コービー・ブライアントの事故死が辛いのは、
私にとって同時代人であったこと。
才能に溺れず、想像を絶する努力により成功を勝ち取り、
これからの活躍を期待されながらも若くして亡くなる、
人生の虚しさを突きつけるからだ。

NBAにハマりつつある時にコービーはレイカーズに入団。
スターダムを駆け上がり、何度も優勝し、レジェンドになった。
KG・アイバーソン・ダンカンとともに
最初から最後までキャリアを見届けられた選手の一人だった。
私にとってマイケル・ジョーダンは大人であり究極の憧れである。
コービーは憧れというより同時代人。一緒に生きてきた思いがあったことを
今回の訃報に接して気づかされた。
ただ最初の頃は必ずしもコービーが好きではなかった。
ショットセレクションの悪い試合や、独りよがりなプレイをしてしまう時。
「シャックか自分のどちらを選べ」とフロントに要求したこと。
ジョーダンと比較してしまうと、まだ及ばないという感覚(特にジャンプ力)があり
及ばなさが好きではないという評価になっていたのだと思う。
ただシャックと別れ、2009・10と連覇を成し遂げたこと。
特に10年のセルティックスとのファイナル後は、
本当に偉大な選手になったと思った。
キャリアの形成とともに、コービーのことを尊敬するようになっていった。
誰もネクスト・ジョーダンにはなれない。これは変わらない。
でもコービーだけはジョーダンに匹敵する、コービーという存在になったと思った。
引退試合で60点を取れる選手が、コービーの他にいるのだろうか。
今後彼ほど練習に対して驚くべきエピソードを持つ選手が現れるのだろうか。
スター選手が一つのチームに留まらない傾向が激しくなる中で
一つのチームで20年間プレイし続けるスター選手が今後現れるだろうか。
でも何より20年間、彼のプレーを見て楽しみ驚き勇気づけられ
大人になってきたものとして、こんな形でコービーを失うのは悲しいよ。
もっと一緒に年とっていきたかった。信じられない。信じたくない。
娘さんまで失ってしまったのは、ただただ辛い。
今はただ安らかに。残された家族の悲しみが少しでも癒えますように。
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