子供の頃「横山光輝三国志」を見ていると、
時たま、物凄く絵柄が濃い回があるのに気づく。
原作の横山光輝絵に劇画調なタッチと美麗さを加えた絵柄は、
当時は作画という言葉も知らなかった私に強いインパクトを残した。
おぼろげながら、アニメの絵は毎週変わると気づき始めていたが、
横山光輝三国志の濃い絵柄の回は、この事を決定づけさせた。
後になって、この絵柄の回の作画監督が斎藤浩信さんだと知った。
北斗の拳、魁!男塾の作画監督で知られる。
横山光輝三国志では10・15・22・28・43話の作画監督を担当している。
絶世の美女貂蝉が董卓と呂布を仲を引き裂き、呂布が董卓を暗殺する
15話「乱世の美女・後編」。

貂蝉が自害した姿に悲しみに暮れる呂布。(15話)
呂布が曹操との戦いに敗れて、最後は逃げきれず死ぬ
22話「呂布・雪原に散る」。

仁王立ちのまま、戦場に散る呂布(22話)
この二つの呂布メイン回、
特に死に際の呂布の顔が印象に強かった。
この呂布の顔が、私にとっての作画の目覚めだった。
曹操の元に身を寄せた関羽が劉備の元に帰る
28話「決死の千里行」。

美麗な関羽(28話)
斉藤さんが最後に担当した43話は、
孔明が曹操軍に乗り込んで、10万本の矢を手に入れてしまう回。
斉藤さんの回は、孔明も面長のイカツイ顔に。

周瑜に10万本の矢を用立ててほしいと言われた時の孔明(43話)
当時リアルタイム視聴時に、15話ぶりのこの絵柄に
この絵柄を待ってましたと感激した記憶がある。
ちなみに次回の44話はこんな感じ。全然違う。

斉藤さん回の孔明の鋭い目を見ると、
横山光輝さんの絵柄より、杉野昭夫さんに近い描き方をしていると思った。
全体的に見ると、キャラの感情が乗るシーンは顔に線が増えていく印象。
特に呂布にはノリノリで作画修正を入れていたのではないかと。
「横山光輝三国志」の斎藤浩信さん作画監督は
アニメにおける絵柄の魅力を私に始めて教えてくれたと思う。
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