ライダーの王としての誇り・信念
全てを受け止め、全てを導く。
その姿に感服しました!
今回はセイバー・アーチャー・ライダーの
聖杯を求める目的と王とは何かを
お互いに話し合う内容でしたが、
実質ライダーの独演会でしたね!!
感想聖杯問答 王達の鼎の軽重を問う

切嗣の不在を見計らってか、ライダーがセイバーとアイリの城へやってきます。
しかしライダーの目的は「戦う」ことではなく「問う」事のようです。
別に聖杯を競うのに戦う必要なんてない。話し合って決めるのも悪くないという
ライダーさんの意見。一理ありです。

そんなライダーさんはお酒を持ってきます。そのお酒を柄杓で飲むセイバー。
世界的に超有名な騎士王が柄杓で酒を飲むっていう描写が、なんかイイです。
ライダーさんは「なぜ聖杯を欲しいのか」を聞きたがっているようです。そこに…

アーチャーさん登場。ライダーさんが誘ったようです。
そしてライダーはアーチャーに駆け付け一杯を薦めます。
相変わらず「こんな場所をよく選んだ」とか「酒が不味い」とか言いたい放題。
そして自分の宝具から、美味しい酒と器を取り出します。

今までの酒の味とは違う。セイバーは素直に感心していますね。
と、いった形で話ができるような空気作りになってきました。
それぞれの王達の目的

まず、アーチャーが聖杯ほしい目的を聞きますが、どうやらそこまでほしくは無さそう。
でもよくよく聞くと「全ての宝は俺のもの。だから宝具の聖杯は俺のもの。
よって俺の聖杯に手を出そうとするやつは俺の法によって裁く」という理屈のようです。
要はドラえもんのジャイアニズムなわけですが「全ての宝は俺のもの」という所に
納得がいけば、筋は通っているように見えます。
そしてライダーさんは霊体から受肉して、一人の人間として天と地に根差して活動したい。
イカ娘的に言えば「ちゃんと肉体をもって、今の地上を侵略したいでゲソ」って感じです。
セイバーはそんな事に何の意味があると、舌戦を挑みます。

そんなセイバーさんの目的は「stay/night」でも語られていたようにブリテン国の結末をやり直す事。
でも、自分の人生に全く後悔をしていないライダーやアーチャーからすると、
この過去を変えるというのは、全くもって「自己の否定」にしか映らず
そんな「自己の否定」をしているものが「王」なのか?って感じなのでしょう。

「王は人の為に生きる」というセイバーの理念もライダーは完全否定。
「人の為に生きても押しつぶされるだけだし、むしろ人を導け。
人を導けなかった結果がブリテンの結末だろ。」と言います。
セイバーもライダーの死後は国は分裂した事を引き合いにして
もう一度やり直したいだろうって同調を誘おうとします。
でもライダーさんは自分が信念をもって行った事の最終的結果であるから仕方が無いと受け止め、
逆に過去を変えるのは、今まで付き従った臣下全ての裏切りにつながると完全否定。
空気的にはライダーさんの圧倒的迫力(大塚さんの演技によるもの)に押しつぶされます。

多数の累積した屍の上に降りたつセイバー。彼女の周りには誰もいません。
セイバーさんはアーサー王なわけですが、結局アーサー王は臣下の裏切りが一因でしたから
ライダーさんのいうような高みには登れなかったのかもしれません。
(この辺りはアーサー王伝説と円卓の騎士の話に詳しい)
この屍の荒野が、今回後半のセイバーとライダーの違いを描写する伏線になります。
ライダーのみなさんのおかげでした
そんな問答が白熱化する中で、いやライダーとアーチャーもセイバーを見切っているようですが
そこへ現れたのは多数のアサシン。


俯瞰で映す事で、とてもアサシンが多いって事を表現しています。
このアサシンが多いっていう描写も今後の伏線になります。
ライダーはさすがに度量が広いのかアサシンにも酒を薦めますが、アサシンは否定。
ライダーはセイバーに「王は孤独か」と問います。「孤独だ」と答えるセイバー。
ライダーは固有結界を発動。自身がかつて戦っていた砂漠の世界を具現化します。そこには…!!!


かつてライダーに自分に付き従った勇者たち。
ウェイバーは彼らをマスター無しのサーヴァントだと言います。
つまりみんな英霊並みに強いって事です。
見よ、この広大な砂漠を埋め尽くす大軍を!おそらくアサシンの軍勢は数十から多くても百程度だと思いますが
ライダーさんの軍勢は万単位でしょうね。この光景は圧巻です!
はっきしいって、アサシン側の勝ち目はこの時点で完全にゼロです!

そう、ライダーさんは彼ら勇者たちを導き、その想いを全身で受け止めています。
そして「王は孤独ではない。彼らと共にある」というライダー。
セイバーが考える「王」の像とは完全に違う事を見せつけています。

先ほどの屍の累積の上に立つセイバーのシーンとは対照的にライダーに付き従う勇者たち。
孤独な王であったセイバーと孤独では無い王のライダーの王としての格が
このシーンで完全に見せつけられたわけです。
馬、カッコイイ、馬!!!ライダーはもちろん先陣を走ります。さすがのアサシン後悔したのかほぼ抵抗しません。

戦いはライダー側の圧勝に終わります。ライダーと再び戦えたことに歓喜に揺れる勇者たち。
EDに流れるライダー(イスカンダル)のイラストとシンクロさせているかのようです。

王に付き従う兵士(勇者)の姿を見て、驚く、いや蒼白状態のセイバー。
この描写を見る限り、彼女は「王」の器なのかって思っちゃいますね。
聖杯問答の結末
戦いも終わり、ライダーはセイバーを「王」ではなく「小娘」だと思ったようです。
「王」の器に非ず。人に道を示せない生き方ができないものは「王」では無いと完全否定します。

さらにギルガメッシュも「この女の子面白い。だから興味がある」っていう感じの扱い。
まるで珍鳥か何かのような接し方。アーチャーはセイバーに興味を持ったようです。
まとめ
今回は王達の格付けチェック回でしたね。
ライダーの「王」の器の大きさ、懐の深さにただただ感服しました。
大塚明夫さんにあそこまで振る舞わらせ、立ち回らせられれば、
カッコイイのは今までの展開でも明白ですが、
今回は大塚さんの演技が全てを支配したと言っても良いでしょう。
その意味では大塚さんも「王」の器なのです。
いちおう、セイバーを擁護すると、セイバーは「小娘」でいいのですよ。無理に「王」であろうとするのが良くない。さらに彼女の考え方は王には合わない。
そして、ライダーの「小娘」という言葉が
「Stay/Night」での衛宮士郎の「セイバーは女の子なんだろ」って所に掛かってくるわけです。
だからセイバーにとって大事なのは「王」であろうとすることより
「小娘」「女の子」である事なのです。ライダーはそれを気づいたからこそ
セイバーに「小娘」と言ったのでは無いでしょうか。こうしたライダーの発言が「Stay/Night」に掛かる所を見ると
「Zero」が「Stay/Night」を踏まえての内容であることが再確認できると共に
「Stay/Night」に対しても批評的である事がわかってきます。「王」の器ではないセイバーに、「王」の器を見せるライダー。
「Stay/Night」では語り切れない「Fate」の世界を「Zero」できちんと語っています。
という意味で、このアニメの物語は面白いです!
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感想聖杯問答 王達の鼎の軽重を問う

切嗣の不在を見計らってか、ライダーがセイバーとアイリの城へやってきます。
しかしライダーの目的は「戦う」ことではなく「問う」事のようです。
別に聖杯を競うのに戦う必要なんてない。話し合って決めるのも悪くないという
ライダーさんの意見。一理ありです。

そんなライダーさんはお酒を持ってきます。そのお酒を柄杓で飲むセイバー。
世界的に超有名な騎士王が柄杓で酒を飲むっていう描写が、なんかイイです。
ライダーさんは「なぜ聖杯を欲しいのか」を聞きたがっているようです。そこに…

アーチャーさん登場。ライダーさんが誘ったようです。
そしてライダーはアーチャーに駆け付け一杯を薦めます。
相変わらず「こんな場所をよく選んだ」とか「酒が不味い」とか言いたい放題。
そして自分の宝具から、美味しい酒と器を取り出します。

今までの酒の味とは違う。セイバーは素直に感心していますね。
と、いった形で話ができるような空気作りになってきました。
それぞれの王達の目的

まず、アーチャーが聖杯ほしい目的を聞きますが、どうやらそこまでほしくは無さそう。
でもよくよく聞くと「全ての宝は俺のもの。だから宝具の聖杯は俺のもの。
よって俺の聖杯に手を出そうとするやつは俺の法によって裁く」という理屈のようです。
要はドラえもんのジャイアニズムなわけですが「全ての宝は俺のもの」という所に
納得がいけば、筋は通っているように見えます。
そしてライダーさんは霊体から受肉して、一人の人間として天と地に根差して活動したい。
イカ娘的に言えば「ちゃんと肉体をもって、今の地上を侵略したいでゲソ」って感じです。
セイバーはそんな事に何の意味があると、舌戦を挑みます。

そんなセイバーさんの目的は「stay/night」でも語られていたようにブリテン国の結末をやり直す事。
でも、自分の人生に全く後悔をしていないライダーやアーチャーからすると、
この過去を変えるというのは、全くもって「自己の否定」にしか映らず
そんな「自己の否定」をしているものが「王」なのか?って感じなのでしょう。

「王は人の為に生きる」というセイバーの理念もライダーは完全否定。
「人の為に生きても押しつぶされるだけだし、むしろ人を導け。
人を導けなかった結果がブリテンの結末だろ。」と言います。
セイバーもライダーの死後は国は分裂した事を引き合いにして
もう一度やり直したいだろうって同調を誘おうとします。
でもライダーさんは自分が信念をもって行った事の最終的結果であるから仕方が無いと受け止め、
逆に過去を変えるのは、今まで付き従った臣下全ての裏切りにつながると完全否定。
空気的にはライダーさんの圧倒的迫力(大塚さんの演技によるもの)に押しつぶされます。

多数の累積した屍の上に降りたつセイバー。彼女の周りには誰もいません。
セイバーさんはアーサー王なわけですが、結局アーサー王は臣下の裏切りが一因でしたから
ライダーさんのいうような高みには登れなかったのかもしれません。
(この辺りはアーサー王伝説と円卓の騎士の話に詳しい)
この屍の荒野が、今回後半のセイバーとライダーの違いを描写する伏線になります。
ライダーのみなさんのおかげでした
そんな問答が白熱化する中で、いやライダーとアーチャーもセイバーを見切っているようですが
そこへ現れたのは多数のアサシン。


俯瞰で映す事で、とてもアサシンが多いって事を表現しています。
このアサシンが多いっていう描写も今後の伏線になります。
ライダーはさすがに度量が広いのかアサシンにも酒を薦めますが、アサシンは否定。
ライダーはセイバーに「王は孤独か」と問います。「孤独だ」と答えるセイバー。
ライダーは固有結界を発動。自身がかつて戦っていた砂漠の世界を具現化します。そこには…!!!


かつてライダーに自分に付き従った勇者たち。
ウェイバーは彼らをマスター無しのサーヴァントだと言います。
つまりみんな英霊並みに強いって事です。
見よ、この広大な砂漠を埋め尽くす大軍を!おそらくアサシンの軍勢は数十から多くても百程度だと思いますが
ライダーさんの軍勢は万単位でしょうね。この光景は圧巻です!
はっきしいって、アサシン側の勝ち目はこの時点で完全にゼロです!

そう、ライダーさんは彼ら勇者たちを導き、その想いを全身で受け止めています。
そして「王は孤独ではない。彼らと共にある」というライダー。
セイバーが考える「王」の像とは完全に違う事を見せつけています。

先ほどの屍の累積の上に立つセイバーのシーンとは対照的にライダーに付き従う勇者たち。
孤独な王であったセイバーと孤独では無い王のライダーの王としての格が
このシーンで完全に見せつけられたわけです。
馬、カッコイイ、馬!!!ライダーはもちろん先陣を走ります。さすがのアサシン後悔したのかほぼ抵抗しません。

戦いはライダー側の圧勝に終わります。ライダーと再び戦えたことに歓喜に揺れる勇者たち。
EDに流れるライダー(イスカンダル)のイラストとシンクロさせているかのようです。

王に付き従う兵士(勇者)の姿を見て、驚く、いや蒼白状態のセイバー。
この描写を見る限り、彼女は「王」の器なのかって思っちゃいますね。
聖杯問答の結末
戦いも終わり、ライダーはセイバーを「王」ではなく「小娘」だと思ったようです。
「王」の器に非ず。人に道を示せない生き方ができないものは「王」では無いと完全否定します。

さらにギルガメッシュも「この女の子面白い。だから興味がある」っていう感じの扱い。
まるで珍鳥か何かのような接し方。アーチャーはセイバーに興味を持ったようです。
まとめ
今回は王達の格付けチェック回でしたね。
ライダーの「王」の器の大きさ、懐の深さにただただ感服しました。
大塚明夫さんにあそこまで振る舞わらせ、立ち回らせられれば、
カッコイイのは今までの展開でも明白ですが、
今回は大塚さんの演技が全てを支配したと言っても良いでしょう。
その意味では大塚さんも「王」の器なのです。
いちおう、セイバーを擁護すると、セイバーは「小娘」でいいのですよ。無理に「王」であろうとするのが良くない。さらに彼女の考え方は王には合わない。
そして、ライダーの「小娘」という言葉が
「Stay/Night」での衛宮士郎の「セイバーは女の子なんだろ」って所に掛かってくるわけです。
だからセイバーにとって大事なのは「王」であろうとすることより
「小娘」「女の子」である事なのです。ライダーはそれを気づいたからこそ
セイバーに「小娘」と言ったのでは無いでしょうか。こうしたライダーの発言が「Stay/Night」に掛かる所を見ると
「Zero」が「Stay/Night」を踏まえての内容であることが再確認できると共に
「Stay/Night」に対しても批評的である事がわかってきます。「王」の器ではないセイバーに、「王」の器を見せるライダー。
「Stay/Night」では語り切れない「Fate」の世界を「Zero」できちんと語っています。
という意味で、このアニメの物語は面白いです!
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珍しく見逃してしまい失意の週末を過ごしていた折り 話の内容知りたさに迷い込みました。
今話は素晴らしい! 何という高揚、大軍勢の怒号が!!大塚 明夫という最高のよりしろを得たライダー先生の爆説が 目の前で展開しているようで興奮、打ち震えました。 また ゼロセイバーさんをよく云われる[役立たず][無能]呼ばわりでは無く、[現在進行の悩める王][一人の小娘]、しかもそれでいい それでこそセイバーという見解も大いに納得。同意です。たとえ無能、役立たずのそしりを受けようとそこに居続ける健気さ、頑なさ それこそが彼女の個性、魅力だと思います。
迫真のレビューありがとうございます。 パソコンが壊れネットが現在壊滅状態の私ですが ネットカフェに馳せ参じてまでも何としても今話 目の前で見ない限り収まりません!!