はじめに
「革命機ヴァルヴレイヴ」4話は
「手」の演出が印象的だった。
今回は手の描写の演出意図について書いてみたい。
手の描写の演出意図
指南ショーコがヴァルヴレイヴの
手に立ちながら
学生たちをアジテートするシーンにおいて
学生たちを独立の機運に導き、ハルトに向かって
ピースをした時に
「この回は
手がキーワードの一つなんだろうなぁ」と感じた。


強さの象徴であるメカの手の上に乗り、手でピースを行うカリスマ的なヒロイン。
メカとキャラをこの対比で描くのかと、とても感心してしまったシーンである。
そして手の演出描写の意図は、何か掴み取ることをあらわす為である。
今回でいえば独立を掴み取る意志の表現であり、
本作のタイトルの一部にもなっている「革命」にも繋がり、
最終的には革命を掴み取る意志を「手」で表現したかったともいえる。
さらにいえば、ピースの形はVの字、ヴァルヴレイヴのVでもある。




以上のように、ショーコによって学生たちに独立の機運が芽生えた後は
学生たちの手を見せる描写を立て続けに描いていた。
本当にこのアニメはSNSも含めて、群衆を描こうとしている面も見逃せない。

一方で、ヴァルヴレイヴも学生達の独立を支えるかのように自らの手で支えている。
キャラの手とメカの手を両方描いているのが素晴らしい。
キャラとメカの対比を描くのが、ロボットアニメの醍醐味の一つだろう。

そして今回の
「手」の演出の呼び水・予感を感じさせたのが
前半部分の一人旅団・エルエルフがハルトに
契約成立の合図として提案したピースであり、


何より学園を独立/革命の機運に導いたのは、
ショーコが己の握り締めた
手で自分の衣服を脱いだ時である。
ショーコの身の潔白と強い意志を証明したこの行為によって生徒会が動き、
ハルト救出につながり、学生への訴えにつながったのだから。
その意味ではショーコが自身の
手で脱いだ独立/革命がスタートした意味で
服を脱ぐこと自体が独立/革命の予兆でもあったのだ。
おわりに
人は己の手を動かすことでしか、革命=変化することができない。
「革命機ヴァルヴレイヴ」とは自身の手で革命を掴み取る作品なのだ。ということがきちんと伝わってきた4話だった。
4話の絵コンテも引き続き監督の松尾衝さん。松尾さんはどこまでコンテを切るのか。
とりあえず自身が全面に立ってコンテを切ることで、コントロールしていくのか。
松尾さんの今後の仕事ぶりが興味深い。
参考:
「革命機ヴァルヴレイヴ」の大人と少年の描き方~大河内一楼・そしてキングゲイナー
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こういう細かな演出と大胆な展開の妙が、この作品を気に入っている理由の一つです。
ではでは~。