はじめに
波打際のむろみさん6話を視聴。
絵コンテ・演出の中野英明さんによる、
出崎さん風味な演出展開とバキネタで盛り上がった展開。
海が舞台のむろみさんと、出崎さん風味な演出は相性が良い。
バキネタについては、以下2件のブログを参照。
・「波打際のむろみさん」中野英明さん演出回 - 脳は揺れても刃牙パロは揺るがない!(さよならストレンジャー・ザン・パラダイス )
・中野英明虎王伝説(subgulic)
ちなみに私は、ひっそり仕掛けてあったドラクエネタを取り上げたいと思う。
竜宮城の使い=ムチおとこ
それは、竜宮城の使い達が地下みたいな所で酷使されているこのショット。

この右上にいる変な帽子とズボンを履き、ムチを操る竜宮城の使い。
おそらく彼の正体の元ネタは「ドラゴンクエストⅤ」のムチおとこであろう。

参考画像:ムチおとこ(ドラゴンクエストⅤ-天空の花嫁 SFC版)
そんなムチおとことは何者なのか。
Ⅴに登場するボス級モンスター。【光の教団】が奉ずる邪教に仕える格下の信者。上の者には刃向かえないため、弱者をいたぶることによってストレスを発散する陰険な性格をしている。奴隷を監視し労働を強制する役職にあり、名前の通りその手に持ったムチで奴隷を打ち据えている。
【ムチおとこ】(DQ大辞典を作ろうぜ!! 第二版より)
というようにある。
上記のショットの説明が、ムチおとこの説明に援用可能であり、外見も酷似している点、
ドラクエのダンジョン感あふれる背景などを含め、彼はドラクエのムチおとこなのだろう。

この事を踏まえると、ムチおとこが現れるカットの前にあった
乙姫様とジュリアナ達はドラゴンクエストⅤの「光の教団」に相応すると考えられる。
Ⅴに登場する宗教団体。光とは名ばかりの邪教団。本部は【セントベレス山】の頂上にあり、【イブール】が大教祖を務めている。表向きは普通の宗教団体として活動しており、魔族による組織だということは知られてはいない。(中略)魔族の組織だけあって一皮剥いてみれば中身は悪の組織そのもので、神殿にやってきた信者達や各地から拐って来た子ども達を奴隷として使役させたりしている。
【光の教団】(DQ大辞典を作ろうぜ!! 第二版より)
ドラクエネタの演出意図
つまり、今回の絵コンテ・演出の中野英明さんは、
この乙姫と竜宮城の使い達をひっくるめて
ドラゴンクエストⅤにおける「光の教団」と見立てたのだろう。
そして中野さんの見立てでは、乙姫様は光の教団の教祖に相当する「イブール」であり、
竜宮城の使いは奴隷であり、またはムチおとこなのだ。

参考画像:イブール(ドラゴンクエストⅤ-天空の花嫁 SFC版)
乙姫が「光の教団」の光の部分として輝きながら
竜宮城の使い達が闇の部分として奴隷のように酷使されている。
この乙姫と竜宮城の使いの関係性/描写をドラゴンクエストⅤの光の教団に当てはめて、
上手く表現したのが上記の一連のシーンなのだ。
まとめ
ドラゴンクエストⅤのゲーム本編では主人公が魔物に捕まり、「光の教団」の奴隷として、
ムチおとこにいびられながら、10年程度使役されられる展開がシナリオ上にある。
この描写はとても印象的だったと思う。
そして振り返ると、いかに中野英明さんがドラゴンクエストⅤを理解しているのがわかる。
そして中野さんが作品を作る時のパロディの元ネタとして、
奴隷といえばドラゴンクエストⅤの光の教団と奴隷シーンの部分を引き出せるのが
ドラクエファンの私としてはたまらないのである。
バキネタもドラクエネタもあり、とても面白い6話だった。中野さんありがとう。
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