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あえて岡田麿里視点を抜いて語る「さよならの朝に約束の花をかざろう」 

岡田麿里初監督の「さよならの朝に約束の花をかざろう」。

岡田麿里が脚本を手がける作品は、
岡田脚本でみられる作風というか味を中心にして語られやすい。
「さよ朝~」はさらに初監督ということもあり、
過去に岡田が脚本を手がけた作品との照らし合わせて語りたくなる。

ただ岡田麿里視点からの「さよ朝~」は一旦置いといて
岡田以外の視点で「さよ朝~」を語ってみたい。


私の率直な感想としては
国・都市・建築物・生活・自然を含めて世界を一から作り上げる
オリジナルなファンタジーな作品だった。

制作のP.A.WORKSのオリジナルTVアニメの元請作品は現代劇が多かったと思う。
その経歴の中で、本作はファンタジーを選択している。
(凪のあすからもファンタジー要素があるが現代劇)
PAは元請制作に舵を取ってから果敢に様々なジャンルを手がけているが、
「さよ朝~」ではファンタジーというジャンルに挑戦したのだろう。

ファンタジーに挑戦したいという点で見れば、
キャラクター原案に吉田明彦が起用されたのもわかる。

タクティクスオウガ・ファイナルファンタジータクティクス等のSRPGで
キャラクターデザインでファンタジー世界のキャラクターを描き
多くの後続のゲームに大きな影響を与えた吉田。

ファンタジーをやるなら吉田明彦のデザインを元に、という狙いがあるように見える。
今まで吉田がアニメのデザイン関係の仕事をしていなかった点でも
新鮮さを強調できる計算もあっただろう。

そんな吉田原案のキャラは服装及び服の色が際立つ。
特に酒場で働く頃のマキアの茶を基調とした服装は
「あぁ吉田キャラだなぁ」と思わせると共に
作品世界に馴染んでいる力を持ち合わせていると思った。

もっといえば吉田キャラ原案のアニメが見られるとは
本作が出るまで全く想像もしていなかった。
だから単純に吉田キャラが生活しアクションするだけでも私は嬉しかったし
ファンタジー世界を作る上で吉田キャラの力は絶大だなとも思った。

次に音楽。川井憲次。
私は川井憲次の音楽が好きなので、聞けるだけで嬉しい。

そして美術。
一から世界を作り上げるオリジナルアニメのファンタジー世界という条件の元、
城・都市などの建築物や自然・風景を存分に描きあげていたのが素晴らしかった。
段差や高低を感じさせる都市ドレイルの街並みや、
幻想的なイオルフの水場などが印象的だった。

ありきたりに見える風景がなく、
どんなシーンでも趣向を凝らした美術背景のように映った。
こうした設定を一つ一つ作り上げるのは
とんでもない労力とイマジネーションが必要だと思った。


以上のように本作は作品世界の根幹である
デザイン面でのキャラクターと美術が魅力的で
それがファンタジー世界を構築する上で大きく貢献したように思える。

さらに吉田キャラクターを石井百合子・井上俊之・平松禎史以下
一流のアニメーター達が吉田デザインの良さを損ねずに
存分に動かしていたのが良かったと思う。
 
よって私はファンタジーものに興味があるなら
「さよ朝~」は楽しめるのではと思った。
 
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[ 2018/02/27 19:52 ] ニュース | トラックバック(-) | コメント(-)