さくら荘存続の為の署名活動も佳境。
世の中には頑張ってもどうしようもない理不尽があることを空太は痛感し、
この理不尽に共有できる女の子(七海)もいれば、
理不尽さを見せつける女の子(ましろ)もいるという話。
この理不尽さを象徴しているのが、サブタイトルともいえるだろう。
今の空太的には、負けたこと・理不尽を共有できる
七海の方が精神的に距離が近いのだろう。
実際に二人は本音を言い合い、抱き合い、精神的にも身体的にも距離を感じさせない。
二人の絶望に雨も後押しするようにザブザブ降り注ぐ。
一方で、ましろは空太から外れた距離感にいる。
身体的な距離は近くとも、空太と気持ちを共有できない距離感が描かれている。
空太が寝ている中で署名活動をしてしまっている点を見ても、空太との距離が描かれている。
この空太と七海、空太とましろ、それぞれの距離感が面白い話だった。
またこうした展開が、空太の痛々しさを全面に押し出した風味で描かれるのが面白い。
空太の痛々しさは空回りであり、他者からみれば、辛く感じるであろうが、
ここを描かなければ、その先にある何か、もしかすると希望を描けないのだろう。
この絵柄や色味も含めたビジュアル感で
こうした作風になるとは思っていなかったので
今後も興味深く見ていきたい。
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