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今後のTVアニメはどうなっていくか その2 

TVアニメの本質について語る時、
富野由悠季と押井守のこの対談が非常に印象に残っている。

押井 ドラマはドラマで好きなんですよ。好きなんだけれども、ドラマということを目指すのであれば、僕は映画という形式よりはテレビシリーズのほうがいいような気がする。

富野 いいカンしてますね!僕は今回の『Vガンダム』で初めてそれがわかったのだもの。本当の意味のドラマをやろうとすると映画の2時間なんていう時間では短編しか、かすめるくらいにしかできないのに比べ、テレビの週1回ペースというのは腹がたつ実状だけれども、実はあの時間がいるんですよね。


「アニメージュ」1993年6月号より抜粋

TVアニメがドラマに適する媒体だという事を富野も押井も認めている。

TVアニメの週1本○クールというスケジュールはキャラを徹底して描けるし
そのキャラクターからテーマを引き出す事もできる分量だ。
また作り手とすれば作品の方向性が逸れてしまっても軌道修正する事もできるし、
逆に言えばそういう方向性のズレも視聴者として楽しむことも可能だ。

この対談から10年以上経ち、ドラマを本質とする作品以外にもTVアニメは
らき☆すた、のような普通のドラマとはちょっと違う作品も誕生し
必ずしもドラマを本質とする作品だけでは無くなってきた。

これは視聴者側にもドラマ的充足を求めるだけではなく、
いわゆる「祭り」のような部分に期待する視聴者が増えて来ているからだろう。
なぜ視聴者が「祭り」を期待するかという部分について
多分色々なブログで言及されていると思うのだが、
それは視聴者がコミュニケーションを切に求めているからだろうと思う。

特に昨今はアニメの本数増加で顔見知りの友達がそのアニメを
見てるとは限らない。むしろネットで同趣味の人を探す方が簡単な状況だ。
しかし話すにしてもとっかかり(フック)が無いと中々話せない。
そういった話を振る話題として機能するのが「祭り」なのだと思う。

今期はけいおん!が相当うまく「祭り」を引き起こしていると思う。

一方でドラマ的な作品も当然無いわけでは無く(私の中で最近ではとらドラ!)
現代的なドラマを追求し提供する作品はこれからも出てくるだろう。

何にしてもTVアニメの面白い所は時代性を掴んでしまう所にある。
それはTVの「エヴァ」が見事なぐらいに時代とシンクロしたように。
 
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