はじめに
「シティハンター」と「カウボーイビバップ」をGyaoで見ていたら、
「シティハンター→カウボーイビバップ→スペース☆ダンディ」
という流れ/系譜があると思った。
今回はこの3作品についての因縁、関係を振り返りたい。
「スペース☆ダンディ」と「カウボーイビバップ」
「スペース☆ダンディ」と「カウボーイビバップ」は共通スタッフが多い。
それは、渡辺信一郎監督、脚本の佐藤大さんと信本敬子さん、
音楽参加の菅野よう子さん、プロデューサーの南雅彦さん
といった「カウボーイビバップ」のメインスタッフ達。
「スペース☆ダンディ」の前評判の広がり方も
あのビバップスタッフが集結みたいな言われ方もされていたと思う。
またジャンルもSFものという点で「スペース☆ダンディ」に
「カウボーイビバップ」の面影を見る人はいると思う。
キャラクターの面から見ても、
主人公「スペース☆ダンディ」のダンディの飄々とした軽い感じは
「カウボーイビバップ」のスパイクに近いと思う。
「カウボーイビバップ」と「シティハンター」
一方で「カウボーイビバップ」は「シティハンター」から引き継いだものがあると思う。
例えば「シティハンター1・2・3」のキャラクターデザインの神村幸子さんは
「カウボーイビバップ」のキャラクターデザインである川元利浩さんに対して、
一緒に仕事をした「アリオン」「機動戦士ガンダムZZ」などで指導を行い、
川元さんは神村さんの仕事に多大な影響を受けているという。
他にもスタッフ的な繋がりといえば、
●「カウボーイビパップ」の作画監督の逢坂浩司さん、本橋秀之さんは
「シティハンター」で原画や作画監督で参加。
●「スペース☆ダンディ」と「カウボーイビバップ」の
プロデューサーの南雅彦さんは「シティハンター」で制作進行、
「シティハンター2」では制作デスク
●「シティハンター1,2,3,'91」と「カウボーイビバップ」の美術監督は東潤一さん。
以上のような関係がある。
また物語的にも「カウボーイビバップ」と「シティハンター」は、
●1話完結の物語が中心
●ときたまある前偏・後編の構成
●ハードボイルド路線かつコミカルな面も充実
●2.5枚目(イマイチな色男)の主人公
といった面で「シティハンター」と「カウボーイビバップ」は近いと思う。
そしてキャラクターの面で比較すると
●「カウボーイビバップ」のスパイクとジェットの近からず遠からずの関係は
「シティハンター」の遼と海坊主の距離感に近い。
●「カウボーイビバップ」のフェイは「シティハンター」の野上冴子に近い
美人だがシニカルな性格。そして旦那の貰い手がいない感じが近い。
以上を踏まえると「カウボーイビバップ」のキャラ造形は
「シティハンター」が影響を与えているのかもしれない。
よく「カウボーイビバップ」は「ルパン三世」とセットで語られたが
サンライズ制作という視点からみれば、
「シティハンター」と「カウボーイビバップ」の共通点がより浮き彫りになる
また「シティハンター」と「スペース☆ダンディ」には共通点がある。
それは岡村靖幸さん。「スペース☆ダンディ」のOPと
「シティハンター2」のED曲を手がけてた岡村さん。
岡村さんがアニメ作品の曲を歌っているのはこの2作品しかない。
まとめ
「シティハンター」「カウボーイビバップ」「スペース☆ダンディ」の共通点は
●1話完結をメインにした構成であり
●2.5枚目の主人公がハードボイルドかつコミカルな展開
●銃器や兵器などのメカニックのディテールにこだわった内容
であり、この点で3作品は同軸上に存在する作品だと思う。
そしてこの3作品に参加したボンズの社長:南雅彦さんから考えると、、
南さんは「シティハンター」で培ったノウハウが「カウボーイビバップ」で生かされ、
「カウボーイビバップ」で培われた南さんの人脈が「スペース☆ダンディ」で
生かされているのだと思う。
以上のように考えると、
「シティハンター」から「カウボーイビバップ」へ繋がり
「カウボーイビバップ」から「スペース☆ダンディ」へ繋がる道筋があると思った。
こうした自分なりに作品の系譜を考えるのは、面白いと改めて感じた。
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