はじめに
今年で「魔法少女リリカルなのは」のTVアニメが始まって10年が経つ。
「魔法少女リリカルなのは」シリーズは、
今年までにTVシリーズが3作。
劇場版が2作と新作のThe MOVIE 3rd Reflectionが控え、
漫画、ゲーム、ドラマCDと様々なメディア展開を行っている。
ファンの購入意欲が旺盛な話はよくネット上で話題になり、
特にコミケでの企業ブースでなのは関連のグッズを扱う企業では
「なのは完売」という情報戦が繰り広げられている。
なのはシリーズにお金を費やしたファンのことを
「なの破産」「フェイ倒産」なる言葉も生まれるなど熱狂的なファンも多い。
私もリアルタイムで無印を見てファンになったのだが
10年経った事がとても感慨深いと思い、
「リリカルなのはシリーズ」の原点である
「魔法少女リリカルなのは」を振り返ってみたくなった。
① シャフト以前の新房昭之監督作品として
「魔法少女リリカルなのは」は、
新房昭之さんが、シャフト以外でTVアニメの監督をつとめた最後の作品だ。
18禁アニメに活動をシフトしていた新房監督久々のTVアニメということもあり、
大胆な陰影を使った演出、魔法少女ものに見せかけてからのバトル展開など
ただの魔法少女アニメものに収まらない意欲的な内容を盛り込んだものになった。
1話の食卓シーンの吉成鋼さん原画など
ビジュアル面で見所たっぷりの作品になったのも新房さんの采配もあるだろう。
新房監督が手がけたことが「魔法少女リリカルなのは」シリーズの
大きな基礎になった側面は大きいと思う。
その後新房さんが「魔法少女まどか☆マギカ」を手がけることになったのも
この作品の成功による部分もあると思うので、
その意味でも本作の成功は、結果論ではあるが大きな意味をもったと思う。
② 美少女とメカ
「魔法少女リリカルなのは」は特にバトル面において、
武装やアクションにおいてロボットアニメ的な意匠やノウハウを取り込んだ作品だ。
メカメカしいレイジングハートやバルディッシュ。
変身後のなのはは例えるならウイングガンダム
フェイトはガンダムデスサイズを彷彿とさせる格好であり、
彼女達はまるでロボットのようにダイナミックに動く。
このことは、アニメ界大鉄板の「美少女+メカ」の法則を踏まえ
美少女にメカ的な意匠を融合させたアイディアであるといえるし、
こうした「美少女+メカ」のアクションがこの作品の面白さを下支えしたと思う。
この「美少女+メカ」の法則を支えたのは、
師匠格の大張さんのようなタメツメの効いたアクションを手がけた
プロップデザイン・メカニック作画監督の斉藤良成さんだろう。
③ なのはとフェイトの物語として
この作品が支持されたのは、
なのはとフェイトが心通わす物語が首尾一貫として描かれていたからだろう。
これといった目的・将来の夢がなかった高町なのは。
母親と仲良くなりたい、その為にジュエルシードを集めるフェイト・テスタロッサ。
二人の対照的なそれでいて、家族とは距離を感じる店では共通する少女達の物語。
話さなければ伝わらない、言葉にしなければわからない。
なのはの想いがフェイトに届いたからこそ二人は友達になれた。
魔法という力があったからこそ生まれた奇跡。
この二人が敵同士から、どう友達になっていくのかという過程が
1クールで過不足なく見事に描けていたからこそ、
なのはは10年続くシリーズの基礎になったといえる。
まとめ
以上、簡単ではあるが「魔法少女リリカルなのは」について振り返ってみた。
他にも田村ゆかりさん水樹奈々さんの存在や、
原作者の都築真紀さんの凝った世界観や設定といった要素が
作品を大きく支えていると思う。
そしてこの初代「魔法少女リリカルなのは」をスタートに
徐々に人気を伸ばしていって、今年で10年。
時間が経つのは早いと改めて思い知らされる。
そんな「なのはシリーズ」10周年の年だが、
「A's」から「StrikerS」の空白期間を描く
「The MOVIE 3rd Reflection」の公開を楽しみに待ちたい。
- 関連記事
-
なのはシリーズは「はじめに」で書かれておられるように、わりに売れた印象でいるので、アニメ4期がつくられないのが不思議な印象でいます。もしお考えのところあれば教えて頂けませんか?