あいうら7話。面白いを通り越して、私の中ではすごい作品になりつつある。
今回の凄さをまず挙げると、颯太と彩生のやり取りに至るまでの構成/つなげ方だ。

まず最初のカットは颯太の後ろ姿。今回は颯太の話ですよという意味合いだ。
一方で、最初のカットはフトモモを見せることを遵守するのも忘れない。

次のシーン。物語の中心は、奏香とゆっこんのゲームにあるようにみえるが、
颯太の視線は寝ている彩生を見ているように映る。
最後まで見ればわかるように、
颯太と彩生の二人が絡むことを予感させるレイアウトになっている。

この崩したシーンでも、物語がこの崩したことに焦点があれば
カメラがもっと寄ってもいい場面だと思う。
だが、カメラは引く。それは彩生を映すために。
画面的に颯太と彩生の関係性が切れないように配慮されている。


ここでもむしろ写したいのは奏香やゆっこんより、二人の後ろにいる彩生なのだ。
さらにいえば女の子を二人を置いて、
その間に彩生のフトモモを配置するのは、素晴らしい画作り。


そして颯太は彩生にタオルケットをかける。ここからが今回の本番。
今回に限っていえば、颯太にとって奏香とゆっこんは乗り越えるべき壁だった。
つまり今回は颯太が奏香とゆっこんは乗り越え、彩生にたどり着く話なのだ。
ここに至るまでの組み立て方は抜群に上手い。
そして年頃の男の子が、寝ている女の子に下心もなさそうに
自然に接する姿から、颯太と彩生が仲が良いのがわかる。
というか、とても羨ましいシチュエーション。

ただ今回が颯太と彩生の話なのは、アイキャッチですでに予感されていたわけで…
ここで最初に気づけなかった自分は甘い。

この背景のシーンも上手い。
颯太が買い物に行って、出かけたのを
ちょっと間を空けて発したドアの音だけで表現している。
ショートアニメにとって時間の省略は命題の一つ。

二人仲良く横でゲームをする。羨ましい。
ちなみ二人がゲームを始める準備に至るまでを
ジャンプカットで見せているのも小気味良い面白さがある。

ED曲に入る前にはちゃんとフトモモを見せる。
フトモモに始まり、フトモモに終わる。
後、崩れた積み木はちゃんと元通りになっているのが面白い。
奏香とゆっこんで積み直したのだろう。
こういう細かい所で、物語が動いているのを予感させるのも素晴らしい。

ED曲に流れた後の今回の最後のカット。ここでもフトモモである。
ここでダメな姉と良い弟という締め方なのもあいうららしい。
まとめ
今回は颯太と彩生の話である事を
画面的にずっと伏線/積み重ねを行う演出が上手いと思った。
その意味では、前回から彩生が寝ていたのですら、
今回に至る伏線だったのかもしれないと思うと、
上手く繋がっているなぁと感じてしまう。
演出とは次の展開への期待/予感を呼び起こす意味で、
寝ている彩生をずっと映していたのは、
コンテ・演出担当でもあるを中村亮介監督の狙いなのだろう。
ほとんどのカットが面白い、何かしら見所があるという意味で、
毎回、毎回、面白い演出を見せてくれる「あいうら」はすごい作品だ。
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