今回の俺妹10話。
前半は京介とあやせ、後半は京介と桐乃の関係を描いた展開。
このあやせと桐乃の対比を手錠(あやせ)と自転車(桐乃)という
小道具を象徴的に用いて描いたのが面白かった。


黒猫と別れたことを知り、
それが自分のせいだと思うぐらい自意識過剰気味なあやせ。
そんなあやせは京介をどうにか自分の手元に置いておきたいようだ。
このあやせが京介に示す態度として手錠が用いられる。
相手の自由を奪う拘束するものとしての手錠。
あやせが「京介の自由を奪いたい」と自覚しているかはともかく、
京介を自分の手中に収めたいといろいろ思っているのだろう。
真奈美に相談しているのも、その一つ。
端的にいえば、あやせは京介を
「拘束」したいのだ。


一方、メルフェスに参加できなさそうだという桐乃のメールを受け取った京介は
桐乃のために一目散で、桐乃がいる現場へ急行。
移動手段として自転車を使ったわけだが、これが痛チャリだったわけで…。
桐乃は当初、この痛チャリを乗っているのが兄貴だと言えなかったが、
恥ずかしそうでも、ちゃんと兄ですと周りに言えたのは、
2期の間にあった様々な出来事の積み重ねがあったからだと信じたい。


兄弟で自転車に乗るシチュエーション。
今回はこの兄弟で自転車に乗る絵を見せたくて
作っているのではないかと思うぐらい決まっていたショットの連続。
兄弟一緒に自転車に乗る、むしろ二人乗りは絵になる。
自転車の移動中でも、赤信号になったり、
急な上り坂になり、漕ぐのが大変な状況になったり、
でも最後は下り道になったり、二人の道のりには様々な状況が訪れる。
上り坂から最後の下り坂になった時の、カタルシスは良かった。
二人で乗るの自転車には、おそらく
「共生」や
「共有」という意味合いがあるのだろう。
兄弟として、いやそれ以上の関係として二人は生きていく。
こうした事の意味を込めて、京介は自転車を漕ぎ、桐乃は寄り添っていたのだろう。


あやせは強迫的な態度や手錠を含め拘束的な手段を使っても、
桐乃に何かがあれば、京介は桐乃の元に向かってしまう。
一方で京介と桐乃は、自転車を使い「共」に生きていく。
そんな京介とあやせと桐乃の関係性をズバリ的確に
手錠と自転車を用いて描いたのが、今回の見所だったなぁと感じた。
絵コンテは及川啓さん。及川さんは上手いなぁ。
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そんな意味合いがあったんですね
ちょっと凄いなって思っちゃいました