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とらドラ!【気持ちの変遷と全体の感想】 

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とらドラ!は私にとって、最初と最後の印象が大きく変わった作品だ。
正直、最初は舐めていた。しかし段々見続けていくうちに、
「これはちょっと違う」と思うようになってきたのだ。
特に運動大会と16話の大河と生徒会長のケンカ話はそれを決定的にさせた。
今はちょっとうろ覚えになってしまっている所もあるが、
自分の気持ちの変遷と全体の感想を書いてみたいと思う。

最初の印象

最初はオタク向けラブコメな雰囲気と原作を未見だったので
乃木坂春香の秘密と同系統の作品と思っていた。でもそれは2話の段階で殆ど崩れ去った。
ラブコメなんだけど見ている男に半分媚びていて、半分媚びていない作風だったのだ。
絵柄は若干媚びているけど、キャラは媚びずにちゃんと描いていたのだ。

また櫛枝や川嶋の内面が序盤で少しづつ明らかにされていく。
自己の気持ちを奥底に封じ込め、明るく振舞い自らを隠す櫛枝や
表面的にはとっつきやすく、でも本当の自分を出せず傷つきやすい川嶋
こうした二人の内面は明らかに女性原作者でしか描けないものだった。
大河に萌えようとしていただけの私は作品の見方が変わってきた。

中盤の印象

中盤になるとみんなで旅行に行ったり竜次と櫛枝が接近する運動大会
大河が北村の為に全力になる生徒会長とのケンカが印象的だった。
特にケンカのシーンは非常に印象的でここまでまっとうにドラマをやるのは
すごいなぁと関心しきりだった。またこうしたドラマがテンプレ的な段取りで進むのではなく、
キャラクターの心情に寄り添った内容で非常に好感が持ててきた。
大河のひたむきさ、櫛枝の痛さ、川嶋の取り繕い方も含め内面描写の加速が
非常に面白く、どんどんのめり込んでいった。

後半の印象

後半は物語に釘付けだった。単純に一つ一つの展開が気になってハラハラしてた。
まぁ結論は見えているが、それにどうやって辿り着いていくか。そこが見ものだった。
後半は追い詰められていくキャラ達が攻撃的になり、痛々しさ弱弱しさを見せ始めていた。
正直、現実世界ではそこまで恋愛に首っ丈ではないだろうが、
気持ち的には「このくらい比重を占めてしまうのだろう」事を上手く表現していた。

最後の駆け落ちという展開は本当に衝撃的で、駆け落ちというネタがまだ
こんなにも効果があると思いながら見てしまった。

全体の感想

少年少女のありのままで等身大のお話を描いた作品。
私の中で今の時代の恋愛物語というのはこういうものなのだろうと
非常に納得させられ、勉強させてもらった印象が強い。
今の若い人たちは異性に対してフラットな事が前提であり
恋愛も良くも悪くも軽くなっている感じなのだろうねぇ。

傑作かどうか言われると、個人差があるので何と言えない。
ただ丁寧な演出と若干突飛な展開はあるもののキャラを丁寧に描いた構成、
総じて高かった作画を含めると、佳作の領域には値すると思う。

私が何よりびっくりしたのが原作が電撃文庫だった事である。
私はラノベに詳しくないので、他に同じような作風や内容があるかもしれない。
正直電撃のイメージは「キノの旅」「狼と香辛料」「空ノ鐘の響く惑星で」のようなファンタジーや
「ブギーポップ」「灼眼のシャナ」「とある魔術の禁書目録」のような能力バトルが
主流だと思っていた。どこか現実を舞台にしながらも、非現実的な要素が強い作品が
人気で、それはどこか男性的な願望が強いものが多いと思っていた。

しかしとらドラ!は原作者が女性ということもあり、女性の視点から見た作品で
特殊能力や超人的な力といった非現実な設定や世界観が存在しない。
電撃の主流とはかけ離れた作風だったのが、レーベル的に衝撃だった。
この現実をベースに等身大の人間を描こうとするキャラクターで
余りにもまっとうな「普通」すぎるお話がウケたのも時代なのだろうか。
そして少女的小説、少女漫画的な要素をも取り込んだ若い作品だった。

同時期にやっていたクラナドとは対象的な作品だと思う。
クラナドは男性的な視点から母性の暖かさが男性を救いもし奈落させる
人生の展開を描きつつ、家族>恋愛の価値観で描かれていた。
口悪く言えば「女キャラが男に徹底的に優しくしてくれる世界」だった。
家族という機能を信じ、それを描いていった作品だった。

一方のとらドラ!は何回も言うが作者は女性で虎と龍が並び立つという話であり
男女の対等意識というある意味「男に優しくない世界」であった。
恋愛≧家族の価値観であり、親が必ずしも良い存在ではなく
竜次の家も大河の家も家族として機能不全でありそこが現代らしいと思った。
家族は信じられずとも、二人が対等になって生きていくという話でもあった。
キャラに媚びを入れず、今の時代を作者なりに切り取った所が好きだ。

監督の長井龍雪氏の代表作になると思う。「かんなぎ」の山本寛氏がインタビューで
気になった演出家の名前に彼を上げていた。正直作風の違いこそあるが
色々な事をやりたくて不自然さを残し作品に1本筋を通せなかった「かんなぎ」より
自然にキャラクタードラマとして1本筋を通した「とらドラ!」の方が評価は上だ。

キャラの心情に寄り添った展開を丁寧な演出を色や光で上手く表現していた。
トリッキーなカメラワークもありながら絶対にキャラの心情を外さない映像。
コンテ・演出家陣もカサヰケンイチ、大畑清隆、桜美かつし、下田正美、高田耕一と
JCでも主力級の演出家が揃ったのも大きい。でこれは推測だけど
「ハチミツとクローバー」の経験が「とらドラ!」の演出に応用できたと推測できる。
カサヰ氏はハチクロ1期の監督で長井氏は2期の監督。
「ハチクロ」でも等身大のお話を描いてた経験は絶対に生きていたと思う。

とらドラ!には色々考えさせられた。
「リア充向けアニメ」という評価をどこかで聞いたが、その言葉は象徴的だと思う。
やはり若い人向きの作品で若い価値観のお話なのだ。
その原作を瑞々しい感性で切り取ったアニメ化は本当に良い出会いだったと思う。
 
25話の感想はこちら。TBもこちらでお願いしますとらドラ! 第25話(最終話) 「とらドラ!」【感想】
 
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[ 2009/03/26 16:27 ] とらドラ! | トラックバック(-) | CM(2)
初めまして。

歩いていて、たどり着きました。

私がこの作品に抱いていた感想と同じだったので、
とても嬉しかったです。

私も、最初は、キャラ物だと思っていたのですが、全然違っていて、驚いた人間です。

まあ、いい歳になってしまった私は、最終回を見た後に、この恋愛感情がいつまでもつかな~とか意地の悪いことを考えてしまいましたが(笑)

アニメが好きならば、ぜひ、原作も読んでみてください。

より登場人物の内面が描かれており、厚みのある人物描写になっています。

特に、竜司の祖父母の家に行くシーンの描写の厚みが違います。

是非是非!!

それでは、また来ます~。
[ 2009/03/31 22:41 ] [ 編集 ]
はじめまして~
書き込みありがとうございます!!

私も普通の萌えキャラ的な作品だと思っていましたが、全然違いましたね。
確かに二人の恋愛感情がいつまで続くのは気になりますが、
大事なのは「あの時期の、あの瞬間の二人の感情」ではないかと思います。

原作は大いに気になっています。すぐにでも全巻読みたいです。
アニメがどう原作を咀嚼し。映像化したのか、原作の本当の魅力とは
何なのか?色々興味は尽きないです。

うちのブログはアニメの感想とその周辺の話題が中心ですので
見ているアニメの感想が書かれていたら、読んで頂けると嬉しいです。
[ 2009/03/31 23:33 ] [ 編集 ]
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