一同とはぐれてしまう孝と冴子。二人は逃避行を余儀なくされる。
そこで孝は冴子の過去と彼女の心に秘めた闇を知る事になる。
そして孝が取った行動とは・・・。

冴子さん大好きだぁ!!
毒島冴子の毒島冴子さんによる冴子さんの為の回でした。
それ以上の説明はいりません!!というのが前置きで、毒島冴子というキャラを描ききったと個人的には感じた。
キャラクタードラマとしてここまで盛り上がれたのはスゴイ!!
彼女の話によると、奴らが現れる以前に暴力行為に快感を感じてしまったわけだ。
と考えると、いくらでも奴らに対して暴力、いや殺戮行為ができる今の状況は
彼女にとってはむしろ幸せで恍惚なのだ。しかも殺戮行為に悦楽を覚える苦悩する事を
隣にいる中々隅に置けない男に話したらそれを容認してくれた。
彼女にとってこれほど嬉しいことは無いだろう。
心も体も満たされた彼女。そりゃ「濡れるッ!」わけだ。

つまり冴子さんはこんな状況でも、個人的心情とすれば幸せな状態になったわけだ。
正直途中の展開からこの二人を見てて「はやくやってしまえ!」という気持ちで見ていたよ。
それぐらい、見てる側にもくっつく事を自然に受け入れさせるように
うまく仕向けた構成(原作?)が上手いなぁと感じた。
そんな今回の脚本はleafの「雫」「痕」「to heart」で一世を風靡した「高橋龍也」氏。
ギャルゲーの歴史的には「Angel Beats」の「麻枝准」と同じぐらい重要なんだろうけど、
最近は目立ってないので、扱いに差が出つつある。
「明日のよいち」のシリーズ構成倉田英之の元で脚本デビューした高橋氏。
本作での高橋氏の起用は倉田氏と黒田氏が盟友関係によるコネクションであろう。


もう一つ。ここまで冴子さんという役を表現した「沢城みゆきち」は凄い。
凄いのはみんなわかっていると思うが、改めて凄いと言わざるを得ない。
演技という事。それは毒島冴子という約になりきること。
それは彼女自身も胸を揉まれている事に等しいわけだ。
そういった事まで含めて彼女は演じてるのだ!!声優さんはやっぱ凄いよ。
しかしここまでありのままにあけっぴろげにセックス&バイオレンスを表現し
それ以上にセックス&バイオレンスを肯定したいスタッフの頑張りは
かえって清清しいし、どんどん褒めたくなります。
セックス&バイオレンスなんていう単語は使い古されているけど、
本作はこの娯楽の二つの本質をいかに楽しく見せるかを徹底して行っているよ。
簡単でありながら、実は作り手は己自身のモラルを超えなくてはいけないはずだろうし、
媒体上の制約もあるだろうから、大変であると思うよ。
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