たまこまーけっと10話が良かった。
みどり好きな私にとっては、幸せな時間を過ごすことができた。
この作品にけいおんを求めていた人は、こういう話展開を望んでいたのではとふと思った。
今回、一番良かったのが、トイレのシーン。

(10話)
踏ん切りがつかないみどりが、トイレで一歩踏み越えようと頑張ろうとしている姿は

(3話)
以上の3話での史織さんが、たまこに自分の気持ちを打ち明ける描写と見事に対比している。
光の加減は違えど、カメラの置き方なども含め、レイアウトもほぼ同様にしている。
さらに、こうした10話のみどり、もしくは3話の史織の姿を見てしまうのが

(10話)

(3話)
以上のように、史織(10話)でありみどり(3話)なのだ。
これも、キャラを入れ替えてはいるが、レイアウトが同じ。
つまり3話と10話で、みどりと史織の両者の関係が逆転しているのだ。
この二人の立ち位置が、時が立ったことで逆転しているのはとても面白いと思う。
この後、10話では史織さんがたまこ含めたみんなに話して、みどりを救っていくわけだが、
3話でもみどりがキッカケで史織さんとの仲が良くなっていった。
つまり今回は物語が、時間が経てば、人が他人と同じような状況になるという話でもあった。
そして史織さんもみどりも、たまこによって救われるのまでも同じなのだ。
こうして、3話→10話と回をまたがっていても、
キャラクターの立ち位置を反転させることで、シリーズの連続性を感じさせる描写。
こうした繋がりを感じさせる演出がテレビシリーズの面白さの一つではないだろうか。
ちなみに3話、10話の絵コンテ・演出ともに小川太一さん。
小川さんのこの演出は狙っていたとしか思えない。
そんな小川さんは、トイレ(鏡)を自分の気持ちを整理する場所として使っているようだ。
また次に良かったのが、みどりの鼻水。

鼻水まで出させたのは、中々突っ込んだ描写ではないかなと思った。
人はよほどの感情が極まっていないと、鼻水を出さないと思うので。
鼻水を出す描写自体が基本的には好き。

このあと、たまこがみどりの顔をさわり、包み込む描写も良かった。
9話でも、他のキャラが顔をさわって親近感を描写するシーンがあったが、
こうした身体的接触があると、見ている側は素直に気持ちいいなぁと感じる。
そして今回は脚を見せる描写がとても多かった。

バトン部みんなの楽しげな空間を演出する脚。

みどりの困りつつある感じを徐々に表している脚。

脚を上げてみたはいいものの、良いアイディアは浮かばず・・・
(ここはお腹が露出しているのも素晴らしい)

喫茶店に入っての、マスターの言葉に真剣に接することを現す脚。

そして、イベントが終わったあとにも脚を見せる。
以上のように、要所要所でみどりの感情を表現するために脚を使う描写が多かった。
監督の山田尚子さんが脚で感情表現を表すことが得意かつ好きなようなので
今回の絵コンテの小川さんが山田さんの思うところを上手く拾ってきたのかもしれない。
そんな、女性の脚は感情を見せるのに魅力的なものだと感じた。
みどりの頭の先から、脚の先まで存分に楽しませてもらった10話だった。
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