもインパクトがあります。

一方で「少女革命ウテナ」を見ていた人ならわかりますが、
ウテナでピンク髪といえば御影草時を彷彿させます。

ウテナはシリーズ的に全4部構成となっていますが、
御影草時は2部に相当する「黒薔薇編」での中心人物に当たります。
両者とも耽美な感じがどことなく似ています。
また両者ともに、生息しているのが深い地下である点も共通点として挙げられます。
そして渡瀬眞悧ですが、今後どう物語に絡んでいくかは必見ですね。
おそらく重要キャラだと推測されますが、はたして。
スタッフリスト

絵コンテ・演出・作画監督・原画 武内宣之第2原画
進藤優 小島崇史
シャフトっぽい?いやシャテナっぽい?
ということで、今回は武内宣之さんの絵コンテ・演出・作画監督・一人原画です。
つまりこの回だけは、武内さんの純正フィルムといっても良いでしょう。
武内さんのお仕事を研究したい人にとっては必須科目になるでしょう。
武内さんは「少女革命ウテナ」で作画監督をされていました。
その後は特にシャフト作品の「化物語」の画面作りに貢献したのが印象的です。
その為か、今回のピンドラの画面作りもシャフトっぽい印象も受けます。

例えば、陽毬のおでこを強調するような画作り。シャフトのお家芸の一つですね。
他にもいろいろあるとは思います。例えば↓

でも、武内さんのウテナ→シャフト(化物語)→ピンドラというキャリアを踏まえると、
武内さんの中にはウテナもあり、シャフト(化物語)もあるというのがより正確でしょう。
さらにいえば、ウテナがシャフト作品の画作りに影響を与えた側面もあるので
言いかえれば、シャフトとウテナを混ぜた「シャテナ」っぽいともいえるのです。
面白い演出 光


光がアクセントになって画面を形作ります。
陽毬のシーンでの光の使い方も、シャテナっぽいとも思えます。
面白い演出 図書館


私が思うに、本のカバーひとつひとつの色を塗るだけでも大変そうだなぁと思いました。
時間にしてどれくらいかかるのかも気になりますし、
またそれだけ時間をかけても映るのはほんの数秒。
映像作品の過酷さがこの図書館の描写で感じてしまいます。
まぁそれ以上に、この図書館は感じが出ていて良いですね。
物語的な事
物語的な事も少し。今回は実質、陽毬の回想がメインだったのでしょう。
そこで語られるのは、母親との間に起こった事。
陽毬とダブルHである伊空ヒバリと歌田光莉の事。
陽毬とダブルHを合わせて、トリプルHだった事。
EDの3人の少女がトリプルHだった事=「rock ove japan」も3人の歌だった事。


3人で一人、三位一体だった関係も、陽毬の母親の事故によって
陽毬だけがアイドルデビューできなかった事が語られます。
このダブルHが、どう物語に絡んでいくのかも注目ですね。

最後に出てきたシルエットの少年。彼は一体何者?
まとめ
今回は一つ一つの画・カットを見ていくだけでも充分に楽しめますね。
というわけで回想回だったわけですが、
陽毬が図書館の中へ奥深く向かっていく中、
そこで出会った渡瀬眞悧との出会いから始まる回想という
とても凝った仕掛けなのがとても上手いなぁと思いました。
ただ回想を見せるのではなく、仕掛けや段取りを踏まえて見せると面白いですね。
今回のタイトルは「氷の世界」。井上揚水のアルバムのタイトルですね。
このアルバムが日本で最初にミリオンセラーを達成したアルバムでもあります。
また今回の挿入歌「灰色の水曜日」も「ROCK OVER JAPAN」を作ったARBの持ち歌です。
また今回、陽毬が探していた「かえるくん東京を救う」という本は
村上春樹の短編小説(初出1999年)のようです。
こうしてみると「輪るピングドラム」という作品は
音楽・小説などなど膨大な引用で成り立っているのかもしれませんね。
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感想今回は格別に素晴らしいです。
私がピンドラで勝手に期待していたフィルムのイメージでした。渡瀬眞悧=御影草時
今回登場した渡瀬眞悧さん。
男なのにピンク色の髪なので、とてもインパクトがあります。

一方で「少女革命ウテナ」を見ていた人ならわかりますが、
ウテナでピンク髪といえば御影草時を彷彿させます。

ウテナはシリーズ的に全4部構成となっていますが、
御影草時は2部に相当する「黒薔薇編」での中心人物に当たります。
両者とも耽美な感じがどことなく似ています。
また両者ともに、生息しているのが深い地下である点も共通点として挙げられます。
そして渡瀬眞悧ですが、今後どう物語に絡んでいくかは必見ですね。
おそらく重要キャラだと推測されますが、はたして。
スタッフリスト

絵コンテ・演出・作画監督・原画 武内宣之第2原画
進藤優 小島崇史
シャフトっぽい?いやシャテナっぽい?
ということで、今回は武内宣之さんの絵コンテ・演出・作画監督・一人原画です。
つまりこの回だけは、武内さんの純正フィルムといっても良いでしょう。
武内さんのお仕事を研究したい人にとっては必須科目になるでしょう。
武内さんは「少女革命ウテナ」で作画監督をされていました。
その後は特にシャフト作品の「化物語」の画面作りに貢献したのが印象的です。
その為か、今回のピンドラの画面作りもシャフトっぽい印象も受けます。

例えば、陽毬のおでこを強調するような画作り。シャフトのお家芸の一つですね。
他にもいろいろあるとは思います。例えば↓

でも、武内さんのウテナ→シャフト(化物語)→ピンドラというキャリアを踏まえると、
武内さんの中にはウテナもあり、シャフト(化物語)もあるというのがより正確でしょう。
さらにいえば、ウテナがシャフト作品の画作りに影響を与えた側面もあるので
言いかえれば、シャフトとウテナを混ぜた「シャテナ」っぽいともいえるのです。
面白い演出 光


光がアクセントになって画面を形作ります。
陽毬のシーンでの光の使い方も、シャテナっぽいとも思えます。
面白い演出 図書館


私が思うに、本のカバーひとつひとつの色を塗るだけでも大変そうだなぁと思いました。
時間にしてどれくらいかかるのかも気になりますし、
またそれだけ時間をかけても映るのはほんの数秒。
映像作品の過酷さがこの図書館の描写で感じてしまいます。
まぁそれ以上に、この図書館は感じが出ていて良いですね。
物語的な事
物語的な事も少し。今回は実質、陽毬の回想がメインだったのでしょう。
そこで語られるのは、母親との間に起こった事。
陽毬とダブルHである伊空ヒバリと歌田光莉の事。
陽毬とダブルHを合わせて、トリプルHだった事。
EDの3人の少女がトリプルHだった事=「rock ove japan」も3人の歌だった事。


3人で一人、三位一体だった関係も、陽毬の母親の事故によって
陽毬だけがアイドルデビューできなかった事が語られます。
このダブルHが、どう物語に絡んでいくのかも注目ですね。

最後に出てきたシルエットの少年。彼は一体何者?
まとめ
今回は一つ一つの画・カットを見ていくだけでも充分に楽しめますね。
というわけで回想回だったわけですが、
陽毬が図書館の中へ奥深く向かっていく中、
そこで出会った渡瀬眞悧との出会いから始まる回想という
とても凝った仕掛けなのがとても上手いなぁと思いました。
ただ回想を見せるのではなく、仕掛けや段取りを踏まえて見せると面白いですね。
今回のタイトルは「氷の世界」。井上揚水のアルバムのタイトルですね。
このアルバムが日本で最初にミリオンセラーを達成したアルバムでもあります。
また今回の挿入歌「灰色の水曜日」も「ROCK OVER JAPAN」を作ったARBの持ち歌です。
また今回、陽毬が探していた「かえるくん東京を救う」という本は
村上春樹の短編小説(初出1999年)のようです。
こうしてみると「輪るピングドラム」という作品は
音楽・小説などなど膨大な引用で成り立っているのかもしれませんね。
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