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日本のアニメはクラウドファンディングの夢を見るか? 

はじめに

本日5/10、PCゲームの「Dies irae」が5月9日にクラウドファンティングを利用した
アニメ製作のプロジェクトを立ち上げ、目標金額の3000万円に対して
1日で入金待ちの金額を合わせて実質的に3000万円を突破した事を知り驚いた。

参考:『Dies irae』アニメ化プロジェクト

※ブログ更新中の5/10 19:30の時点で、
76万5千円の入金と3521万円の入金待ちとなっており、
合計で約3597万円の資金提供がされている。

私はこのゲームの事を全く知らなかったが、
たった1日で3000万以上が受け手によって資金提供されたことに、
この作品が強く支持されていると強く感じた。

この事を知って、私は日本のアニメにとって
クラウドファンディングの存在がより大きくなると感じ、
一方でファンと作品の関係もまた変容する可能性が起こると感じた。

今回はクラウドファンディングについて受け手の立場から書いてみたい。

日本のアニメにおけるクラウドファンディングの事例


まず日本のアニメにおけるクラウドファンディングの例を挙げてみたい。

①キックハート

2012年にアニメ製作会社Production I.Gが湯浅政明脚本・監督による約10分の
ショートフィルムアニメ「キックハート」制作の資金調達のためにKickstarterを利用。
80万円出資すると、本作の監修である押井守、湯浅政明監督、石川光久社長
三者との夕食ができる権利があったようだ。2013年12月にBD化されている。

参考:キックハート(Production I.G)
参考:Kickstarter(キックスターター)をつかったクラウドファンディングの事例: Production I.Gによるアニメーション制作資金の調達
  
海外向けの企画であったように思える。

②リトルウイッチアカデミア

TRIGGER製作の「リトルウィッチアカデミア」は
「アニメミライ2013」の参加作品として発表。
youtubeで全世界に配信した所、続編製作の期待が高まり、
製作資金を集めるためにKickstarterを利用。
そして目標金額の15万ドルを上回る、62万5千ドルを短期間に集めることに成功。
劇場アニメとして公開することになった。

参考:リトルウィッチアカデミア

ただこの動きは主に海外のアニメファンによる動きや資金提供であり、
私個人の実感では海外を巻き込んだからこその動きという見方をしていて、
当時は、この動きが日本のアニメ界隈にどう影響するかを測りかねていた。

③Under the Dog

イシイジロウ原案、Creative Intelligence Artsによるアニメ「Under the Dog」は
Kickstarterを利用し、アニメ作品としては歴代最高額の
87万8,028ドルを集め、キネマシトラス制作・安藤真裕監督での製作が決定。

参考『Under the Dog』、Kickstarterアニメーション部門で世界一の記録達成! イシイジロウ氏からのよろこびの声をお届け

2015年12月に完成の予定。

④東北ずん子

東北復興支援キャラクター「東北ずんこ」の
アニメ化を見越したクラウドファンディングも
3月6日よりKickstarterを利用し、4月2日に目標の3万ドルを達成。

元々は東北ずん子の「アニメ化の設定を作るための画集制作」を目的とし、
設定資料を完成したらアニメ化に向けたクラウドファンディングを実施する
構想があるようだ。

参考:東北ずん子
参考:n and manga compilation book of Tohoku Zunko

こうした地方から発信するような企画、独自色がある企画には
クラウドファンディングは有効なのかもしれない。

⑤この世界の片隅に

片渕須直監督の劇場アニメ「この世界の片隅に」 もまた
クラウドファンディングでの製作が決定した。

参考:片渕須直監督による『この世界の片隅に』(原作:こうの史代)のアニメ映画化を応援

2015年3月8日に2000万円を目標設定金額に開始され、
3月18日に目標の2000万円に到達し、
国内映画のファンディングとして史上最高調達額となった。
(※5月10日現在 約2786万円が資金提供されている)

片渕監督の「興行的苦戦」という発言の意味

私としては「アリーテ姫」「マイマイ新子の千年の魔法」で知られる
片渕須直という実績充分の監督作品が
クラウドファンディングで資金調達するのが理解できなかった。

ただなぜクラウドファンディングなのかについては
公式サイトによる片渕監督のメッセージからある程度推察できる。

日本のアニメーションの現状をかえりみれば、いわゆる一般観客層に向けられた長編がもはやひとつのジャンルを醸成するといってよいくらい多数作られるようになっているにもかかわらず、一部の有名ブランドのものを除けばそのいずれもが質の高さとは不釣合いな興業的苦戦を繰り返してきてしまっています。これは個々の作品の宣伝の問題というよりも、全体的な状況として、そうした作品ジャンルの存在の一般的な認知が進んでいないからであるように思われてしまうのです。

出典:片渕須直監督による『この世界の片隅に』(原作:こうの史代)のアニメ映画化を応援
3/31追記 片渕監督より、制作支援メンバーの皆さまへ感謝のメッセージ


以上の興行的苦戦という言葉が示すように、
本作が採算的に難しい企画として見なされていた事を匂わせている。

この興行的苦戦については、クラウドファンディングの話とは直接関係ないが
新作「百日紅~Miss Hokusai~」を制作した原恵一監督が
ロフトプラスワンでのトークショーで以下のような意味深発言をしている。

「そろそろ自分も稼げるようにならないとヤバイので、次回は魂を売り渡すことになるかもしれない」
 
出典:原恵一監督を応援するブログ
ロフトプラスワンウエスト『百日紅』公開記念原恵一監督トークショー(その2)


片渕監督も原監督も今は、ポケモンやドラえもんといった認知度が高いアニメ映画を
手がけているわけではなく、これら認知されたキャラクターアニメ映画以外の
長編アニメ映画は興行的苦戦を強いられる事を匂わせている発言だ。

一方で「この世界の片隅に」がクラウドファンディングを採用したのは、
片渕須直監督の前作「マイマイ新子と千年の魔法」の英語版DVDの製作において
kickstarterを利用したところ、短期間で10万7千ドルが集まった事も後押ししたのかもしれない。

参考:Mai Mai Miracle Kickstarter Reaches Goal for English Dub

いずれにせよ「この世界の片隅に」のクラウドファンディングの成功により
企画が前進したのは、片渕須直監督やこうの史代さんファンにとってよかったと思う。

受け手による作品作りへの協力方法を示したクラウドファンディング

全時間帯アニメであれば、キャラクターグッズや関連商品の購入
深夜アニメであればBD等の関連商品の購入やイベントに参加することといった
ファンができた作品(もの)に対して対価を支払い、支えるのが主流であった。

そしてクラウドファンディングによって、
ファンが先にできる前の作品(企画)に協力・応援という形で
資金提供が可能になったのは、受け手からすると
協力・応援といった意思表示の手段が増えた意味で大きな意義があると思う。
これは受け手の企画への期待感をお金で現したものであるといえよう。

よく映画は博打といった事が聞かれるが、
映画は作って公開しなければ、実際にお客が入るかどうかわからない点にあった。

一方でクラウドファンディングを行うことで、
先にこの企画にどれだけの受け手が資金や人数的に応援しているかという
具体的指標が得られる点では、興行側からすると有効な手段ではないかと思う。

また受け手(ファン)からしても、自分達が望みの企画を
立ち上げるチャンスにめぐりあえる可能性が高くなった点でも、
より能動的にアニメに接するチャンスが増えたのかもしれない。

まとめ

ここまで記事を書いてきたが、
「リトルウィッチアカデミア」「Under the Dog」「この世界の片隅に」「Dies irae」は
まだ製作中・企画開始の段階だ。

だから本当の意味でこれらの作品が成功するかどうかは、
実際に作品が製作され、資金提供した受け手(ファン)の想いに
どれだけ応えられたかどうかで決まってくる。

深夜アニメの製作委員会方式によるBD販売での
製作費回収についての話題も上る中、
新しい資金調達手段をどうするかという段階に突入しているのかもしれない。

クラウドファンディングは成功したか、作品としてはどうなるのか。
実際に作品を見ることで、その成果がわかってくると思う。
そしてクラウドファンディングがアニメ界隈
引いては受け手にとっても面白いになっていきそうな予感を感じた。
 
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[ 2015/05/10 21:18 ] ニュース | TB(0) | CM(0)
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