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Gのレコンギスタの「クンタラ」の使い方にみる、富野由悠季の本気の作劇 

Gのレコンギスタでは「クンタラ」という言葉がある。

kuntara000.jpg

本編ではノレドが「クンタラのくせに」のように言われる。
また、ルイン・リーが「ベルリのお袋に取り入って、さすがクンタラ」と言われる。
どうやら蔑称のような感じで扱われてることはわかるが、
3話までの劇中でこの言葉の意味が詳しく紹介されることはない。

公式HPでは、
リギルド・センチュリーの世界では「クンタラ」と呼ばれる下級階層の人々が存在する。(出典:GのレコンギスタHP)
とのみ紹介されている。

しかし月刊アニメージュ 2014年10月号の小形尚弘プロデューサーの
インタビューで「クンタラ」について以下のように説明されている。
「クンタラ」とは、富野さんの造語ですが、この世界で差別されている人々です。宇宙世紀の後半、戦争でかなり疲弊した状態に陥り、経済的にも支配されて“食肉”になっていた人たちです。 ルイン、ノレド、マニィはその末裔です。現代の経済も、貧困層が富裕層の食い物にされている状態だというのを象徴しています。 (出典:月刊アニメージュ10月号 小松尚弘インタビュー)

「クンタラ」。宇宙世紀末期に食肉の対象とされていた人々。なんとも重い設定だ。
もしかすると、今後の地球規模の大騒乱が勃発した場合、
この「クンタラ」みたいに扱われる人々が出てくることも考えて設定されたのかもしれない。

しかしこの「クンタラ」の説明は本編中では全く行われないようだ。
富野由悠季監督もこの「クンタラ」の説明はしないと明言している。

ではなぜ説明をしないのか。
下調べをすればわかるが、しない人もいるだろうから
説明をした方がわかりやすく伝わるのにという意見もあるだろう。

その試みは、富野監督が2009年7月7日の日本外国特派員協会での講演で
以下のように語ったことに集約されている。
児童文学を書くためのハウツーものを読んだ時にあった1行が、僕にとって現在までの信条になりました。「その子にとって大切なことを本気で話してやれば、その時は難しい言葉遣いでも、子どもはいつかその大人の言った言葉を思い出してくれる」という1行でした。つまりアニメのジャンルに関わらず、「子どもに向かって嘘をつくな。作家の全身全霊をかけろ」と僕は理解しました。
(出典:宮崎駿は作家であり、僕は作家でなかった――富野由悠季氏、アニメを語る(前編))

ここの富野監督の発言は、他の媒体や機会があるときに
以上のようなニュアンスの発言をしている。 
私もこの富野監督のスタンスが本当に好きだ。

さて上記の富野監督の発言と「クンタラ」がどう結びつくか。
私の中で考えているのは「クンタラ」という言葉の意味が伝わることが大事ではなく
「クンタラ」という言葉を使った側のキャラクターの心情、
もしくは「クンタラ」と言われた側のキャラクターの心情を描くのが大事なのだ。
そして「クンタラ」の宿命を背負った、ルイン・ノレド・マニィが
端々に見せる生き様なのだろう。

kuntara-1000.jpg

2話でノレドがアイーダに撃ったパチンコも「クンタラ」の悲劇の歴史から生まれた
「本能的に自衛する武器」としての意味合いもあるようだ。

こうして「クンタラ」を具体的には説明せずに、
一方でその設定を元にしたキャラクター達の言動を描いていくことこそが
富野監督の言う「その子にとって大切なことを本気で話してやれば、
その時は難しい言葉遣いでも、子どもはいつかその大人の言った言葉を思い出してくれる」
という部分に繋がっていくのだと思う。

つまり本編中で「クンタラ」という言葉がすぐにはわからなくても、
いつかはその言葉の意味が、キャラクターの言動を通してわかってほしいという
願いで使われているのだと私は思う。

一方で「クンタラ」という音の違和感によって引っかかりを与えているので
調べなくても、何かしら意味が通じているようにも描いているようにも見える。

富野監督の作品は上記のような「クンタラ」の設定を元に
行動や心情を具体的に描きすぎず、行間を重んじながらキャラクターと世界を描く。
これが富野監督の本気の作劇なのだと思う。
これは「海のトリトン」で初監督を手がけて以来、変わらない心情だ。
 
具体的に説明しなくても、本気で伝えればわかってくれる。
そんな願いがGレコの「クンタラ」という言葉を通して、伝わってくる。
 
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[ 2014/10/16 21:06 ] Gのレコンギスタ | TB(1) | CM(0)
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