はじめに
「ガンダムビルドファイターズ」18話は
ユウキ・タツヤとレナート兄弟のガンプラバトルが描かれる。
「戦争」「僕らの戦争」と「機動新世紀ガンダムX」のフロスト兄弟を彷彿とさせる発言。
そしてジオン兵投入などレナート兄弟は、ガンプラバトルを「戦争」として行う。
対してメイジン、ユウキ・タツヤはガンプラバトルはガンプラバトルだと言い切る。
今回はガンプラバトルにおける両者の戦いの価値観の矜持を争った展開でもあった。
25年越しの逆襲-ケンプファーとガトリングガン
そんな今回の最大の見所は、お互いの決着がつくバトル終盤の
ケンプファーアメイジングがジムスナイパーK9に対して
「ガトリングガン」を撃つシーン。



ユウキ・タツヤの先に先を読みガトリングガンをこの場所に落とした慧眼にも痺れるが、
やはりケンプファーとガトリングガンの組み合わせに心が動かされる。
それはこの組み合わせに因縁があるからだ。
この因縁は遡ること25年前になる。
1989年の「機動戦士ガンダム0080-ポケットの中の戦争」の4話での話だ。
物語は、ジオンのサイクロプス隊が連邦の新型ガンダムのアレックスを奪取しようとし、
隊の一員であるミーシャが乗るMSケンプファーは作戦の中心的役割を果たす。
サイクロプス隊優勢の展開で進むが、次第に連邦が主導権を握る。
そして新型ガンダム-アレックスが起動しケンプファーと戦うのだが
このアレックスがケンプファーに止めを刺した武器が
「ガトリングガン」なのだ。



アレックスの左腕に仕込まれたガトリングガンは、ケンプファーの全身に撃たれる。
このガトリングガンの餌食になり朽ちていくケンプファーの描写は、
「ガンダム0080」の中でも屈指の名シーンだ。
キャプにはないが、上記のガトリングガンを被弾するケンプファーのシーンで
コクピット内部を映すのだが、パイロットのミーシャは映さずに
彼が飲んでいた酒の容器だけが揺れ酒が溢れる描写があったが、
一方的にやられる様子がこれでもかと描かれるので、強烈に覚えている。
以上がケンプファーとガトリングガンの因縁の始まりである。
この因縁を踏まえると、
「ガンダム0080」でガトリングガンにやられたケンプファーが
「ガンダムビルドファイターズ」ではケンプファーがガトリングガンを使い
ジムスナイパーK9を葬り去る。逆襲のケンプファーであり、因縁の精算でもある。
またピンチからの逆転劇という流れも、両作品は共通している。
まとめ
1989年の「ガンダム0080」から25年後の「ガンダムビルドファイターズ」で
ケンプファーがガトリングガンを使うシーンを見られたのは嬉しかった。
以前に
「メタサンライズアニメとしての『ガンダムビルドファイターズ』」という、
本作はガンダムネタ・サンライズネタが多いという記事を書いたが、
今回もこの例に沿った描写といえると思う。
そしてこのシーンがなお一層感慨深いのは、
「ガンダムビルドファイターズ」のガンプラバトルの
描写・作画・演出が三位一体で素晴らしいからであろう。
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