物語シリーズ セカンドシーズン 5話を視聴。
羽川は失恋したかったのだと思う。

好きも嫌いもなく、嫉妬や妬みといった感情を切り離してきた彼女が
はじめて負の想いを、自分の心に抱き受け止める瞬間。
その失恋の痛み、心の痛みを描き、
そこからの羽川の始まりを描くのが、今期の<物語>シリーズだった。
私が<物語>シリーズを見続けているのは、様々な要素はあるにせよ
最終的にはとてもシンプルな恋物語で最後は収斂する所が好きだからだ。
その意味では「何」を伝えるより、「どう」伝えるかに心を砕いた作品なのだと思う。
そして羽川の手紙部分の演出は本作のOPも手がけているURAさん。




ゲーム「いただきじゃんがりあんR」のOPっぽいカットの繋ぎ方や画作りをしていて
(特にマンガの吹き出しや羽川のプロフィールが描かれているのはURAさんっぽい)
今回のコンテ・演出はURAさんかなぁ、OPもやってるし本編をやるのもありえるかと
と思ってみていたら、予測通り羽川の手紙の部分の演出はURAさんだった。
「魔界天使ジブリール」のOPで一緒を仕事をし、
<物語>シリーズのキャラクターデザインでもある渡辺明夫さん繋がりで、
URAさんが本作に参加したと推測されるが、
これが実現できるのも、シャフトの画作りとURAさんの画作りが近い、
もしくはシャフトの作風にURAさんの演出を受け入れられる器があったからだと思う。
興味深いのは、共に名OPとして名高い
シャフト制作、尾石達也さん演出「ぱにぽにだっしゅ」と
URAさん演出の「いただきじゃんがりあんR」が同じ2005年に世に送り出されたことだ。
アニメとゲームのそれぞれの分野で同時期に凄いOPがでてきたなぁと思いつつ、
両OPにはスタッフ的接点はないけれど、群を抜くポップさという点で両OPは秀でていたので
個人的には両OPは兄弟のような位置づけにあると思っていた。
それが8年経ち、尾石達也さんが土台を築いた、
<物語>シリーズという場所に、シャフトいう器を得てURAさんがアニメの演出を手がける。
URAさんとシャフト。私にとって近いと感じながらも繋がらないものが、繋がってしまった。
中々に感慨深いものである。
最近アニメ界が例えばまどマギの虚淵玄さんなども含めて、
ゲームやラノベの分野からシナリオライターを引っ張ってくるという話はよく聞くが
今回のURAさんように、ゲームのOP/映像をやっていた人が、
アニメに来るケースというのも今後は多くなるのかもしれない。
参考:
『ジブリールシリーズ』 から 『猫物語』 への系譜(Parad_ism)
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http://www.youtube.com/watch?v=BP2LqSVoXT4