戦場ヶ原の大怪我以降、おとずれた家庭崩壊によって
彼女の体から抜け落ちた重さの原因である「蟹」を、取り払ってあげる話。
あらすじはそんなもので、戦場ヶ原と阿良々木の
徹底したまでの言葉遊び的ダイアローグの応酬を激しいカット割りと
どんどん構図や背景が変わるビジュアルの羅列で見せていくのが楽しかった。
と思ったら、結構最後の方になると話の背景の解説もあったので
最低限の理解はできた感じだ。大事なのは前半において徹底的に見せつけられた
戦場ヶ原の過剰なまでのキャラ性が憑き物が落ちてからはちゃんと
憑き物が落ちていたキャラへ変わったのが描写的にうまかった。
でも、とにかく前半は戦場ヶ原の裸に尽きると思う(笑)
結構ムッチリ描かれていて、凄く好みです。
最後に出てきた妹二人は渡辺明夫ちっくでこれも良い。
昭和レトロの新聞広告を所々にカットを挟みこんで
ある種の異様な雰囲気を醸し出しているが、集めた記事なのか
作成したものなのかわからないが、何にしても労力のいる作業だ。
「蟹」文字の集積による「蟹」な化物の表現、
戦場ヶ原の体から「思」いが体から吹き出る表現
どっちも「言霊」をどう表現するかという一つの結果かなぁ。
漢字のデザイン自体がビジュアル的に映えているから成立する表現かも。
と考えると、言霊と漢字って大いに関係があるのかもと書きながら初めて思った。
後は戦場ヶ原の回想シーンを悪意(笑)に満ちた実写で表現してたが
シャフトは実写が本当に好きだなぁ(特に新房と尾石)と思いつつ、
作画枚数を使えないシャフトの制作体制における苦肉の策の面も見えてしまう。
まぁ日本のアニメの表現は苦肉の策で生まれるケースが多いけど。
尾石達也OPですね。
現実空間をホッチキスで綴じてしまう映像の連続。最後にでかい戦場ヶ原には笑った
軽やかな曲調がポップな印象を抱かせ、シャフトのOP曲では珍しい。
そしてホッチキス=痛い、というイメージを逆手に取った印象だ。という事は、
化物語は現実をホッチキスで綴じるような作品、もしくはそう作りますという意志宣言だろう。
まぁシャフトなのでOPは変更され、まったく変わってしまう可能性もあるのだろうが。
スタッフロール見たら、化物語にシャフトは出資しているみたいだ。
と考えれば、まぁ結構力は入れてくるだろうね。
- 関連記事
-