まるで女性のような表情のウェイバー。
その視線の先にあるのはとても悲惨なものですが…
今回は「主と従者」というサブタイトル通りに
マスターとサーヴァントの関係を
より深く描いた話になりました。
本当にウェイバー・ライダーはイイですね!
感想今回はサブタイトル通り「主と従者」の関係が描かれます。
ランサー=ディルムッドの過去
ディルムッドが現実世界で生きていた回想から始まりました。
まぁディルムッドはケルト神話の人なので実在しているわけではありませんが
本編では英雄として存在しているというわけで。


ディルムッドは主君の婚約者であった姫グラニアを、ほくろによって魅了してしまいます。
愛と忠義の間で悩んだ末、ディルムッドは姫との愛を選び逃避行をします。
ディルムッドはグラニアを守り切り抜けます。
その後、騎士団への復帰を許されますが、
後年、致命傷を負ったときに主君に見殺しにされる形でその生を終えます。
以上の事が語られました。
もしディルムッドがほくろで姫様を魅了しなければ、
騎士としての忠誠を全うした生き方が出来たのかなぁなんて思いました。
ケイネス ソラウ ランサーの「主と従者」。全ては繰り返される


(さげずみようにケイネスを見下すソラウ)
ケイネスは致命傷を負いながらも、なんとか生存する事ができました。
しかし臓器は修復したものの、魔術回路は崩壊。魔術を使うのは無理との事。
自分の全てであった魔術を、肉体機能を失い涙するケイネス。
そんなケイネスに対してソラウは自分が令呪を引き継いで戦うと言いますが、
ケイネスはランサーの意図が読めない事を理由に拒否します。
そこでソラウはケイネスの指を折るという実力行使で、ケイネスから令呪を受け継ぎます。

ケイネスが可哀想すぎますね。彼の敗北は、ランサーを見抜けなかった事。
敵を知らなさすぎた事。近くにいた女性が悪かった事でしょうね。
彼とすれば、自分の力が十分だったという過信が招いた結果なのかもしれません。
(まぁランサーに女を近づけてはいけないって事だ)

ソラウは令呪を受け継いだことをランサーに伝え一緒に戦おうといいますが
ランサーはケイネスの意図通り、騎士の忠節を理由に拒否します。
しかし聖杯で主君の傷を治す為にという事を言うと、ランサーの態度は軟化します。
そしてその目的の為に戦う事を約束します。
「同じ眼だ」といったランサー。
かつてのグラニアとソラウの眼は同じだったということ。
それはソラウがケイネスに惚れていない、ランサーに惚れている。
つまりソラウが言った「聖杯で主君(ケイネス)を救う」事なんて微塵も思っていないこと。
ランサーはソラウの眼でソラウの全てを見抜いたのでしょう。話を総合すると、ランサーは騎士として主君に忠誠を誓う生き方をしたいだけでしょう。
現世時代も、今のサーヴァントでも騎士としての生き方が全うできれば、それでいい。
その生き方をさせないのが、自分のほくろなのでしょうね。
彼のほくろによって、いつの時代でも主君の婚約者が自分に魅了されてしまい、
騎士の忠節を全うできなくなっているようです。
ランサーの自分の生き方を、自分のほくろによって貫けない悲劇は
ケルト神話と同様に、Fate/Zeroの世界でも繰り返されていくのです。衛宮切嗣とセイバーの「主と従者」

久宇舞弥の傷をいやすアイリ。
そして切嗣の元に向かうアイリにセイバーはキャスター討伐を願い出ます。
キャスターによる犠牲者を少しでも減らしたいのが、セイバーのようです。

そしてアイリと切嗣。アイリの言葉から、セイバーの意見だと読み取った切嗣。
切嗣はセイバーの意図が、自分の目的とは違う方向だからと却下します。
切嗣にとっては、キャスターの虐殺行為は大事にとっての小事でしかないようです。
この切嗣とセイバーの二人は余りにもお互いの目的や行動理念が違い過ぎていて
噛みあっていない状況がずっと描かれます。切嗣も本当に目的の為に行動するなら
自分がセイバーが嫌いだという感情を押し殺して、セイバーをコントロールすればいいのですが、
中々人間はそんなにうまくいくものではありませんね。
カップルみたいなウェイバーとライダーの「主と従者」

錬金術によって水の成分からキャスターの居所を探ろうとするウェイバー。
このウェイバーの視点に驚かされるライダー、
そして明らかに違う成分が検出された場所を特定し、見事キャスターの居所を掴みます。
ウェイバーはキャスターの居所を掴んでも攻める気は無いようでしたが、
ライダーは主の仕事ぶりにテンションが上がったようで、すぐに攻めようと言います。

坊主、坊主という中で、珍しくウェイバーを褒めまくるライダー。
ウェイバーの表情付けが完璧に女のキャラを描く方法で描かれていますね。
この相思相愛な二人を見ていると、他のランサー・ケイネス(ソラウ)や
切嗣・セイバーといった噛みあわない「主と従者」同士とは違い
噛みあった、仲の良い「主と従者」関係もまたあり得るのだぁと思いました。
二人は相性が良いのでしょうね。ライダーは懐の深いキャラだというのは伝わってきますが
もしライダーの使える相手がケイネスや切嗣ではどうだったのでしょうか。
ここまで名コンビにはならなかったでしょうね。
ライダー的にはウェイバーは「頼りない主」でしょうが、
「仕え甲斐のある主」なのかもしれませんね。
という事で、キャスターの居所に突入した二人。キャスターはいませんでしたが、
そこにあった虐殺の後にウェイバーは愕然とし、吐きます。
そんな姿にライダーはちゃんと共感しつつも、アサシンが付け狙う事を気付き
1匹のアサシンを倒しつつも、ウェイバーを守り続けます。

キャスターの居所を破壊するライダー。
ウェイバーにとって、キャスターの所業は見るに堪えないものでした。
同じ魔術でも使い方では天と地の差がある事をウェイバーは気づいたのかもしれません。
遠坂と言峰の「主と従者」
アサシンの存在がライダーに発覚した事を遠坂に報告する言峰。
状況は一つ不利になったが「まだ慌てる時間じゃない」と仙道のような感じで話す遠坂。
この二人の関係もまた「主と従者」ですね。


そんな両者の関係に楔を打ったのがギルガメッシュの言葉。
「余裕ある態度で振る舞え」という遠坂の言葉も、
ギルガメッシュの言葉を聞いてからだと「退屈な発言」なのかもと
言峰には聞こえたのかもしれませんね。
この二人の主従関係も危うくなってきたことを思わせる描写でした。
まとめ
今回は各陣営を「主と従者」の関係で再度捉えなおした展開だったと思います。
主に忠義を貫けないランサーの存在もいれば、
切嗣とセイバーのように主と従者の目的が異なっている陣営もある。
ライダーとウェイバーのように主と従者の力量に差があっても、上手くやっている陣営もある。
言峰みたいに「主」に何か思う陣営もある。
陣営のキャラ同士の関係が描かれました。
そんな各陣営で一番目立っているのが、ウェイバー・ランサーでしょうね。
他の陣営のキャラ関係が、悲劇的・ネガティブな感じで描かれている中で
ポジティブ、楽観的に描かれている事によって、
ポジティブさが際立っているのが良いですね。
言い換えるなら、この作品のキャラ関係のネガとポジのバランスが巧みだって事です。
遠坂に「三流魔術士」と揶揄されたウェイバーですがライダーとの関係性は一流です!
そして救いの無さそうな世界の中で、唯一光を見せてくれそうなのが、この二人です。
この事を感じさせてくれたのが以下の描写。
それは、ウェイバー達がキャスターの居所を潰して帰るシーン。
二人が向かう先が光が射しているから。
つまり物語的に二人の先には「光」があるという事なのでしょう。 今回の作画監督は小船井充さん。相変わらずいい仕事しています。
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感想今回はサブタイトル通り「主と従者」の関係が描かれます。
ランサー=ディルムッドの過去
ディルムッドが現実世界で生きていた回想から始まりました。
まぁディルムッドはケルト神話の人なので実在しているわけではありませんが
本編では英雄として存在しているというわけで。


ディルムッドは主君の婚約者であった姫グラニアを、ほくろによって魅了してしまいます。
愛と忠義の間で悩んだ末、ディルムッドは姫との愛を選び逃避行をします。
ディルムッドはグラニアを守り切り抜けます。
その後、騎士団への復帰を許されますが、
後年、致命傷を負ったときに主君に見殺しにされる形でその生を終えます。
以上の事が語られました。
もしディルムッドがほくろで姫様を魅了しなければ、
騎士としての忠誠を全うした生き方が出来たのかなぁなんて思いました。
ケイネス ソラウ ランサーの「主と従者」。全ては繰り返される


(さげずみようにケイネスを見下すソラウ)
ケイネスは致命傷を負いながらも、なんとか生存する事ができました。
しかし臓器は修復したものの、魔術回路は崩壊。魔術を使うのは無理との事。
自分の全てであった魔術を、肉体機能を失い涙するケイネス。
そんなケイネスに対してソラウは自分が令呪を引き継いで戦うと言いますが、
ケイネスはランサーの意図が読めない事を理由に拒否します。
そこでソラウはケイネスの指を折るという実力行使で、ケイネスから令呪を受け継ぎます。

ケイネスが可哀想すぎますね。彼の敗北は、ランサーを見抜けなかった事。
敵を知らなさすぎた事。近くにいた女性が悪かった事でしょうね。
彼とすれば、自分の力が十分だったという過信が招いた結果なのかもしれません。
(まぁランサーに女を近づけてはいけないって事だ)

ソラウは令呪を受け継いだことをランサーに伝え一緒に戦おうといいますが
ランサーはケイネスの意図通り、騎士の忠節を理由に拒否します。
しかし聖杯で主君の傷を治す為にという事を言うと、ランサーの態度は軟化します。
そしてその目的の為に戦う事を約束します。
「同じ眼だ」といったランサー。
かつてのグラニアとソラウの眼は同じだったということ。
それはソラウがケイネスに惚れていない、ランサーに惚れている。
つまりソラウが言った「聖杯で主君(ケイネス)を救う」事なんて微塵も思っていないこと。
ランサーはソラウの眼でソラウの全てを見抜いたのでしょう。話を総合すると、ランサーは騎士として主君に忠誠を誓う生き方をしたいだけでしょう。
現世時代も、今のサーヴァントでも騎士としての生き方が全うできれば、それでいい。
その生き方をさせないのが、自分のほくろなのでしょうね。
彼のほくろによって、いつの時代でも主君の婚約者が自分に魅了されてしまい、
騎士の忠節を全うできなくなっているようです。
ランサーの自分の生き方を、自分のほくろによって貫けない悲劇は
ケルト神話と同様に、Fate/Zeroの世界でも繰り返されていくのです。衛宮切嗣とセイバーの「主と従者」

久宇舞弥の傷をいやすアイリ。
そして切嗣の元に向かうアイリにセイバーはキャスター討伐を願い出ます。
キャスターによる犠牲者を少しでも減らしたいのが、セイバーのようです。

そしてアイリと切嗣。アイリの言葉から、セイバーの意見だと読み取った切嗣。
切嗣はセイバーの意図が、自分の目的とは違う方向だからと却下します。
切嗣にとっては、キャスターの虐殺行為は大事にとっての小事でしかないようです。
この切嗣とセイバーの二人は余りにもお互いの目的や行動理念が違い過ぎていて
噛みあっていない状況がずっと描かれます。切嗣も本当に目的の為に行動するなら
自分がセイバーが嫌いだという感情を押し殺して、セイバーをコントロールすればいいのですが、
中々人間はそんなにうまくいくものではありませんね。
カップルみたいなウェイバーとライダーの「主と従者」

錬金術によって水の成分からキャスターの居所を探ろうとするウェイバー。
このウェイバーの視点に驚かされるライダー、
そして明らかに違う成分が検出された場所を特定し、見事キャスターの居所を掴みます。
ウェイバーはキャスターの居所を掴んでも攻める気は無いようでしたが、
ライダーは主の仕事ぶりにテンションが上がったようで、すぐに攻めようと言います。

坊主、坊主という中で、珍しくウェイバーを褒めまくるライダー。
ウェイバーの表情付けが完璧に女のキャラを描く方法で描かれていますね。
この相思相愛な二人を見ていると、他のランサー・ケイネス(ソラウ)や
切嗣・セイバーといった噛みあわない「主と従者」同士とは違い
噛みあった、仲の良い「主と従者」関係もまたあり得るのだぁと思いました。
二人は相性が良いのでしょうね。ライダーは懐の深いキャラだというのは伝わってきますが
もしライダーの使える相手がケイネスや切嗣ではどうだったのでしょうか。
ここまで名コンビにはならなかったでしょうね。
ライダー的にはウェイバーは「頼りない主」でしょうが、
「仕え甲斐のある主」なのかもしれませんね。
という事で、キャスターの居所に突入した二人。キャスターはいませんでしたが、
そこにあった虐殺の後にウェイバーは愕然とし、吐きます。
そんな姿にライダーはちゃんと共感しつつも、アサシンが付け狙う事を気付き
1匹のアサシンを倒しつつも、ウェイバーを守り続けます。

キャスターの居所を破壊するライダー。
ウェイバーにとって、キャスターの所業は見るに堪えないものでした。
同じ魔術でも使い方では天と地の差がある事をウェイバーは気づいたのかもしれません。
遠坂と言峰の「主と従者」
アサシンの存在がライダーに発覚した事を遠坂に報告する言峰。
状況は一つ不利になったが「まだ慌てる時間じゃない」と仙道のような感じで話す遠坂。
この二人の関係もまた「主と従者」ですね。


そんな両者の関係に楔を打ったのがギルガメッシュの言葉。
「余裕ある態度で振る舞え」という遠坂の言葉も、
ギルガメッシュの言葉を聞いてからだと「退屈な発言」なのかもと
言峰には聞こえたのかもしれませんね。
この二人の主従関係も危うくなってきたことを思わせる描写でした。
まとめ
今回は各陣営を「主と従者」の関係で再度捉えなおした展開だったと思います。
主に忠義を貫けないランサーの存在もいれば、
切嗣とセイバーのように主と従者の目的が異なっている陣営もある。
ライダーとウェイバーのように主と従者の力量に差があっても、上手くやっている陣営もある。
言峰みたいに「主」に何か思う陣営もある。
陣営のキャラ同士の関係が描かれました。
そんな各陣営で一番目立っているのが、ウェイバー・ランサーでしょうね。
他の陣営のキャラ関係が、悲劇的・ネガティブな感じで描かれている中で
ポジティブ、楽観的に描かれている事によって、
ポジティブさが際立っているのが良いですね。
言い換えるなら、この作品のキャラ関係のネガとポジのバランスが巧みだって事です。
遠坂に「三流魔術士」と揶揄されたウェイバーですがライダーとの関係性は一流です!
そして救いの無さそうな世界の中で、唯一光を見せてくれそうなのが、この二人です。
この事を感じさせてくれたのが以下の描写。
それは、ウェイバー達がキャスターの居所を潰して帰るシーン。
二人が向かう先が光が射しているから。
つまり物語的に二人の先には「光」があるという事なのでしょう。 今回の作画監督は小船井充さん。相変わらずいい仕事しています。
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