![それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51YQCN2CEVL._SL160_.jpg) | それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ [DVD] (2006/12/06) 戸田恵子、中尾隆聖 他
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アンパンマンの映画って面白いです。
最近「勇気の花がひらくとき」「ゆうれいせんをやっつけろ」を見て
アンパンマンという作品のすごさに打ちのめされています。
この作品はアンパンマンの主題歌の出だし
「何のために生まれて 何をして生きるのか. わからないまま終わる そんなのはいやだ!」
という歌詞について真正面から向かったような作品です。
いのちとは?いのちのあり方とは?いのちの使い方とは?
何のために何をして生きるのか?
様々な問題提起をしつつも、きちんと答えているように思えます。

さてこの作品のゲストキャラ、ドーリィです。
わがままで自分勝手で他人ことなんか全くお構いなしのキャラです。
アンパンマン世界には通常いない、異物な価値観を持った存在です。
他人を助けるために生きるアンパンマンと
自分のためだけに生きるドーリィが対照的に描かれることが本作の最大の見せ所です。
そんな異物なドーリィを演じるのは安達祐実さん。
芸能人で声優ではない安達さんがプロの声優とは一味違う演技をすることで
作品外の存在、異物感が伝わってくるところが上手い。
また演技的にも気にならないのもポイント高しです。

自分のためだけに生きることは虚しい。
それに気づきつつあるドーリィに差し出された自己犠牲の象徴でもあるアンパン。
誰かを助ける、誰かの為に生きる事の尊さを本作は身をもって伝えています。
ちなみに上記の絵はものすごく好きです。

演出的にも色々面白くて、
安心な場面、不安な場面においての画面の使い方や俯瞰・アオリの使い方が上手い。
例えば不安・危機な場面においてですが
上のパンを作るジャムおじさん達のシーンは危機な場面なのですが
画面を傾けることで、不安感をわかりやすく伝えていると思います。
他にもキャラの見せ方のアオリ・俯瞰の使い方が明確なので
物語にすんなり入っていけるところに、演出力の高さをうかがい知れます。
矢野博之さんも篠原俊哉さんといった
東京ムービー=トムス系の作品に多く関わっている演出家さん達は
地力があるなぁと改めて感心させられ。
そうした地力を味わえるのがアンパンマンなんだなぁと思いました。
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