感想このSAOはALO編になってから、
現実と仮想空間を行き来できることが物語の幅を広げた思います。
つまり現実のキリトと直葉、仮想空間のキリトとリーファの
それぞれのやり取りが描かれることで、重層的な物語を構築しているように思えます。
そして今回見ていて気づいたのですが、
キリト・リーファ側で進む物語とアスナ側で進む物語が
同時並行で語られている事も、物語を多層化しているなぁと感じました。
今回に関しても、登場人物は
キリト・アスナ・リーファ・ユイと後はナメクジアバターの科学者ぐらいで
登場人物数自体は少ないように思えます。
それが大きな広がりを感じさせる展開に見えるのは、
舞台が現実世界と仮想空間を行き来しているからだと思います。
さらにキリト・リーファ側の世界樹を進む展開と
アスナが世界を脱出しようと頑張る展開が絡みあう。
現実と仮想という空間の違いと
キャラクターの視点の違いによる多層な物語展開が結びつき
SAOの物語は極めて有機的な、それこそ世界樹の幹のように成り立っているように思えます。
こうした結びつきが最も象徴されるのが、
リーファ(直葉)の「失恋しちゃった」発言でしょう。
キリトの付き添いで現実世界で初めてアスナを見た直葉は
自分のキリトへの想いが届かないことを直感的に気づいたのでしょう。
そして仮想空間の見ず知らず、でも実はお互い良く知っている
キリトという一緒に旅する男に自身の失恋を打ち明ける。
でもキリトはゲームに感情を持ち込んではいけない決まりは無いという。
こと感情に関しては現実もゲーム(仮想空間)も同じであると。
こうした現実と仮想空間は層が違うだけで、一緒という価値観がSAOの世界観なのでしょう。
だからこそ、現実世界で起こったことに対するキャラクターの感情と
仮想空間で起こったことに対するキャラクターの感情が
交わることで物語は進展していくのが、この作品の面白さなのでしょうね。
しかし、最後にキリトがアスナが上方にいるという情報をユイが見つけた時に
リーファには目もくれず、一目散に空へ羽ばたいてしまうキリト。
今回はずっと歩く行動が多く、横軸での移動が多かっただけに
縦軸移動の空へ羽ばたく移動はリーファを突き放す演出として、
ものすごく効果があったように思えます。
今回のアスナの部屋へ向かうエレベーターとキリトの空を飛ぶという縦軸移動が、
直葉(リーファ)を突き放す作用があるのが面白かったです。
縦軸移動はつまりアスナへ接近する事って意味なのでしょう。
縦軸移動でアスナに近づけば近づくほど、リーファにとっては恋的にきつい。
ここでリーファ・直葉はここで二度目の敗北を喫した感すら感じます。
どこまでも状況に恵まれない、でもおっぱいには恵まれているリーファ(直葉)。
色々な逆境もあると思いますが、直葉は可愛いので頑張って欲しいです。
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