陽毬が見た先にいたのは運命の人。
二人は禁断の果実(りんご)を食べて、
世界を乗り換えた存在なのでしょうか。
今回は後藤圭二さん2度目の
絵コンテ・演出・作画監督・一人原画の話。
驚異的な仕事量とクオリティに圧倒されます。
感想まさかの冠葉の両親登場
今回冒頭は、まさかの高倉両親の登場。高倉陽毬を守った事を誇らしく思うと父親。
どうやら二人はまだある目的の為に動いている模様です。
それにしても前回、両親についてあそこまでシラを切っていた冠葉が凄いです。
おそらく冠葉側からはコンタクトできないにしても、
冠葉の目的に対して動じないスタンスがわかります。

本当の家族とは

前回、自分たちが本当の家族になれなかったと思い知らされる多蕗。
桃果で繋がれた二人でしたが、結局、ゆりさんの元から多蕗は離れます。
それでもゆりさんは一人で桃果復活を狙います。
この二人が家族になれなかった事。
家族になるにはどうなればよいのかを念頭において、次の展開を見てみましょう。

陽毬の退院を祝ってすきやきパーティー。
こうした家族で何かを食べるというのが、家族の基本なのでしょうね。
これは多蕗とゆりさんの回想シーンがカレーを食べるシーンからでもわかります。

魯山人風のハチマキには笑った。
「魯山人風すきやき」については美味しんぼを読んでください。
話は戻して、家族になれなかった他人同士の多蕗とゆり。
家族でいたい高倉家3人。
しかし今回は家族である為の証明である、血のつながりへの疑問が呈されます。
そして陽毬がどことなく自分の居場所を見失っていると感じているようです。

陽毬が疎外感を感じたシーン。本来なら自分が苹果の立ち位置にいるはずなのに。
と思ったのでしょうか、それとも晶馬と苹果が仲良くなるの事に焼いちゃったのか。
家族とはいったい何なのでしょうかね。
サネトシ先生の暗躍

サネトシ先生に相談する陽毬。
サネトシ先生も自分の目的の為に動いているので、
陽毬を自分の思うように動かしたいという魂胆が見えてきていますね。
そんなサネトシ先生は真砂子とも会って、日記の半分を燃やさせるように仕向けます。
しかし日記を焼き捨てるのを真砂子は思いとどまります。
冠葉と晶馬

電車内で、両親に対する恨みを言う晶馬。恨みをなだめる冠葉。
二人の両親に対する想いは徐々にすれ違っていますね。
性格は対極的ながら、向いている方向は同じように見えた二人。
しかし実際に冠葉が親と接触している事実を知ったら晶馬は許さないでしょうね。
OP曲の歌詞の「交わらないイマジナリーライン」とは冠葉と晶馬の事なのかもしれません。
真砂子と陽毬 デコ光対決と音の演出
いよいよ真砂子は実力行使に出ます。
ここでの真砂子は「あの家」がいけないと言っているのがポイント。
つまり狙う対象は冠葉だけではなく、高倉家になっているという事です。

普通に訪問する真砂子さん。勝手に上り込む真砂子さん。
彼女の頭の中には「すりつぶさないと」でいっぱいです。
そしてお互いが会話する中で、お互いのデコが光りだします。




ピカーンと光るデコの音。
このむやみやたらに光らせたのは面白かったですね。
この演出は、デコによって二人の対立軸を生み出すという意図があるのでしょう。
あとポイントなのは、二人の会話シーンにおける時計のカッチカッチの音。
BGMは使わずに、時計のこの音だけが会話とともに響いてくる。
この時計の音は個人的にはとても印象深いです。
実際に誰かの家でこのタイプの時計があって、まじめな話とかを相手としていると
この時計の音が気になったりしていました。
BGMで緊張感を盛り上げるのではなく、時計の音で緊迫感を上げる。
音響監督でもある幾原さんの音の使い方の上手さが光ります。
そんな中、真砂子が陽毬に告げたのは
「お前は本当の家族ではない」というものでした。
陽毬は血の繋がった関係ではないのでしょうか。
陽毬が思いだした先に派…晶馬
真砂子さんが特製の「人の記憶を思いださせる」パチンコ玉のようなもので
ついに陽毬を攻撃しようとします。そこ偶然戻った冠葉と晶馬。
陽毬は外へ逃げ出しますが、車が横転したようです。
陽毬と車がぶつかってきたと思いきや・・・

車に積んであった「玉」が転がって、いや輪っています。
この唐突感が、悔しくなるぐらい面白いです。
ここまで唐突だと、ご都合主義なんて言葉の遥か上に到達しちゃってますね。
また、こうした玉が輪っている事も、ただのギャグではなくて
この作品が「輪る」イメージを徹底させている事の一つであることがわかります。

間一髪のところで、真砂子の玉から陽毬を救う冠葉。
しかし、陽毬は輪るプロペラを見て思いだします!

ここでも輪るものへの描写を徹底。
そして思いだした先には「こどもブロイラー」でした。

陽毬もこどもブロイターにかけられる一人だったようです。
ここで多蕗は桃果に助けられたわけですが、
陽毬を助け出したのは、
晶馬でした。そして「私の運命の人」と出て今回は終了します。
後藤圭二さん絵コンテ・演出・作画監督・一人原画
今回は後藤圭二さんの2回目の絵コンテ・演出・作画監督・一人原画でした。
最初、あれ10話の後藤さんっぽい絵だなぁと思いつつも、
10話で一人原画をやっていたから、もう無いだろうなんて思ってましたが
テロップを見てみたら後藤さんでした。

今回は石井久美さんが作画監督としてヘルプ的な立場で入っていたものと思われますが
今回もメインは後藤さんの仕事として位置づけられる回になるでしょう。
それにしても後藤さんの仕事量は半端無いですね。
10話を作ってからの19話。異国迷路のクロワーゼの5話と合わせると、
自分が知る限り今年だけで絵コンテ・演出・作画監督・一人原画を3回やっています。
ただただその仕事量とそのクオリティに驚嘆です。
まとめ
今回は、両親と冠葉は会っている、
サネトシの目的は真砂子の両親が出来なかった事を行おうとしている。
日記があるとサネトシはゲームに勝てない。陽毬は高倉家の人間ではない。
陽毬の運命の相手は晶馬である事がわかりました。
そうなると、陽毬―晶馬の運命のラインが成り立つわけです。
すると晶馬が好きな苹果はどうなるのでしょうか。
さらにいえば、誰よりも陽毬を愛してきた冠葉はどうなるのか。
ここポイントなのは、冠葉は「運命は嫌い」苹果は「運命を克服する」と言っている点。
この考え通りならば、二人は陽毬―晶馬の運命のラインを壊しにかかるのかもしれません。
なんて思いましたが、実際はどうなのでしょうか。
今回もすこぶる面白かったです。
もう毎回毎回、こんなに面白くてどうするんだっていうぐらい、
輪るピングドラムは楽しみにしています。
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感想まさかの冠葉の両親登場
今回冒頭は、まさかの高倉両親の登場。高倉陽毬を守った事を誇らしく思うと父親。
どうやら二人はまだある目的の為に動いている模様です。
それにしても前回、両親についてあそこまでシラを切っていた冠葉が凄いです。
おそらく冠葉側からはコンタクトできないにしても、
冠葉の目的に対して動じないスタンスがわかります。

本当の家族とは

前回、自分たちが本当の家族になれなかったと思い知らされる多蕗。
桃果で繋がれた二人でしたが、結局、ゆりさんの元から多蕗は離れます。
それでもゆりさんは一人で桃果復活を狙います。
この二人が家族になれなかった事。
家族になるにはどうなればよいのかを念頭において、次の展開を見てみましょう。

陽毬の退院を祝ってすきやきパーティー。
こうした家族で何かを食べるというのが、家族の基本なのでしょうね。
これは多蕗とゆりさんの回想シーンがカレーを食べるシーンからでもわかります。

魯山人風のハチマキには笑った。
「魯山人風すきやき」については美味しんぼを読んでください。
話は戻して、家族になれなかった他人同士の多蕗とゆり。
家族でいたい高倉家3人。
しかし今回は家族である為の証明である、血のつながりへの疑問が呈されます。
そして陽毬がどことなく自分の居場所を見失っていると感じているようです。

陽毬が疎外感を感じたシーン。本来なら自分が苹果の立ち位置にいるはずなのに。
と思ったのでしょうか、それとも晶馬と苹果が仲良くなるの事に焼いちゃったのか。
家族とはいったい何なのでしょうかね。
サネトシ先生の暗躍

サネトシ先生に相談する陽毬。
サネトシ先生も自分の目的の為に動いているので、
陽毬を自分の思うように動かしたいという魂胆が見えてきていますね。
そんなサネトシ先生は真砂子とも会って、日記の半分を燃やさせるように仕向けます。
しかし日記を焼き捨てるのを真砂子は思いとどまります。
冠葉と晶馬

電車内で、両親に対する恨みを言う晶馬。恨みをなだめる冠葉。
二人の両親に対する想いは徐々にすれ違っていますね。
性格は対極的ながら、向いている方向は同じように見えた二人。
しかし実際に冠葉が親と接触している事実を知ったら晶馬は許さないでしょうね。
OP曲の歌詞の「交わらないイマジナリーライン」とは冠葉と晶馬の事なのかもしれません。
真砂子と陽毬 デコ光対決と音の演出
いよいよ真砂子は実力行使に出ます。
ここでの真砂子は「あの家」がいけないと言っているのがポイント。
つまり狙う対象は冠葉だけではなく、高倉家になっているという事です。

普通に訪問する真砂子さん。勝手に上り込む真砂子さん。
彼女の頭の中には「すりつぶさないと」でいっぱいです。
そしてお互いが会話する中で、お互いのデコが光りだします。




ピカーンと光るデコの音。
このむやみやたらに光らせたのは面白かったですね。
この演出は、デコによって二人の対立軸を生み出すという意図があるのでしょう。
あとポイントなのは、二人の会話シーンにおける時計のカッチカッチの音。
BGMは使わずに、時計のこの音だけが会話とともに響いてくる。
この時計の音は個人的にはとても印象深いです。
実際に誰かの家でこのタイプの時計があって、まじめな話とかを相手としていると
この時計の音が気になったりしていました。
BGMで緊張感を盛り上げるのではなく、時計の音で緊迫感を上げる。
音響監督でもある幾原さんの音の使い方の上手さが光ります。
そんな中、真砂子が陽毬に告げたのは
「お前は本当の家族ではない」というものでした。
陽毬は血の繋がった関係ではないのでしょうか。
陽毬が思いだした先に派…晶馬
真砂子さんが特製の「人の記憶を思いださせる」パチンコ玉のようなもので
ついに陽毬を攻撃しようとします。そこ偶然戻った冠葉と晶馬。
陽毬は外へ逃げ出しますが、車が横転したようです。
陽毬と車がぶつかってきたと思いきや・・・

車に積んであった「玉」が転がって、いや輪っています。
この唐突感が、悔しくなるぐらい面白いです。
ここまで唐突だと、ご都合主義なんて言葉の遥か上に到達しちゃってますね。
また、こうした玉が輪っている事も、ただのギャグではなくて
この作品が「輪る」イメージを徹底させている事の一つであることがわかります。

間一髪のところで、真砂子の玉から陽毬を救う冠葉。
しかし、陽毬は輪るプロペラを見て思いだします!

ここでも輪るものへの描写を徹底。
そして思いだした先には「こどもブロイラー」でした。

陽毬もこどもブロイターにかけられる一人だったようです。
ここで多蕗は桃果に助けられたわけですが、
陽毬を助け出したのは、
晶馬でした。そして「私の運命の人」と出て今回は終了します。
後藤圭二さん絵コンテ・演出・作画監督・一人原画
今回は後藤圭二さんの2回目の絵コンテ・演出・作画監督・一人原画でした。
最初、あれ10話の後藤さんっぽい絵だなぁと思いつつも、
10話で一人原画をやっていたから、もう無いだろうなんて思ってましたが
テロップを見てみたら後藤さんでした。

今回は石井久美さんが作画監督としてヘルプ的な立場で入っていたものと思われますが
今回もメインは後藤さんの仕事として位置づけられる回になるでしょう。
それにしても後藤さんの仕事量は半端無いですね。
10話を作ってからの19話。異国迷路のクロワーゼの5話と合わせると、
自分が知る限り今年だけで絵コンテ・演出・作画監督・一人原画を3回やっています。
ただただその仕事量とそのクオリティに驚嘆です。
まとめ
今回は、両親と冠葉は会っている、
サネトシの目的は真砂子の両親が出来なかった事を行おうとしている。
日記があるとサネトシはゲームに勝てない。陽毬は高倉家の人間ではない。
陽毬の運命の相手は晶馬である事がわかりました。
そうなると、陽毬―晶馬の運命のラインが成り立つわけです。
すると晶馬が好きな苹果はどうなるのでしょうか。
さらにいえば、誰よりも陽毬を愛してきた冠葉はどうなるのか。
ここポイントなのは、冠葉は「運命は嫌い」苹果は「運命を克服する」と言っている点。
この考え通りならば、二人は陽毬―晶馬の運命のラインを壊しにかかるのかもしれません。
なんて思いましたが、実際はどうなのでしょうか。
今回もすこぶる面白かったです。
もう毎回毎回、こんなに面白くてどうするんだっていうぐらい、
輪るピングドラムは楽しみにしています。
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