「四月は君の嘘」のOPの出来栄えに感動した。
鮮烈な光と色彩
楽譜をかたどったイメージBG
メロディとダイナミックにシンクロするカット割り
どれも全てが素晴らしいハーモニーを醸し出している。
そんな中でも「四月は君の嘘」のOPで印象に残ったのは止め絵の使い方だ。



サビが流れる部分での、この二つの止め絵で繋ぐカット割りはすごく気持ちいい。


この二つの止め絵に関しては、
まず上の止め絵のカットは、下から上へと勢いよくカメラが動いて
次のカットは左から右にカメラがゆっくりと動く。
縦運動のカットから横運動のカットで繋ぐのが気持ちいい。
アニメの魅力の一つは、こうした止め絵を上手く使うことで、
絵を動かさなくても、心は動かされる感動を味わえることだ。
そんな止め絵を効果的に使った映像がもう一つ。
「Gのレコンギスタ」(以下Gレコ)のEDだ。

キャラクターの屈託のない笑顔は見ていて気持ちいい。

このアイーダの表情は本当に好き。
歌詞通りの「前を向いて やってみる」感が伝わってくる。

マスクのこの不気味な表情もなんか心地よい。


そしてGレコとEDの見せ場は、
「Gのレコンギスタ~」の歌詞と共に、
男女の主要キャラ達が足を上げる止め絵のカット。
この絵を見ているだけで、幸せになれる。
GレコのEDは、ほとんどのカットが作画では動かない。
(※最後にGセルフが動くぐらい)
スライドや、カメラを動かす、雲といった背景を動かす事で
動いている感じを演出している。
そんなGレコのEDはカメラの動くスピードより、雲が動くスピードの方が速い事、
またカメラが動かないカットは、手前から奥に雲を動かす事で躍動感を生みだしている。
そしてGレコのEDは、作詞者がコンテを切るので、
作詞をしながらその先のコンテも想定し、映像を作っているのだろう。
その為に映像と詩のシンクロ性が高い。
対して「四月は君の嘘」のOPは、GレコのED以上に作画で動かすカットが多い。
動かすカットと、止め絵で見せるカットの緩急の使い方がハッキリしている。
こちらのOPは、メロディと映像のシンクロ性が高い(気持ち良い)
まとめ
どちらのOPもEDもそれぞれに止め絵の魅力を引き出した映像に仕上がっている。
これらが成立するには、上手いアニメーターさんの絵があり、
そのアニメーターさんの絵を引き出す演出家さんの腕があるからだろう。
アニメは動いてこその表現でもあるのだが、
映像の繋ぎ方や、音楽とのシンクロ、何より絵の力そのもので
いくらでも魅力的に映し出すことができるのだと思う。
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