戦姫絶唱シンフォギアG 4話を視聴。心が震えた。
今回は期待値以上の仕上がりで、びっくりするぐらい感動した。
今年見たTVアニメの中でも、屈指中の屈指だった。
正直な話、シンフォギアは1期でやりきった作品だと思っていて
2期で何ができるのかがちょっと不安ではあった。
そんな2期はアクションのパワーアップや音響を豪華にするという
極めてオーソドックスな側面から果敢にアプローチしていて
その成果が完璧に結実したのが4話だと思った。
何よりAパートの戦い、Bパートの日常のそれぞれのパートで
本作のテーマである「響くこと」を貫いていたのが良かった。
Aパートの見事な若林アクション
まず今回が面白かったのはAパートのアクションが最高だったこと。
この要因は絵コンテが若林厚史さんだったことに尽きる。
NARUTO-ナルト-の30話・71話・133話で
松本憲生さん、井上敦子さん達と一緒に魅せた
若林厚史アクションがシンフォギアで炸裂。

まず、マリアさんのこのカットから、日笠陽子さん歌のイントロが始まる。
このダッチアングルがたまらない。




よく動く動く。動かすことになんの躊躇いも感じさせないアクション。
カット割りのタイミングも、カメラが被写体を追いかける演出も本当に気持ち良い。
後は歌いながら戦う、挿入歌という音の側面が否応なく展開を盛り上げる。
後は2話も同様だったが、基本的には翼は画面の右側、マリアは左側にポジションを置く。
この辺りはシリーズ通しての演出のルールのような気がする。
※戦う中で入れ替わりも多々あるが、止まっている時はこの配置が多い。




またマリアのバリアなマントを破るために
武器を脚にしまい、足蹴り戦法に切り替える翼。
しかし脚に激痛が走り、隙とみたマリアが攻撃に転じる。
ここでしまった武器をまた取り出すのだが、
武器の入れ出しをきちんと描いていたのが、戦いを大いに盛り上げていた。
何より感動したのが、月読調の禁月輪非常∑式!


なんと
機動戦士Vガンダムのアインラッドを彷彿とさせる武器。
Vガンダムが放映20周年記念というタイミングも相まって素晴らしい。
ちなみに月読調のアクションでもう一つ。


彼女の動きは装甲騎兵ボトムズのローラーダッシュのようであり、
その意味で本作のアクションディレクターであり
ローラーダッシュの本家、アニメアール出身の光田史亮さんの匂いを感じる。
このローラーダッシュも良かった。
ただ悔しいのだが、静止画ではこのアクションの良さを伝えられない。
ぜひ動く彼女達の姿を見ることで感動を味わってほしい。
それにしても若林さんコンテのアクションは素晴らしい。
Aパートは戦い・アクションを描き抜いて終了する。
戦闘のAパート、日常のBパート
Aパートが戦闘なら、Bパートは日常だ。
戦いから離れ、3人の学園生活が描かれる。
3人の学園生活が描かれるのは2期の特徴だろう。
ただ普通の日常よりは、特にクリスが歌うシーンは派手なお祭りだ。
その意味では、Aパートの劇的な戦闘に拮抗させる意味で
Bパートにクリスの歌うシーンを持ってきたのだろう。

そしてクリスの歌のシーンが始まるが、いつものクリスの顔が違う。
ただ可愛いし、歌うシーンの作画も演出も良い。
これはどうやら沼田誠也さんの仕事のようだ。
本人もこう発言しているし、クレジットにも明記している。
ここではクリスの歌に潜入していた敵側の2人も感動している描写は良かった。
1期では「壊すことしかできない」と言っていた彼女が、
ここでは「人をそれも敵すらも感動させる側になった」意味でも、
今回のクリスの歌った意味は大きい。
まとめ
とにかく、戦闘シーンも、歌うシーンも素晴らしく、
両方が極めて高いレベルで見せてきた意味において、今回の4話は傑作だったと思う。
若林さんがコンテを切り、沼田さんがEDのコンテを切り演出・作監をする。豪華だ。
シンフォギアG4話は、若林さん・沼田さんというスタッフの布陣も
お互いを響かせるという意味でのシンフォギアである事を見せてくれた回だった。
戦いも、歌も、何かを響かせながら行うもの。
その意味で、戦う事と歌う事は違う部分はあるだろうが、
何か同じな部分で繋がっているのかもしれない。
それはシンフォギアで何度となく語られているように
今回でも風鳴指令が言っていたように
「通じないなら、通じ合うまでぶつけてみろ。言葉より強いもの。知らぬお前たちではあるまい」戦うことも歌うことも、このぶつかり合い、響くことそのものであり、
この響きこそが自分を世界を変えるという話なのだろう。
戦いも日常も両方1話で描いたシンフォギア。素晴らしかった。
これが私の見たかったシンフォギア。
シンフォギアにはアニメの夢が詰まっている事を再確認できた。
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