「鉄血のオルフェンズ」23話はカルタが散る物語であった。

そんな鉄血のオルフェンズだが、
モチーフ(テーマを描くために用いられるもの)が明確な作品だ。
今回でいえば鉄道(鉄道は前回から)と雪だと思う。
そしてこれらを通して鉄華団とカルタを描いていたのだと感じた。
鉄道=鉄華団の進む道

まず「鉄道」。
蒔苗 東護ノ介を一直線に送り届ける鉄道。
往路しかなく、帰り道がない鉄道。
ビスケットが死んでも、鉄華団の歩みを止めることができない。
突き進むしかない。そんな鉄華団の心情そのままに鉄道が動いているかのようだ。

そんな鉄道の歩みを止める、カルタ・イシューは間違いなく敵。
少なくとも鉄華団・特に三日月は強く認識する。
彼らにとってカルタの誇りや決闘という提示は無意味なものでしかない。
鉄道を止めた(=鉄華団の先の道を止めた)時点で敵なのだ。
ここでも鉄道というモチーフが明確に機能している。

※かっこいい
三日月は相手の隙を突いて、カルタを含めた3体のMSを一掃する。
まるで道を塞ぐものを片付けるかのように蹂躙する。
オルガが主導し、三日月がオルガの理念を具体的に示した場面。
オルガはためらいを見せる瞬間もあるが、
オルガの決断の先にあるのが三日月の行動なのだ。
雪=現実の厳しさとカルタの純真な精神
さて今回、もう一つのモチーフであろう「雪」。
おそらくカルタを描くために使われたのだと思う。
まず雪。雪の寒さを通してあの世界の厳しさ、生きる厳しさを表しているのだと思った。
カルタの正々堂々な精神や誇り高さは、彼女に近しいものから見れば高潔に映るだろうが、
三日月達には関係がない。このことに気づかず、
自分の価値観が相手も受けるだろうと思ってしまうカルタは甘いのだ。

三日月達から見れば甘いであろうカルタであっても、
アインにとっては、もしくはマクギリスにとってカルタの精神は強く心を打つ。
そんなカルタの心は雪のように純真だったのではないだろうか。
写真で綺麗に撮られた雪を見て美しいと感じるように、
カルタの心もまたそうだったのではないかと。
一方で現実としての雪は、命を奪いかねないもの(雪崩・豪雪)でもある。
美しいがゆえに時には命をも奪う雪を通して、カルタを描いたのではないだろうか。
だからこそそんな白い雪のような銀髪のカルタを
血の赤で染め上げる三日月がより容赦なく見えるのかもしれない。
まとめ
今回は鉄道と雪を通してオルフェンズを語ってみた。
次回以降も鉄道は突き進み、やがて目的地へと辿り着く。
その目的地が鉄華団のたどり着く場所になるのか。
彼らの旅は雪に散ったカルタの屍を越えてまだまだ続く。
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