ニコニコ動画で配信していた
新房監督のThe Soul Taker ~魂狩~を久しぶりに見ました。
やはり良いのは新房さんコンテ回。
今見ると、シャフ度的なレイアウトも多用しているのが興味深いです。
最終回はこれでもかといわんばかりに
ステンドグラスを多用していたのが面白かったですね。
他にも、枯れ木や十字架描写も多く「あぁ新房さんだなぁ」と思い楽しんでいました。
作品的な位置づけとしては、
シャフト以前の新房さん演出を存分に堪能できる作品だと思います。
物語を語る以上に、画を見せる・魅せるビジュアル観は鮮烈な印象を与えてくれます。
そしてシャフト以前の新房さんのビジュアル観は、
鉄羅さんあってこそのものだと思います。
作品的には後半になるにつれて、
主人公伊達京介の全く救われない親族を殺し続ける展開と
1・2話以降、作画含めて制作リソースが減少し、
制作環境が厳しさを増していく事を感じさせる画作りが
シンクロしていているのが面白い。
こうした絶望的な物語展開と制作環境を厳しさのシンクロは、
旧エヴァTVシリーズにも同様の傾向が見られると思います。
後は、シリーズ構成の関島真頼さんの癖がわかった所もありました。
関島さんは、信じていたものを追い求める⇒実は求めるものがそんなに良くなかった
っていう展開が多いですね。
これはコゼットの肖像やRio-rainbowgate-でも同様な感じがします。
または母親・聖母的な存在を追い求め、克服するという展開も強いようです。
だから主題的な所に絞れば、
妹を追い求め、最終的には妹を否定しつつも救済する伊達京介と
コゼットを追い求めつつも、コゼットを克服する倉橋永莉は近いともいえます。
二人とも声優は斎賀みつきさんですし。
最後に。この作品は立ちふさがる家族を次々と殺さなければいけない展開は
タツノコプロ伝統のハード路線を強く受け継いだ、オマージュのように思えます。
そして新房さんは、こうしたハード路線が好きな方で
全てを振り切って男は一人生きていくという感じの作品が好きなのかもしれません。
- 関連記事
-